CeBIT 2007展示会場レポート MSIがNVIDIAの次期GPU「G84」「G86」を展示
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NVIDIAの次期メインストリーム向けGPU「G84」 |
会期:3月15日~21日(現地時間)
会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)
NVIDIAのGeForce 8シリーズのメインストリーム向けモデルとなる、コードネーム「G84」と「G86」を搭載するビデオカードが、CeBITのMSIブースで展示され注目を集めている。また、GeForce 6150の後継となる同社の統合型チップセットの新製品「GeForce 7050」を搭載したマザーボードも複数のベンダーから登場した。
●フライング気味の展示となったG86/G84搭載ビデオカード
まずは、MSIブースで展示された、G84/G86を搭載するというビデオカードから触れていきたい。このGPUを搭載する製品が今回のCeBIT 2007で登場するかは微妙なタイミングであったが、多くのベンダーは展示を行なっておらず、MSIによる、ややフライング気味の展示といった印象を受ける。
「G84」は、GeForce 8600シリーズの製品名での投入が見込まれるGPUのコードネームだ。セグメントとしては現在のGeForce 7600の後継モデルとなるが、MSIではパフォーマンス面でGeForce 7950 GT/7900 GSに匹敵するとしている。このG84には、上位モデルのGeForce 8600 GTS、下位モデルのGeForce 8600 GTが用意されている。
一方の「G86」は、G84よりさらに下位のセグメントに位置付けられるGPUのコードネームで、GeForce 8500シリーズの製品名で投入が見込まれている。
MSIで展示された製品は、これらを搭載した計6製品。ただし、製品の詳細は不明で、どの製品にどのGPUが搭載されているかすら、説明員によって内容が異なる状況になっている。そのため、一部筆者の推測も混じるが、各製品の写真を紹介しておきたい。なお、正式な発表は4月半ばが予定されているそうだ。
G84の下位モデルとなるGeForce 8600 GTを搭載すると見られる製品。ビデオBIOSのデュアルBIOS化やソリッドコンデンサの採用などをアピールしていた | 同製品のGPUクーラーを取り付けた状態の様子。HDMI端子とDVI出力を備える | メモリチップは700MHz動作が可能なQimondaのGDDR3メモリ「HYB18H512321AF-14」が採用されている |
G84のオーバークロックモデルという製品。GeForce 8800 GTSの可能性もある | 同じくGeForce 8600 GTまたはGTSを搭載する製品 | G86ことGeForce 8500を搭載する製品。HDMI端子、DVI端子などを備える |
G84/86を搭載するMXMモジュールも展示されている。こちらはG84を搭載するという製品 | こちらはG86を搭載するという製品。ただし、メモリチップが2枚であるあたり、さらに下位のモデルである可能性もある |
●HDMI出力に対応する「MCP68」、「MCP73」搭載マザーボードが登場
NVIDIAからは今回のCeBITで、新しいグラフィック統合チップセットも登場している。AMDプラットフォーム向けが「MCP68」、Intelプラットフォーム向けが「MCP73」のコードネームで呼ばれていたもの。
このうち、今回のCeBITが正式リリースとなるのはAMD向けのMCP68で、展示されているマザーボードから判断できる製品名とラインナップは、以下の3つとなる。
・GeForce 7050 SE+nForce 630a
・GeForce 7050+nForce 630a
・GeForce 7025+nForce 630a
AMD向けなので末尾が“a”となっているのは、最近の同社製チップセットではおなじみのルールである。
ちなみに、製品名には“+”という文字が含まれているが、従来製品のGeForce 6150+nForce 430などと異なりワンチップの製品になっている。しかも、機能をワンチップに統合しただけでなく、最上位のGeForce 7050 SE+nForce 630でも15W前後のTDPを実現しているそうで、実際ヒートシンクのみのファンレス構成になっている製品も多い。
各ラインナップの主な違いは3Dパフォーマンスで、いずれの製品もShaderModel 3.0をサポートするグラフィックコアを持つ。また、全製品がHDCPのキーを内蔵し、HDMI出力に対応するようだ。あるベンダーでは「7025はHDCPのキーを内蔵しない」とするところもあったので、正確なところはNVIDIAからの正式な仕様公開を待つ必要があるが、7025搭載製品でもHDCP対応のDVI出力などを備えることから、いずれの製品もHDCPキーを内蔵している可能性が高いと思われる。
一方、Intel向けのMCP73の正式リリースは2007年6月~7月になる。ただし、すでに展示でも示されているとおり、グラフィック統合向け製品の1つが「GeForce 7050+nForce 630i」になることが、事実上解禁された状態になっている。こちらも製品名に“+”は入っているもののワンチップの製品。HDCPキーを内蔵し、HDMI出力をサポートしている。1,333MHz FSBに対応するが、メモリはシングルチャネルのDDR2-667までのサポートとなるようだ。
GeForce 7050+nForce 630aを搭載するBIOSTAR「TF7050-M2」。HDMI端子を備えている | GeForce 7025+nForce 630aを搭載するGIGABYTE「GA-M68SM-S2」。HDCP対応のDVI出力を備える |
GeForce 7050+nForce 630iを搭載するMSI「P6NGM」。HDMIとDVIの各端子を備えている | GeForce 7050+nForce 630iを搭載するFOXCONN「MCP737MA-S2H」 |
□CeBIT 2007のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□NVIDIAのホームページ(英文)
http://www.nvidia.com/
□GPU仕様一覧表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/gpu/
(2007年3月16日)
[Reported by 多和田新也]