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Seagate、携帯機器向けワイヤレスストレージ規格
「DAVE Technology」

DAVE Technology対応のリファレンスモデル

3月5日 発表



グローバル コンシューマー エレクトロニクス マーケティング ディレクター ロブ・ペイト氏

 米Seagate Technologyは5日、都内でプレス向けに説明会を開催し、モバイルソリューションへの取り組みを紹介した。

 説明会には同社グローバル コンシューマー エレクトロニクス マーケティング ディレクターのロブ・ペイト氏が来日し、モバイルデバイス向けのワイヤレスストレージ規格「DAVE Technology」や、モバイルデバイスのチップセットとHDDの親和性を高める「SMM」を説明した。そのほか、モバイルDTVのリファレンスデザインや、プロトタイプを公開した。


●Bluetooth/WiFi経由で利用できるワイヤレスストレージ

 DAVE Technologyとは、Digital Audio Video Exprerienceの略で、10~20GBクラスのワイヤレスストレージをモバイルデバイス向けに提供するプラットフォーム(コードネーム:Crickett)。

 Bluetooth 2.0やIEEE 802.11b/g、USB 2.0 On The Goをインターフェイスとして備え、デジタルデータの貯蔵/共有/ストリーミング配信が可能。また、DAVE対応ストレージは携帯電話のプライマリーストレージとして振る舞い、ダウンロードしたデータを直接保存可能なほか、動画の再生も自由に可能という。

 バッテリはリチウムイオンを採用し、USB経由での充電に対応する。リファレンスのサイズは61×89×12mm(幅×奥行き×高さ)、重量は70g。またSMM(後述)に対応して消費電力を抑え、最大10時間のストリーミングと最大14日の待機が可能。なお、HDDの容量やサイズについては、需要に応じて幅広いサイズと容量で対応していくという。

 DAVE対応製品は、モバイルデバイスなどの各種キャリアによって第2四半期より販売される予定。既に米orangeやNOKIA、symbianなどとパートナーシップを結んでおり、symbianのスマートフォンへDAVE対応製品の投入が発表されている。

DAVE Technologyの特徴 DAVE Technologyの主な仕様 USBミニのコネクタを装備

DTVデバイスのリファレンスモデル(左)、コロラドのラボで開発中のプロトタイプ(右)

 SMM(Storage Management Module)は、HDDのモバイルデバイスへの組み込みを容易にするソフトウェアソリューション。チップセットにSMMを組み込むことで、Seagateが提供するドライバでHDDを容易に組み込みできるほか、そのコマンドセットを利用してデバイスのパフォーマンスや消費電力を改善(最大15%減)できる。

 より具体的には、チップセット上のフラッシュメモリでコマンドセットを利用することで、デジタルコンテンツとHDDの制御を分離して操作する。加えてフラッシュメモリからシステムコマンドを利用可能にし、HDDの回転をコンテンツを読み込む時だけに抑制することで電力消費を削減した。

 以上の特徴により、モバイルデバイスへのHDD組み込みを容易にして製品化と開発に要する時間を短縮し、製品投入を促進することができるとしている。SMMは現在、ST MicroelectronicsのNomadikモバイルマルチメディアプロセッサ・プラットフォームの一部として提供されている。

●DTVデバイスの提供でエコシステム拡大を目指す

DTVデバイスのリファレンスモデル(左)、コロラドのラボで開発中のプロトタイプ(右)

 DTVデバイスのリファレンスモデルとして、Quantumの「QTM 100 Pocket TV」をベースに、Nomadikチップセットを搭載した製品を紹介した。投入時期は2007年後半を予定。Seagateブランドではなく、DTVエコシステムを形成する携帯電話キャリアやDTV放送会社、車載デバイスを扱う会社より販売される。

 北米や欧州の一部で展開されている、携帯電話向けのデジタル放送規格DVB-H(Digital Video Broadcasting for Handheld)の再生と録画、デジタルコンテンツのダウンロードと再生などが可能。1.8型60GB HDD Lyrionを内蔵するほか、DAVE Technologyによるワイヤレスでのストレージ提供などを予定している。

 このほか、米コロラドのラボで開発中である、DTVデバイスの試作機が公開された。現在はプロトタイプのためサイズが大きいが、上記デバイスのように最終的には縮小されるとした。

 ロブ・ペイト氏は最後に、「Seagateは、ユーザーが求めるオンデマンドの世界を実現するプラットフォームを提供し、パートナーシップを作り上げていく。また、ユーザーがいつでも、どこでも、どんなデバイスでもコンテンツを楽しめる世界を実現するため、さまざまなメーカーとパートナーシップを結び、今後の歩みを進めていきたい」と今後の展望を述べた。

QTM 100 Pocket TVをベースにしたメディアプレーヤー インターフェイスは音声出力やUSBミニなどを備える 開発中のプロトタイプ。最終的にはQTM 100 Pocket TVと同程度のサイズになる

□Seagateのホームページ(英文)
http://www.seagate-asia.com/
□ニュースリリース(和文)
http://www.seagate-asia.com/sgt/japan/newsreleasecnt.jsp?articleId=3834
http://www.seagate-asia.com/sgt/japan/newsreleasecnt.jsp?articleId=3835
http://www.seagate-asia.com/sgt/japan/newsreleasecnt.jsp?articleId=3836
http://www.seagate-asia.com/sgt/japan/newsreleasecnt.jsp?articleId=3798
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【1月31日】Seagate、Bluetooth 2.0+802.11b/g内蔵のモバイルストレージ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0131/seagate.htm
【1月11日】Seagate、容量60GBの1.8インチHDD「LYRION」を出荷開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0111/seagate.htm

(2007年3月5日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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