[an error occurred while processing the directive]

NXP、日本のオートモーティブ分野へ注力
~分社後の展開を説明

2月20日 開催



 NXPセミコンダクターズジャパン株式会社は20日、都内でプレス向けに事業説明会を開催し、分社の経緯と今後の展開について説明した。

NXPセミコンダクターズジャパン 代表取締役社長 松本実氏

 NXP Semiconductorsは、2006年10月にRoyal Philipsより半導体部門を分社化して設立した。同社はPhilipsより製品ポートフォリオやテクノロジー、エンジニアを受け継いでおり、合併前の同事業部は48億ユーロの売り上げを達成してトップ10の半導体サプライヤーだった(2005年度)。その売上構成比は、中国/香港/台湾が35%、その他のアジア地域が31%、欧州25%、北米9%となっている。これを受けて現在はアジア地域への事業所の移管を進めているという。

 主な事業分野は、携帯やワイヤレス機器の「モバイル&パーソナル」、TVやPC TV用の「ホーム」、車や車載デバイス用の「オートモーティブ」、NFC(Near Field Communication)やRFIDなどの「アイデンティフィケーション」の4つ。このほか、Inter Integrated Circuitや産業用UARTなど、汎用半導体も扱っている。

 NXPは、2006年10月にPhilips本社よりPhilips Semiconductorsとして分社され、2007年1月にNXP Semiconductorsへと社名を変更して成立した。これ以降のトピックとして、2006年11月20日にはソニーと共同で非接触IC事業に関する合弁会社の設立に合意。2007年1月16日にはTSMCとCMOS微細化に関するR&Dと製造分野での協業関係の強化を行なった。2月2日にはAdvanced Semiconductor Engineeringと中国にICパッケージング/テストサービスの合弁企業を設立。2月8日にはSilicon Laboratoriesの移動体通信事業を買収した。

 NXPセミコンダクターズジャパン 代表取締役社長 松本実氏は、「我々は強い部分をさらに強く、そして弱い部分に関してはM&Aを含めて強固にしていく方向で事業展開していく」と積極展開をアピールした。

NXP Semiconductorsの概要 分社後のトピック

 オートモーティブについては、自動車のシリコンへの需要が増えていることと、日本におけるマーケットが急激に拡大していることを受け、2月1日より事業部体制としたことを明らかにした。セールス/マーケティング/エンジニアリングを1つの組織に集約し、効率的に営業するのがねらい。これはNXPが日本の自動車産業を重視したことの表れだという。


オートモーティブ事業部 濱田裕之事業部長

 同事業部 濱田裕之事業部長は、「カー・エンターテインメント、安全性と快適さ、ネットワーキングの3点のアプリケーションに特化するために、コンピンテンスセンターを2月1日に日本に設置し、エンジニアを置いた。今までの部隊と比べて非常に大きな人数となっている。日本の自動車メーカーの要求に応えるべく、センターをベースにサポートしていく。今まで表面化していなかったNXPの製品の拡販と、それらが搭載された車が走ることを夢見てがんばっていきたい」と抱負を述べた。

 そのほか、車がメカトロニクスからエレクトロニクスに移行していることに触れ、一例として、車のハンドルについて語った。現在のハンドルは油圧補助のシリンダーとなっているが、これには事故の際に人体に大きなダメージを与える理由の1つになっているという。これをエレクトロニクスのモーター制御とすることで、事故の際の危険度を下げるほか、シリンダーが不要なため設計の自由度を高めることができる、といったビジョンを提示した。

 NXPセミコンダクターズジャパン 松本氏は分社のメリットについて、「分社したことで事業を効果的に進められるようになった。また、デシジョンメイキングのサイクルが早くなった。半導体業界は現在急激な動きをしているが、今回の分社によりビジネスを拡大する基板ができたと認識している」と自信を見せた。

□NXPのホームページ
http://jp.nxp.com/
□製品情報
【2006年9月4日】Philips、半導体事業を分社、新社名は「NXP」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0904/philips.htm

(2007年2月20日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
お問い合わせに対して、個別にご回答はいたしません。

Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.