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DIGITAL COWBOY、回路や部品にこだわった
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10月27日 発表
DIGITAL COWBOYは27日、PCパーツの新ブランド「東京スタイル」を発表した。PCの自作ユーザーが“趣味の1つとしての自作PC”を楽しめるよう、購入して満足できるパーツや、回路設計にこだわったパーツなどを展開する。
ハンファジャパン株式会社 開発担当 営業第5チーム 二松光氏 |
都内で開催された発表会では、開発担当 営業第5チームで今回のブランドのエグゼクティブプロデューサーを務める二松光氏がプレゼンテーションを行なった。同氏は以前、玄人志向から趣向を凝らした製品を世に送り出している。
この「東京スタイル」の名称の由来は、“東京”という言葉が趣味をカジュアルかつ贅沢に楽しむ場所、というイメージを持ち、それにマッチするPC自作という趣味を表現。それを1つの形として確立させたいという思いから生まれたという。
ブランドの位置付けとしては、DIGITAL COWBOYの中の1つで、自作PCパーツに特化し、品質や設計など製品へのこだわりを具現化していく。その哲学は、部品選定、回路設計に至る製品を構成する部材に現れている。
「こだわりの部品選定」 | 「こだわりの回路設計」 |
部品選定については、チップ抗体、チップコンデンサなどの実装部品に関して、特性や品質、実績などを吟味して採用を決めている。コストを重視する一般的なメーカーとは正反対の思想で、製品に最も合致するものであれば、入手性が悪くても採用するという。また、部品が足りない状態であっても、代替部品は一切使用しないとしており、マニュアルにも使用している部品を明記する。
回路設計に関しては、リファレンス通りではなく、安定性や性能を高められる可能性があるアイデアがあれば取り込んでいくという。今回発表された製品では、PC内部で電磁波の影響を受けやすいとされるピンヘッダを無くし、基板の裏面に電磁波を吸収するプレートを装備。ビデオカードのファンはスチールのプレートで覆うなどの要素を盛り込んだ。
さらに、バスから受ける電源ラインのノイズを除去する回路や、電源への特殊な安定化回路などを搭載している。これは、玄人志向のシールドボード「NO-PCI」の機能を、各種ボードに組み込んだと考えると分かりやすいだろう。
商品展開について | ビデオカードのパッケージ |
このような“こだわり”を詰め込んだPCパーツ5製品を11月より順次、市場に投入していく。価格はすべてオープンプライス。パッケージは黒を基調とし、製品に合わせて高級感を持たせたとしている。
●PCI Express x1対応のサウンドカード
「S010」は、PCI Express(PCIe) x1バスに対応するサウンドカード。発売は12月中旬を予定し、店頭予想価格は12,800円前後の見込み。
現在の市場には、PCIeバスをサポートするサウンドチップが無く、サウンドカードそのものも見られなかった。この製品は、同社のPCIe x1バス→PCI変換カードの通称“フタ”こと「DCT-FUTA1」の技術を用いてPCIe x1接続を実現している。
サウンドチップはVIA Technologiesの「Envy24HT」を搭載。電源回路にはルビコンのアルミ電解コンデンサ「ZL」シリーズ、DACおよびADCにはWolfsonの「WM9766/8776」を採用する。
また、デジタルとアナログの各回路を完全分離し、シールド板などを不要としたほか、カード裏面に電磁波除去プレート、ピンヘッダの除去、電源ラインのノイズ除去フィルターなどを搭載。音質にもこだわった設計とした。このほか、オペアンプを交換できるギミックを用意し、ユーザーが好みの音色を選択できるようにしている。オペアンプのオプションも考えているという。
PCIe x1バス用のサウンドカード「S010」 | VIAの「Envy24HT」を搭載 | PCI Express接続を可能にしたブリッジチップ |
交換可能なオペアンプ | ブラケット部。S/PDIF入出力(角形/丸形)と、アナログのピンジャックのアダプタ接続用コネクタ | カードの概要。オーディオメーカーに負けない音質を謳う |
●HDMI搭載ビデオカード
「V150」は、GeForce 7600 GTを搭載するPCI Express x16用ビデオカード。発売は2007年1月を予定し、店頭予想価格は29,800円前後の見込み。なおこの価格は、2006年10月時点で製造するという条件で、実際に市場に出る際には、GPUの価格低下などがあれば反映されるようだ。
インターフェイスにHDMI出力、DVI-I、HDTV出力、S/PDIF入力(丸形)を装備。会場では、前述のサウンドカード「S010」のS/PDIF出力からビデオカードの入力へ音声を出力し、HDMIトランスミッタで映像と音声を合成後、HDTVに出力するデモを行なっていた。
カード上の部品も追求しており、チップコンデンサは村田製作所、チップ抵抗はローム、電解コンデンサは日本ケミコンなど、品質と特性から選定したという部材を使用している。そして、GPUの冷却ファンをスチールプレートで覆い、カード裏面に電磁波除去プレート、電源ラインのノイズ除去回路を搭載する。
クロックなどの仕様はリファレンス通りコア560MHz/メモリ1.4GHz、ビデオメモリは128bit幅の256MB GDDR3。HDMIのバージョンは1.1、解像度は1080pまで対応する。
HDMI搭載のGeForce 7600 GTビデオカード「V150」 | ビデオカードの概要。随所に“こだわり”を搭載したという |
サウンドカード「S010」と組み合わせたHDMI出力のデモ。サウンドカードから音声をビデオカードに入力し、HDMIのみで映像と音声をTVに出力 | デモマシンの電源ユニット。容量は1,000Wで、製品化する見込みだという |
●PCI Express x1用インターフェイス3種
PCIe x1バス用のインターフェイスカードは3モデルを用意。発売はいずれも11月下旬を予定。この3モデルも同様に、村田製作所のチップコンデンサや、電磁波除去プレート、電源ラインのノイズ除去フィルターなどを搭載している。
ブラケット部にIEEE 1394の6ピン、4ピンを各1個装備し、PC内部に6ピン(ブラケットの4ピンと排他)を装備する「I100」の店頭予想価格は5,980円前後の見込み。採用チップはTexas Instruments(TI)の「XIO2200A」。
ブラケット部にeSATAポート、PC内部にシリアルATAポートを装備する「I210」の店頭予想価格は5,980円前後の見込み。採用チップはSilicon Imageの「SiI3132」。
Gigabit Ethernet対応のNIC「I300」の店頭予想価格は4,980円前後の見込み。採用チップはMarvellの「88E8053」(Yukon2)。
IEEE 1394インターフェイス「I100」 | シリアルATAインターフェイス「I210」 | Gigabit Ethernetカード「I300」 |
□DIGITAL COWBOYのホームページ
http://www.digitalcowboy.jp/
□東京スタイルのページ
http://www.digitalcowboy.jp/tokyostyle/
□関連記事
【7月14日】DIGITAL COWBOY、通称「フタ」ことPCIe x1→PCI変換カード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0714/digitalcow.htm
(2006年10月27日)
[Reported by yamada-k@impress.co.jp]