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サムスン、超音波方式17型タブレット液晶
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SyncMaster 720TD |
9月22日 発表
価格:オープンプライス
日本サムスン株式会社は22日、液晶ディスプレイ市場の状況や同社の新製品を紹介するプライベートショウ「SAMSUNG LCD Seminer 2006」をビジネスパートナー向けに開催した。
セミナーでは、同社初となる17型タブレット液晶ディスプレイ「SyncMaster 720TD」と、128MBのフラッシュメモリにWindows CEを搭載し、ネットワークを利用した情報配信が可能な17型液晶ディスプレイ「SyncMaster 711NDの2機種が発表された。いずれも法人向けに販売され、価格はオープンプライス。また、参考出展として、Adobe RGBに対応し、ハードウェアキャリブレーションツールを標準添付した20型UXGA液晶を公開した。
●タブレット液晶ディスプレイ「SyncMaster 720TD」
SyncMaster 720TD |
1,280×1,024ドット(SXGA)表示対応17型液晶ディスプレイに、超音波方式によるタブレット機能を備えた製品。ディスプレイ上部にセンサーボタンを備え、ボタンが露出している時はタブレット機能がONに、ボタンが収納されている時にはOFFになる。
ディスプレイの主な仕様は、輝度が270cd/平方m、コントラスト比が700:1、視野角が上下135度/左右150度、応答速度は8ms、最大表示色数は約1,677万色。タブレットは、読取精度が±0.5mm、読取速度が100ポイント/sec。ペンはリチウムイオン電池を内蔵し、連続稼働時間は3時間。
インターフェイスはミニD-Sub15ピンを装備。また、ディスプレイの表面を保護するパネルを搭載している。本体サイズは429×225×424.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は6.2kg。本体色はブラックとシルバーが用意される。スタンドは73mmの高さ調整と後ろ90度まで可動するデュアルヒンジを採用している。
●情報配信ディスプレイ「SyncMaster 711ND」
内蔵フラッシュメモリにWindows CEを搭載し、単体でサーバーから配信される情報を表示できるSXGA対応17型液晶ディスプレイ。HDDレスでOSを内蔵し、単体で動作するため、PCシステムに比べて導入コストが低い。Ethernetに加えてUSBポートを装備し、ネットワークを利用しない情報表示も可能なほか、ハードウェアMPEGデコーダを内蔵し、動画の再生にも対応する。
主な仕様は、輝度が300cd/平方m、コントラスト比が600:1、視野角が上下/左右ともに160度、応答速度が8ms、最大表示色数が約1,619万色。クライアント部の仕様は、CPUにAMD Geode GX 466、メモリに128MBフラッシュと128MB RAM、組み込みアプリケーションとしてInternet Explorer/File Explorer/WMP/JAVA/Flashなどを備える。
本体サイズは370×200×404mm(同)、重量は5.8kg。本体色はブラック。
SSyncMaster 711ND |
●オールインワンを謳うAdobe RGB対応液晶「SyncMaster XL20」
SyncMaster XL20 |
LEDバックライトを採用してAdobe RGBへ対応するとともに、ハードウェアキャリブレーションツール「Huey」をバンドルし、店頭予想価格16万円を切る1,600×1,200ドット(UXGA)表示対応20.1型液晶ディスプレイ。
これまでAdobe RGB対応ディスプレイは50万円を越える価格帯だったが、低価格ながらもハードウェアキャリブレーション用の測光機とソフトを標準添付したほか、フェルト加工の遮光フードも付属し、カラーマネジメントシステムに必要なアイテムが一通り同梱されたパッケージになっている。
主な仕様は、輝度が250cd/平方m、コントラストが1,000:1、視野角が上下/左右ともに178度、応答速度(中間色)が8ms、最大表示色数が1,677万色。
インターフェイスはDVI-DとDVI-Iの2系統を備える。本体サイズは448×220×390.8mm(同)、重量は7.6kg。
本気は参考展示であり、詳細な仕様については後日発表される。発売は10月末予定。
●技術力とグローバルな供給体制で日本に定着を
デジタルプロダクツ事業部 DMA営業チーム チーム長 金周一氏 |
セミナーでは、同社 デジタルプロダクツ事業部 DMA営業チーム チーム長 金周一氏が、「弊社の液晶ディスプレイは順調に営業成績を伸ばし、これはみなさまのおかげであると心から感謝している。業務用の大型ディスプレイや、Windows搭載の高付加価値ディスプレイ、そして本日紹介するLEDバックライト採用ディスプレイといったユニークな技術を用いた製品が数多くある。このような技術力とグローバルな供給体制で、弊社のディスプレイが日本にますます定着していくと確信している」と挨拶した。
そのほか、フラットディスプレイ専門に、調査とコンサルティングを行なうDisplaySearch 上級副社長兼日本事務所代表 田村喜男氏の特別公演や、サムスンのデザイン戦略についての説明が行なわれた。
田村氏の公演では、17型は熾烈な価格競争のため収益性が悪化しており、後発の19/20型ワイドが収益源となっていく、またマザーガラスからのパネルの面取り数の効率から19型/22型/24型のワイドの出荷が伸びていく、などの予測が示された。
デザイン戦略については、人材育成のためのプロジェクトや社内コンテストを行なっていることを挙げ、内部人力育成システムを強化していることや、高付加価値製品を開発するために、造形をロンドン/ミラノで、操作性をロサンゼルス/サンフランシスコで、仕上げを東京/上海/ソウルで分担し、イノベーションを達成していくといった取り組みが紹介された。
DisplaySearch 上級副社長兼日本事務所代表 田村喜男氏 | パネルの面取り数の効率 | 拠点で分担してイノベーションを達成する |
□サムスンのホームページ
http://www.samsung.com/jp/
□製品情報
http://www.samsung.com/jp/products/monitor/monitor/720td.asp
http://www.samsung.com/jp/products/monitor/monitor/711nd.asp
□関連記事
【8月22日】日本サムスン、コントラスト比1,500:1の19型液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0822/samsung.htm
(2006年9月22日)
[Reported by matuyama@impress.co.jp]