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フィリップス、家電から医療機器、照明機器へ事業転換
株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは11日、都内ホテルで事業戦略説明会を行なった。オランダ本社となるRoyal Philips Electronics 会長兼社長兼CEOのジェラルド・クライスターリー氏と、9月1日に日本法人の代表取締役社長に就任した上條誠二氏が出席。総合家電メーカーから、医療機器、照明機器を軸とする事業へ転換していく方針が語られた。 クライスターリー氏は、Philipsのメディカルシステム部門の出身。2001年にCEO兼会長に就任後、主に家電製造など不採算事業の整理を進めるとともに、医療機器事業を中心に据える組織改革を行なってきた人物。この日も「高収益が見込める医療事業をさらに強化し、世界市場での存在感をさらに増していきたい。ヘルスケア、ライフスタイル、テクノロジーの3つを軸に推し進めていく」と語った。 同グループの2005年の売上はシェーバー、電動歯ブラシなどを除く家電事業で約104億ユーロ、医療機器が約63億ユーロ、照明事業が約47億ユーロ、シェーバー、電動歯ブラシなどパーソナルケア製品が約22億ユーロとなっており、未だ、家電事業が圧倒的な売上を示している。 ところが、利益ベースで見ると、医療機器が約7億ユーロ、照明が約5.6億ユーロ、家電が約5.3億ユーロ、パーソナルケアが約3.7億ユーロとなっており、医療機器、照明、パーソナルケアが、家電事業を大きく上回っている。 このことから、「より利益率の高い事業にシフトし、効率の良い組織を作る」(クライスターリー氏)戦略を推し進め、欧州でナンバーワンのシェアをより盤石にするとともに、「日本を含むほかの地域でも、そうしたビジネスモデルを持ち込み、利益拡大を狙っていく」(同)という。Philipsはすでに半導体部門を、約2割の株式を残し、投資コンソーシアムに売却。家電、半導体から、医療、照明への方向転換を図る。
9月1日に日本法人の社長となった上條氏もまた、クライスターリー氏と同様に、医療機器部門の出身。フィリップス メディカルシステムズの社長を歴任しており、こうした人事も、医療機器重視の世界戦略の一環と見られる。 日本法人の組織も、そうした戦略を表すように、全1,093名の従業員のうち、738人が医療機器部門に割り当てられている。ついでスタッフ部門が110名、照明機器が90名。家電事業には、わずか13名しか配置されていない。 上條氏は日本法人の経営戦略について、「年15%の成長を目指す。メディカルを中心に、日本におけるブランド力を高めていきたい」とコメント。さらに、家電事業については「電動歯ブラシやシェーバーなど、日本市場で利益が見込めるものを精査して展開する。今の事業規模を考えると(13名という家電事業部は)大変効率の良い組織」とした。 □フィリップス エレクトロニクス ジャパン (2006年9月11日) [Reported by ito-d@impress.co.jp]
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