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BCN調査「店舗よりネット通販が安価。高機能製品がネットで人気」
~ネット通販と店頭販売の比較データを公開

BCN 取締役の田中繁廣氏


115品目すべてのデータ。「着実にネット販売が伸びている」(田中氏)

 株式会社BCNは1日、店頭販売とネット販売について両者の比率や傾向をまとめ、発表した。

 この調査は、PCや液晶TVなどデジタル家電115品目に関して、7月の販売データを元に、店頭販売とネット販売を比較したもの。ビックカメラなど19社の家電量販店、アマゾンジャパンなど4社のネット専業販売会社を調査対象としている。なお、ネット販売の価格は、送料や代引手数料など雑費は含んでおらず、純粋な販売価格のみとなる。

●同一商品ならネットが安価。ただし購入平均単価はネットが上

 まず、すべての品目の合計データだが、ネット販売の比率は、台数ベースで4.7%、金額ベースで7.1%となった。経済産業省が2004年にまとめた市場調査では、金額ベースで4.96%となっており、BCNの調査は限られた範囲ではあるものの、着実にネット販売が伸びていることを表している。

 ネット販売が伸びた原動力として、ネット販売の安さが挙げられる。

 同一商品でネット販売と店頭販売の価格を比べたところ、ノートPCで6.5%、電子辞書では17.6%、液晶ディスプレイに至っては18.4%も、ネット販売の方が安かったという。

 にもかかわらず、購入平均単価はネットが16,300円。店頭が10,600円と、大きな差が開いた。ネット販売の方が価格が安いのに、なぜ購入単価はネットの方が高いのか。

 この“ねじれ現象”が起きた原因に関して同社 取締役の田中繁廣氏は、「同一商品であればネット販売の価格が安いので、ワンランク上の高機能商品をネットで買う傾向が強いのではないか」と分析している。

 なお、このデータは調査した115品目すべてを対象としたものだが、個別に見ていくと、ネット販売の割合(数量ベース)が高い製品として、37.5%のページプリンタ、21.4%の液晶ディスプレイ、13.8%の電子辞書、13.5%のソフトウェア、8.6%の周辺機器などが挙げられる。

 一方、ネット販売の割合が低い製品としては、3%の液晶TV、4.5%のDVD/HDDレコーダなどがある。

 この違いを生み出す要因について、「ビジネスで利用するものを中心にネット販売の比率が高い。液晶TVなど高額なコンシューマ商品は、実物を見て買う、という行動が一般的なのだろう」(田中氏)としている。

同一商品の販売価格比較。「ネットは最大で2割安い」(田中氏) ネット販売を牽引するビジネス市場

 以下、PC関連製品を個別に見ていこう。

●ノートPC

ノートPCのデータ

 ノートPCに関しては、平均購入単価は店頭が135,900円、ネットが135,600円とほぼ同じ。販売比率も、台数ベース、金額ベースともにネットは7.5%だった。

 大きく差が出たのは販売台数の構成比だ。店頭ではA4型が93.6%と圧倒的な比率を示した一方、B5以下は6.3%。ネットでは、B5以下が21%を占めている。

 田中氏は「Let'snoteやDynaBook SSシリーズなど、軽量小型のビジネス向けモバイルPCが市場を引っ張っているのでは」と分析している。


●デスクトップPC

 デスクトップPCでは、平均購入単価に大きい差がある。店頭では141,000円なのに対し、ネットでは57,000円。ネットで販売された台数のうち、63.8%がディスプレイ別売のモデルだったという。

 「店頭では、液晶ディスプレイ込みのメーカー製モデルが中心。ネットでは、マニア層がeMachinesなどを購入しているのでは」(田中氏)


●液晶ディスプレイ

液晶ディスプレイのデータ

 液晶ディスプレイに関しては、台数ベースでネットが21.4%、店頭が78.6%。購入単価はネットが33,800円、店頭が32,800円と差はないが、販売しているサイズの構成比に、大きな違いがある。

 ネット販売では19インチ以上の大型のものが、49.5%と半数近くを占めるのに対し、店頭販売では35.7%でしかない。これもやはり、「ビジネス用途での購入が多いため」だという。


●サプライ品

サプライ分野のデータ

 田中氏が「意外」と語ったのが、サプライ分野だ。

 販売数ベースでいうと、DVDメディアの2.5%が最高で、プリンタ用のインクは1.6%、コピー用紙は0.9%と軒並み低い。

 この要因に関して田中氏は、「BCNの調査対象にアスクルなどオフィスサプライ関連会社を含んでいないためではないか。ネット販売はビジネス顧客が引っ張っているが、ハードはネットで買って、消耗品はアスクルや近所の店で買うというのが、一般的なのでは」と説明している。

 調査対象会社は、アマゾンジャパン、アロシステム、エイデン、大塚商会、ギガスケーズデンキ、グッドウィル、サクセス、さくらや、上新電機、ストリーム、ソフマップ、ZOA、九十九電機、T・ZONEストラテジィ、デオデオ、ニノミヤ、100満ボルト、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、ムラウチ、ミドリ電化、ベスト電器、ラオックスの23社。調査対象は2,281店舗で、アマゾンなどネット専業の会社は、1店舗として数えられている。

 また、調査対象の会社が運営する販売サイトの売上に関しては、ネット販売として計上されている。

□BCNのホームページ
http://www.bcn.jp/

(2006年8月1日)

[Reported by ito-d@impress.co.jp]

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