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日本IBM、大和研究所でCellブレードサーバーをデモ
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7月20日 開催
内永ゆか子ジェネラルマネージャー |
日本アイ・ビー・エム(IBM)株式会社は20日、報道関係者向けにプレスセミナーを実施し、内永ゆか子ジェネラルマネージャーが大和研究所で行なわれている取り組みについて紹介した。
日本IBMの開発製造部門は、主に大和、藤沢、野洲、豊洲の4カ所に事業所を構えており、従業員数は約2,400人前後。うち大半が大和に所属している。製品とサービスとしては、ミドルウェアやツールなどのソフトウェア、およびサーバー、ストレージ、プリンタなどを扱う。
その中でも同社が特に注力しているキーワードが“製品開発へのイノベーション”で、オープンなインターフェイスおよび顧客とのコラボレーション、複合領域とグローバルな展開に積極的に取り組んでいる。
一例として、他社の製品開発にIBMが支援し、IBMがPCやサーバー分野、ソフトウェア分野で培ったノウハウを取り入れる「R&Dイノベーションサービス」を実施しており、顧客の開発コストの削減、開発期間の短縮、利益の拡大を図ったサービスを提供している。
内永氏は、「当社のR&Dサービスを利用したソフトウェア会社では、組み込みのアプリケーションを当社がレイヤー化などを行なうことにより、生産性を2倍に高めることができた。ほかの会社でも同サービスを利用した場合、開発費を平均で約36%~40%前後削減でき、品質も10%向上しており、好評をいただいた」と説明した。
製品開発コストの削減、開発期間の短縮、利益の拡大などが見込める | R&Dイノベーションサービスの利用実績 | ソフトウェアのレイヤー化により生産性を2倍にできる |
また、大和研究所で開発されたオフィス環境でも使えるような小型スーパーコンピュータ「BlueGene/S Turbo」についても紹介。同氏は、「BlueGeneのカードは1枚で約700W、4枚のシステムで約3,000W消費する。BlueGene/Lでは斜め下から空気を吸気し、斜め上に排気を行なうエアフローだったが、BlueGene/Sでは直線的なエアフローを採用した。これにより、前者が温度16度の環境で65度だったものを、後者では温度35度の環境で68.3度に保つことができる。オフィス環境での運用に配慮した設計にした」とアピールした。
大和研究所で開発された「BlueGene/S」 | 直線的なエアフローで内部温度を改善 |
最後に同氏は、「今後も組み込み向けソリューションおよびカスタマイズを中心に力を入れ、日本の企業とローカルな開発研究関係を築き、新しいイノベーションを出していきたい」と語った。
●Cell搭載ブレードサーバーのデモ
セミナー同日には、社内向け展示会「Innovation Day」も実施され、数々のコンセプトや製品を展示した。
中でも特に注目されるのが9コア内蔵の「Cell Broadband Engine」(Cell)を搭載したブレードサーバー。展示機では、8個のSPEコアをフルに生かすため、8つの独立したオブジェクトの物理シミュレーションを同時に行なっていた。Cell搭載ブレードサーバーは物理シミュレーションの演算のみを担当し、レンダリングはAppleのPowerMacが行なう。
そのほかは技術展示として、無線WANやsRGB対応液晶、HD DVDを搭載したThinkPadシリーズなどが並べられていた。
Cell搭載ブレードサーバー。稼動中のうえ、本体の大部分がヒートシンクで覆われてるというため、内部写真撮影できなかった | Cellブレードサーバーは物理シミュレーションのみ担当し、レンダリングはMacで行なっていた | 【動画】物理シミュレーションのデモ(MOV形式/約2.1MB) |
HD DVD搭載ThinkPad | 無線WANと無線LANを双方搭載した製品 | sRGB対応液晶搭載ノートも |
□日本アイ・ビー・エムのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
□関連記事
【2月9日】IBM、Cellベースのブレードサーバーを開発
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0209/ibm.htm
(2006年7月20日)
[Reported by ryu@impress.co.jp]