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低価格NAS自作キット「クラスト LAN SERVER」を試す
発売中 価格:5,980円 アイ・ジー・エス株式会社が運営するオンラインショップ「クラスト」から、5,980円のNAS自作キット「LAN SERVER」が発売された。 同製品はIDE HDDに対応したNAS自作キット。独自の機能として、USB 2.0ポートを備え、USBによる転送にも対応しているのが特徴。同社によれば、Ethernetによる転送は低速で、マニュアルや設定画面も英語のためやや上級者向けとしているが、5,980円という価格は魅力的だ。今回1台お借りできたので、レポートをお届けする。 ●シンプルな構成で組み立ても容易 パッケージには、本体、マニュアル、ACアダプタ、ACコード、取り付け用ネジ、USBケーブル、LANケーブル、縦置きスタンドに加え、プラスドライバーも同梱されているため、組み立てには別途工具を用意する必要がない。 筺体右側面にはヘアライン加工がされたアルミヒートシンクが装備され、“コ”の字型のつや消し加工がされたアルミ製カバーで全体覆う構造。前面パネルおよびHDD固定用シャーシ、縦置き用スタンドはプラスチック製。電源はプッシュ式で前面パネルに備え付けられており、電源LEDはブルー、LAN LEDはレッド、HDD LEDはオレンジ。全体的なデザインはシンプルで高級感があり好感が持てる。 ACアダプタは標準的なサイズ。ラベル表記を見る限りでは5Vと12Vの2系統を同時出力できるタイプで、直接HDDに電源供給できるものだと思われる。
組み立ては簡単で、側面のネジ4本と背面のネジ2本を外すだけで簡単に内部にアクセスできる。HDDに電源とIDEケーブルを接続しネジ留めをし、カバーを元に戻すだけで組み立ては完了する。USB HDDケースの組み立てと同じような感覚だ。 組み立て時に注意したいのは、販売されている多くのバルクHDDでは、ジャンパーがデフォルトで“Cable Select”になっているため、このまま接続してしまうと“Slave”扱いとなり、USB接続時にHDDが認識されなくなってしまう(LAN接続時は問題なし)。“Master”に設定してから組み込むよう心がけたい。 LANとUSB接続は排他式で、同時に接続した場合はUSBが優先してマウントされる。USBに接続していても、Webブラウザから本体の設定を行なうことが可能だが、NASとしてマウントできないので注意が必要だ。 デフォルトで本体にDHCPサーバーが稼動しており、IPアドレスに“169.254.0.1”というやや特殊なアドレスが割り振られている。本体の設定を行なう際はいったん設定するPCをネットワークから切り離し、本体に直接接続してDHCPやIPアドレスの設定を行なうことをおすすめする。 設定画面はシンプルで、HDDのフォーマット(FAT32形式)/チェック/スリープ設定、Sambaの設定、FTPの設定などが行なえる。Sambaの設定では、共有フォルダを複数作成し、フォルダ別にパスワードを設けるといったことが設定でき、FTPの設定ではAnonymous権限でのアクセスやユーザーの追加/削除が行なえる。 ●LAN接続の速度は控えめ Westren Digitalの「WD2500BB」(7,200rpm/キャッシュ2MB)を組み込んで、実際に速度のテストも行なってみた。テスト環境は、Athlon 64 3500+(2.2GHz)、メモリ512MB、ASUSTeK A8N-SLIマザーボード(nForce4 SLI)、GeForce 6600 GTビデオカード。OSはWindows XP Professional(SP2)。使用したベンチマークソフトはHDBENCH Ver.3.40 beta 6だ。 まずはLAN接続で測定してみた。同製品をネットワークドライブとしてドライブレターを割り当て、HDBENCHでベンチマークを行なった。
結果は読み込みが約3.6MB/sec、書き込みが約3MB/sec。NASとしては低速な部類に入る。メーカーの言う数字とも大差ない。 次にUSB 2.0接続で測定してみた。
結果は読み込みが約33.4MB/sec、書き込みが約34.8MB/secで、良好な結果を示した。 LAN接続が低速なことからすると、コスト低減のためNICに低性能なものを採用していると思われる。基板を見ても部品数が少なく、低価格な統合コントローラを使用している可能性がある。ファームウェアは更新可能なため、今後性能が改善されることに期待したい。 本製品の魅力は、やはり低価格で簡単に組み立てられるという点だろう。速度をあまり気にせず、英語を苦にしないユーザーにおすすめしたい。 □クラストのホームページ (2006年5月15日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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