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松下、「Let'snote」新製品発表会
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「Let'snote Y5」 |
4月25日 開催
松下電器産業株式会社は25日、モバイルノートPC「Let'snote」シリーズの新製品発表会を開催。新製品で実現した長時間駆動や、全面防滴などの新技術を紹介した。
今回発表された製品では、「Let'snote Y5」が大きくモデルチェンジを行ない、CPUにCore Duoを搭載したCentrino Duo(Napa)プラットフォームを採用している。これにより、前世代(Sonoma)からプラットフォーム全体の消費電力を低減。また、インテルと省電力に関する協業を行ない、これに加えて高効率の液晶モジュール、リチウムイオン充電池に容量2,850mAhという大容量のセルを採用し、9時間駆動を実現した(前モデルは7時間駆動)。
筐体も改良され、キーボード部分に水をこぼしても筐体下部から流れ落ちる全面防滴を実現。キーボード、ディスク、タッチパッドの各部に防水シートを装備した上で、水路を確保する「ウォータースルー構造」とし、HDDや回路基板に水が流れ込まないようにした。同社はこれにより、故障要因の上位という「液体こぼし」を防ぎ、データの保護や高額な修理費用を削減できるとしている。なお、R/T/Wの各シリーズも今後、全面防滴を採用していく方向だという。
また、ボンネット構造の天板に改良を施し、中央部に凹形状とリブ構造を追加。加えて、底面の加圧から基板類を守るフローティング構造および、底面にも補強バーを加えた底面ボンネット構造を採用。耐荷重は100kgfと前モデルの50kgfから2倍に向上した。このほか、バッテリ部分が出っ張らない形状に変更している。
1.5kgを切った軽量化は、液晶ディスプレイに約0.2mmのガラスを採用し(Y4は約0.3mm)、59.5gの軽量タイプの光学ドライブ(Y4は99g)、Y4の0.6mm厚から0.55mm厚に薄くしたマグネシウム成型ボディなどで実現した。
Let'snote Y5の変更点 | キーボードの全面防滴 | 耐荷重性能の向上 |
本体のシャーシ。防水シートを装備している | シャーシ裏面とキーボード |
メイン基板。右側にHDDと光学ドライブが入る | 軽量化された光学ドライブ |
Let'snote W5、同T5、同R5もNapaプラットフォームに刷新。Core Soloの超低電圧版U1300(1.06GHz)を採用し、全モデルで駆動時間の大幅な延びを実現した。W5には、Y5と同じ大容量のリチウムイオン充電池や高効率の液晶モジュールが採用されている。
全モデルの強化点として、HDDに衝撃吸収材を付け、筐体に大きく回り込んだゴム足を装備することで、非動作時のHDDの耐落下距離を30cmとした。また、Y5/W5/T5は動作時でも10cmの落下に耐えられるという。
12時間駆動になった「Let'snote W5」 | “世界最高”15時間駆動の「Let'snote T5」 | 11時間駆動/999gの「Let'snote R5」 |
全モデルでバッテリ駆動時間が伸びた。T5は15時間動作する | HDDの耐衝撃性などを強化 |
パナソニックAVCネットワークス ITプロダクツ事業部 高木俊幸事業部長 |
発表会では、パナソニックAVCネットワークス ITプロダクツ事業部の高木俊幸事業部長が、同社のモバイルPCの戦略などを紹介。TOUGHBOOK(タフブック)をフィールドモバイルPC、Let'snoteをビジネスモバイルPCと位置付け、「個別のビジネスモバイル市場は始まったばかりだと思っているし、この分野は大きな成長が見込めると考えている。我々は、ここを徹底追求していきたい」と、今後もモバイル分野に注力する姿勢を見せた。
モバイルPCでユーザーが重要視する点に、重量が軽いことや、バッテリの長時間駆動などが大きな要素として挙げられるが、駆動時間を伸ばそうとバッテリを大きくすると重量が重くなる。これら相反する要素を実現するため、開発に注力しているという。
このような製品開発がユーザーに認められ、国内のビジネスモバイルPC市場で2004年にはシェア2位(15.6%)、2005年にはシェア1位(19.5%)を獲得した。また、全世界のフィールドモバイルPC市場においても、TOUGHBOOKがシェア65%(2005年)で首位となっている。
さらに、Let'snoteは2006年で10周年を迎え、今後もこれまで蓄積してきた技術、ノウハウを活かし、TOUGHBOOKとLet'snoteの良い点を相互に取り入れ、TOUGHBOOKに長時間駆動や軽量化を、Let'snoteに耐落下/耐振動などの機能を盛り込み、さらに軽量、さらに長時間、さらにタフへ進化させていきたいとした。
「松下電器はモバイルPCの徹底追求を行ないます」 | 同社のモバイルPC市場シェア。Let'snoteは毎年シェアを拡大している | TOUGHBOOKとLet'snoteの双方の良い点を相互に活かす |
インテル株式会社マーケティング本部 阿部剛士本部長 |
最後に、インテル株式会社マーケティング本部 阿部剛士本部長がゲストとして招かれ、阿部氏は「両社はCentrino開始前から、“真のモビリティ”を目指して、協業を行なってきた」と、松下とインテルの協力関係を強調。2006年になった今回、性能面やバッテリ駆動時間で大幅に進化したノートPCが製品化されたことを歓迎した。
発表会では、Let'snote Y5が新装備した全面防滴のデモが行なわれ、キーボードに水を流してもPCは何事もなかったように動作し、筐体下から水が流れ落ちた。また、会場では耐荷重100kgfを実際に加え、液晶や本体内部が壊れないデモを実施した。
【動画】発表会で行なわれた全面防滴のデモ。水をキーボードに流してもPCは動作し、水が下に流れ落ちる(WMV、1.35MB) | 【動画】会場での耐荷重100kgfのデモ。満員電車でのPCへの負荷を想定し、再現したもの(WMV、3.77MB) | 耐荷重デモの後、液晶も無事でWindowsが起動した |
□松下電器産業のホームページ
http://panasonic.jp/
□ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn060425-1/jn060425-1.html
□製品情報
http://panasonic.jp/pc/products/y5k/ (Y5)
http://panasonic.jp/pc/products/w5k/ (W5)
http://panasonic.jp/pc/products/t5k/ (T5)
http://panasonic.jp/pc/products/r5k/ (R5)
□関連記事
【4月25日】松下、1.5kgを切る14型SXGA+液晶ノート「Let'snote Y5」
~9時間駆動、キーボード防滴化
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0425/pana1.htm
【4月25日】松下、Core Solo U1300搭載「Let'snote W5/T5/R5」
~T5は15時間駆動
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0425/pana2.htm
(2006年4月25日)
[Reported by yamada-k@impress.co.jp]