[an error occurred while processing the directive]

大塚商会が提案するバーチャルオフィス

本社3階に常設されるOtsuka Virtual Office

4月7日 発表



 これこそが、すべてのITシステムをネットワークで結んだ「バーチャルオフィス」。株式会社大塚商会は7日、同社が提案するバーチャルオフィスおよび内部統制ソリューションなどへの取り組みについて、報道関係者を対象に説明を行なった。

 今年2月に東京、大阪、名古屋で同社が開催した「実践ソリューションフェア2006」に展示し、好評だった「Otsuka Virtual Office」を、東京・飯田橋の同社本社ビル3階に常設。これを公開するのにあわせて、同社が実現するバーチャルオフィスの概要を示してみせた。

 同社が提案するバーチャルオフィスとは、ITによるビジネスプロセスのすべてをネットワークで結び、オフィスの入退出から、PCの起動、調達/購買業務や銀行振込業務、各種データの共用などを社員各々のPC上で実現。業務の効率化とともに、セキュアな管理環境を実現するものとなっている。

Otsuka Virtual Officeの概観 大塚商会の向川博英部長 バーチャルオフィスの基本的な構成モデル例
ICカードによる入退出管理 席についたら、自分のPCを入退出時と同じICカードを使ってを起動

 「上場企業でありながらも、業務プロセスがバラバラとなり、さまざまなリスクを抱える企業が多い。それぞれの業務システムが分断されていることから、与信限度を超えた注文を受け付けてしまったり、受注した製品が欠品していたり、受注原票を紛失してしまうといった問題が、頻繁に起きているのが実状だ。結果として、得意先に迷惑をかけたり、財務指標に悪影響を与えることにもつながっている。大塚商会が提案するバーチャルオフィスでは、現在、市場投入されているアプリケーションや技術を活用することで、こうしたリスクを回避できるようになる」(大塚商会S&S本部コンサル推進グループの向川博英部長)としている。

 例えば、WebEDIによって取り込まれた得意先からの電子受注情報は、与信承認を受けた後に、受注処理が行なわれ、そこから出荷指示、出荷、売り上げ処理、請求プロセスへと流れる。これらのプロセスの間では、手作業を限りなく削減し、業務の効率化が可能になるというわけだ。

 大塚商会の子会社であるOSKが開発したワークフローシステムのAdvance-Flow、文書管理システムのVisual Finder、グループウェアのEasyPortal、大塚商会の基幹業務ソフトであるSMILE ieといったソフトのほか、支払代行システムの「たよれーる」や、購買調達ASPの「たのめーるプラス」、インタネットレンタルサーバー「アルファメール」などの各種サービス、さらに、暗号化ソフトである「秘文AE」、社内PCのログ管理を行なう「LanScope Catα」といった他社製アプリケーションとの組み合わせによって、バーチャルオフィスは実現する。

グループウェアのEasyPortalを利用して全社の情報や部門の情報を確認できる 社内の各種手続きは、ワークフローシステムのAdvance-Flowを利用して、電子承認を行なう。承認時にはパスワードが要求され、なりすましを防止 大塚商会が4月から提供を開始した支払代行システム「たよれーる」での振り込み業務も可能

 「企業を取り巻く環境は、2005年春に完全施行となった個人情報保護法、e文書法のほか、今年5月の新会社法の施行、今国会で法案成立が見込まれる日本版SOX法(金融商品取引法)など、法令の改正や新法の施行が相次いでいる。こうしたなか、企業は、コンプライアンスを実現するために業務プロセスを明確化し、リスクを管理する必要に迫られている。その解決のためには、業務プロセスのすべてをネットワークで接続することが大切である」(向川部長)とも語る。

FOMAと連動したモバイルセントリックス。EasyPortalの社員内線電話帳を利用して、そこから社員が持つFOMAに連絡ができる 紙の領収書なども電子化して管理。複合機を利用して電子化する
電子化されたデータには改竄防止などのためのタイムスタンプがつく 各種経営指標も簡単操作でグラフィカルに表示する大塚商会の業務ソフト「SMILE ie」。EasyPortalから各種数値を引き出して表示する 企業での使用の可否が問われているUSBメモリーカード。ここから情報漏洩する可能性があるとして使用を禁止する企業もある
秘文AEを利用することで、第3者がUSBメモリーの内容をコピーをしようとしても、指定されたPC以外ではコピーができない 同様に、USBメモリー内のデータをエクセルに貼り付けようとしても拒否される 社内の別のPCで、不正にUSBメモリーのデータが使用されていた場合にはログ管理でアラームが発信される

 同社では、バーチャルオフィスを実現するための製品群をユーザーの企業規模別に、「エンタープライズ」、「スタンダード」、「エコノミー」と分類。それぞれのなかから顧客が必要とするものを選択して構築できるようにした。

 「ネットワーク、ソフト、アプリケーション、セキュリティ、電話、PC、サーバー、そしてサポートといった幅広い分野の製品をワンストップ提供できるのが、大塚商会が持つ、他社にない強み。今後、バーチャルオフィスはますます進化を続けることになる」(大塚商会マーケティング本部テクニカルプロモーション部・丸山義夫シニアコンサルタント)としている。

 Otsuka Virtual Officeは、ユーザー企業を対象に、同社営業を通じて、予約方式で公開していくほか、バーチャルオフィスに関するユーザー企業向けセミナーを随時開催していく予定だという。

□大塚商会のホームページ
http://www.otsuka-shokai.co.jp/
□関連記事
【2003年2月24日】【大河原】大塚商会の新本社を先行公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0224/gyokai50.htm

(2006年4月10日)

[Reported by 大河原克行]

【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
お問い合わせに対して、個別にご回答はいたしません。

Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.