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ATI、FireGL V7300シリーズ国内説明会を開催
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Dinesh Sharma氏 |
3月29日 開催
ATIテクノロジーズジャパン株式会社は29日、20日付けで米国で発表されたワークステーション向けGPU「FireGL V7350」および「同V7300」の国内製品説明会を開催。ATI本社でワークステーション製品部門のディレクターを務めるDinesh Sharma氏が解説を行なった。
FireGL V7300シリーズは、コンシューマ向けの「Radeon X1800(コードネームR520)」シリーズをベースとしたワークステーション向け製品。同社はこれまで、エントリー向けにV3100、ミッドレンジ向けにV5100/V5000、ハイエンド向けにV7100を提供していたが、V7300シリーズはV7100の上の“ウルトラハイエンド”に位置づけられる。
コアクロックは600MHz、メモリクロックは1.3GHzで、ピクセルパイプラインは16、バーテックスシェーダーは8基搭載する。ビデオメモリはGDDR3、バス幅は256bitで、V7300は512MB、V7350は業界初となる1GBを搭載。メモリ容量以外の違いはない。
FireGL V7350 | ブラケットは2スロット分。インターフェイスはDVI-I×2+ステレオグラス出力。HDTVアダプタでコンポーネント出力にも対応 |
V7350は基板両面にそれぞれ512MBのビデオメモリを実装する。裏面には特にヒートシンク類はない | 下半期に、放送向けのGenlock/Framelockに対応するドーターカードが予定。写真はその接続コネクタ |
国内での取り扱いは株式会社アスクが代理店となり、店頭予想価格はV7300が195,500円、V7350が243,250円前後となる見込み。
Radeonシリーズでは、最上位モデルとしてX1900(コードネームR580)があるが、R520を採用した理由についてSharma氏は、「ワークステーション向けのアプリケーションは、ゲームと比較して、まだシェーダーの利用率が低く、現時点ではR520を採用するのが最善と判断した」とコメント。ただし、今後はワークステーション向けアプリケーションもシェーダーの利用率が上がることが見込まれることから、状況に応じてR580の採用を行なっていくことを示唆した。
1GB(V7350のみ)という大容量メモリを搭載した理由は、2,560×1,600ドットという解像度に対応できるディスプレイがAppleやDellから比較的安価に提供され始めたことで、超高解像度のデュアルディスプレイ環境が現実的なものとなり、それに対応できるようにするためとした。
また、OSの64bit化も要因の1つ。これまでの32bit OS/アプリケーションでは、メインメモリの容量制限から、コンテンツ作成時に制約を受けることがあったが、64bit環境ではその制限から解放されるため、大容量のビデオメモリもより効率的に利用できるという。
実性能については、NVIDIAの競合製品に価格/性能両方の面で勝るとアピール。Sharma氏が示した資料によれば、30万円クラスのNVIDIA Quadro FX 4500に対して、FireGL V7350は、Spec APC Mayaベンチマーク、General Motorsが提供した実データを用いたUGS NXベンチマークとも5割近い差をつけている。
また、NVIDIAのSLIについても、「ワークステーション向けアプリケーションでは、1枚の画面を2つのGPUで描画しても、性能のメリットはあまり出ない。それよりも、(V7300シリーズのように)デュアルスクリーンの方が開発者にとっては効果的だ」と語った。
FireGL V7350の主な仕様 | FireGL V7350とQuadro FX 4500の性能比較 |
そのほかのセグメントの製品も含めた、価格と性能の対比グラフ | アスク代表取締役の武藤和彦氏も登壇し、挨拶した |
□ATIテクノロジーズジャパンのホームページ
http://www.ati.com/jp/
□製品情報(英文)
http://www.ati.com/products/fireglv7350/
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【3月22日】ATI、ビデオメモリ1GB搭載ビデオカード「FireGL V7350」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0322/ati.htm
(2006年3月29日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]