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CeBIT 2006レポート

CeBIT会場レポート【Intelプラットフォーム編】
~未発表の「Intel 965」搭載マザーが多数展示

CeBITのIntel基調講演で用意されたConroeのデモ機

会期:3月9日~15日(現地時間)

会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 2005年3月のCeBITでは同年4月に正式発表されたIntel 955Xを搭載したマザーボードが事実上の解禁状態になるなど、未発表チップセットを搭載したマザーボードが展示される出来事が、ここ数年のCeBITにおける定番となっている。

 今回も例に漏れず、Intelが正式な出荷発表を行なっていないチップセットを搭載したマザーボードが多数展示されている。「Broadwater(ブロードウォータ)」の開発コードネームで呼ばれた「Intel 965シリーズ」を搭載したマザーボードを中心に、Intelプラットフォームの注目製品を紹介しよう。

●Conroe対応の「Intel 965シリーズ」搭載マザー

Intel G965チップセット
 IDFにおいて詳細が発表された「Core Microarchitecture」。これを採用するデスクトップCPU「Conroe(コンロー)」に対応するチップセットがIntel 965シリーズとなる。CeBITの会場では、このチップセットを搭載したマザーボードが多数展示されている。

 Intel 965シリーズは、コンシューマ向けの非統合型「Intel P965」、グラフィック統合型「Intel G965」。ビジネス用途に向けたグラフィック統合型の「Intel Q965」、「Intel Q963」の4製品のSKUが用意されている。 4製品ともFSBは1,066/800/533MHzをサポート。メモリは全製品ともDDR2-667/533をサポートし、加えてIntel P965とIntel G965はDDR2-800を新たにサポートすることになった。

 このほかの違いは、Intel P/G/Q965が4DIMMソケットで最大8GBであるのに対し、Intel Q963は2DIMMソケットで最大4GBになる点。また、Intel G965とQ965/963の内蔵グラフィック機能も差別化されており、前者のほうがより強力なグラフィック機能となっているという。

 これに組み合わせられるICHは新たに登場するICH8シリーズ。シリアルATAが6ポートに増量された一方で、IDEポートが一切なくなったとのことである。今回展示されている製品ではオンボードにIDEコントローラを搭載してIDEポートを用意するマザーボードが多いが、一切用意されない製品も少なくない。

 ICH8にも複数のSKUが用意されており、展示されている製品に採用されてものを列挙すると、無印の「ICH8」、RAID0/1/5/0+1をサポートする「ICH8R」、Viiv機能を利用できるデジタルホーム向けの「ICH8-DH」、ネットワークセキュリティ機能などを利用できるデジタルオフィス向けの「ICH8-DO」となっている。

 ちなみに、FOXCONNのブーススタッフの話によると、Intel P965/G965ではICH8シリーズしか利用できないが、Intel Q965/Q963はICH8シリーズだけでなく、ICH7シリーズを利用することもできるようになっているそうだ。実際同社のブースではIntel Q963とICH7Rを組み合わせた製品が展示されていた。

Intel P965+ICH8Rを搭載する、ASUSTeKの「P5B Deluxe」。Deluxeの文字からも分かるとおり同社のラインナップでは上位モデルに位置付けられており、8フェーズのVRMやボード裏面を利用した冷却機構であるStackCool2を採用している Intel G965+ICH8を搭載する、ASUSTeKの「P5B-VM」。microATXのオーソドックスな製品で、グラフィック機能のほか、Gigabit Ethernet、8chサウンド、IEEE 1394、外付けSATAなどを搭載している Intel G965+ICH8を搭載する、ASUSTeKの「P5B-BM」。microBTXフォームファクターに準拠した製品。グラフィック機能や8chサウンド、IEEE 1394などを搭載。ネットワーク診断機能のAI NET2もサポートする
Intel P965+ICH8Rを搭載する、GIGABYTEの「GA-965P-S4」。製品はわりとシンプルな構成で8chサウンドやGigabit Ethernet、IEEE 1394、DualBIOSなどを搭載 Intel G965+ICH8Rを搭載する、GIGABYTEの「GA-965G-S4」。グラフィック機能やIEEE 1394bなどを搭載 Intel G965+ICH8を搭載する、GIGABYTEの「GA-965GM-S2」。8chサウンド、Gigabit Ethernetなどオーソドックスな構成のmicroATX製品
Intel G965+ICH8-DHを搭載する、GIGABYTEの「GA-8IBGNBX-RH」。BTXフォームファクターの製品で、ICH8-DHを搭載していることから分かるとおりViivに対応する。背の低いケースに入れられることも想定してメモリスロットが斜めに配置されているほか、リアパネルにはRCAタイプのオーディオ入出力端子を備えるなど、ユニークな作りの製品となっている Intel P965+ICH8Rを搭載する、FOXCONNの「P9657AA-8EKRS2」。8chサウンド、Gigabit Ethernet、IEEE 1394といった機能に加え、外付けSATAを用意。また、PCI Express x4スロットも備える Intel Q963+ICH7Rを搭載する、FOXCONNの「Q9637MA-8EKRS2」。一般的なオンボードデバイスに加え、計10基のUSBポートを搭載。10ポートのUSBもIntel 965シリーズでは珍しくない構成となっている
Intel G965+ICH8Rを搭載する、FOXCONNの「G9657MA-8EKRS2」。Gigabit Ethernet、8chサウンド、IEEE 1394など機能はオーソドックス。FOXCONNではIntel P/G965シリーズでもPentium Extreme Editionへ対応させるために、ATX12Vに8ピンのコネクタを採用しているのが特徴といえる Intel Q965+ICH8-DOを搭載する、FOXCONNの「Q9657UA-8EKRS2」。microBTXを採用した製品。Intel AMT2に対応したGigabit Ethernetコントローラを搭載する Intel Q965+ICH8を搭載する、Albatronの「PXQ965」。Intel Q965搭載製品ながらDDR2-800のサポートを打ち出している
Intel G965+ICH8を搭載する「PXG965」。8chサウンド、Gigabit Ethernet、IDE RAIDなどを搭載する製品 Intel P965+ICH8を搭載する「PXG965」。同社の965マザーにはPCI Express x16スロットを2基備えているが、うち1基はx1~x4の可変レーンスロットとなっている Intel G965+ICH8-DHを搭載する、AOpenの「i965GM-HFL」。microATXフォームファクターの製品で、リアパネルにRCAオーディオ出力、S/P DIF、光出力端子を備えている
Intel P965+ICH8Rを搭載する、ECSの「P965-A」。ICH8RのSATA×6ポートに加え、IDEポートを用意するために実装されたJMB361によるSATA×2ポートを備えている Intel P965+ICH8を搭載する、ABITの「AB8」。SILENT OTESと呼ばれるVRMとノースブリッジをヒートパイプで接続した冷却機構や、μGURUへの対応など同社らしさを感じる製品。DOLBY SOUNDのMASTER STUDIOクラスに準拠した製品となっている Intel P965+ICH8を搭載する、ABITの「AB8 Pro」。主な仕様はAB8と同一だが、外付けSATAとオンボードSATAが1基ずつ多く、計10ポートのSATAポートを備える製品になっている
Intel Q965+ICH8を搭載する、MSIの「Q965M」。Gigabit Ethernet、8chサウンドなどをオンボード搭載する、microATXのシンプルな製品 Intel P965+ICH8を搭載する、MSIの「P965 Neo」。JMB361によるIDEとSATA×2ポートのほか、ICH8のSATAは3ポートしか物理的に利用していない点がユニークな製品 Intel Q965+ICH7Rを搭載する、FICの「PTC-Q965」。picoBTXに準拠した製品で、最近の製品では珍しい2chサウンドとなっている

●DempseyコアのXeonをサポートするチップセット

BlackFord-VSチップセット
 65nmプロセスのデュアルプロセッサ対応デュアルコアXeon「Dempsey(デンプシ)」をサポートするチップセットを搭載したマザーも、今回のCeBITで展示されている。Dempseyは1チップに2つのダイを乗せる65nmのデュアルコアXeonで、今年第2四半期の投入が予定されている。

 これに対応するチップセットは、サーバー向けが「BlackFord」、バリューサーバー向けに「BlackFord-VS」、ワークステーション向けに「GreenCreek」が用意され、同社のプラットフォーム戦略における呼び名はそれぞれ「Bensley(ベンスレイ)」、「Bensley-VS」、「Glidewell」となる。

 このチップセットの目玉はFB-DIMMを採用することにある。BlackFord/GreenCreekは4ch、BlackFord-VSは2chのメモリインターフェイスを持つことで、その帯域幅は最大32GB/sec、25.5GB/secとなる。

 ちなみに、これらのチップセットは、Core Microarchitectureを採用する次世代Xeon DP「Woodcrest(ウッドクレスト)」でもサポートされる予定で、今年1年のXeon DPプラットフォームを支え、しかもFB-DIMMの立ち上げを担う重要なチップセットである。

BlackFordを搭載する、ASUSTeKの「DSBF-D」。サーバー向けではあっても同社製品らしくSmartFan機能を搭載している BlackFord-VSを搭載する、ECSの「R1066-DX」。最大12GBのFB-DIMMを搭載可能な製品で、SATA×6、SAS×6をサポートする。オンボードグラフィックはATIのES1000(16MB) BlackFord-VSを搭載する、ECSの「T1066-DX」。こちらはSATA/SASがオプションとなる代わりに、Ultra 320 SCSIをサポート。オンボードグラフィックはATIのRAGE XL(8MB)となる。ECSでは2008年に中国で開かれる北京五輪をにらんでバリューサーバーセグメントを強化し、主にホテルなどの観光施設に向けて売り込んでいくとしている
GreenCreekを搭載する、MSIの「MS-9179」。製品名は「5000X SPEEDSTER-S4R」。8本のFB-DIMMソケットのほか、SATA×4、SAS×4を装備している BlackFordを搭載する、MSIの「MS-9175」。製品名は「5000P MASTER-S2R」となる。RAID対応のSATA×4、SAS×2を装備。FB-DIMMソケットは12本で最大48GBを搭載可能となっている BlackFord-VSを搭載する、MSIの「MS-9179」。製品名は未定とのこと。FB-DIMMソケットは4本で、SATA×6、Ultra 320 SCSI×1を備えている
BlackFord VSを搭載する、TYANの「Tiger i5000VS」。6基のFB-DIMMソケット、2基のGigabit Ethernet+100BASE-TXを備える製品 BlackFordを搭載する、TYANの「Tiger i5000PX」。8基のFB-DIMMソケット、2基のGigabit Ethernet、2基のPCI Express x16(内部はx8相当)などを備える GreenCreekを搭載する、TYANの「Tiger i5000XL」。FB-DIMM×4、RAID0/1対応のSATA×6などを搭載
GreenCreekを搭載する、TYANの「Thunder i5000XP」。最大32GB搭載可能なFB-DIMM×8、RADI0/1対応のSATA×6などを搭載 BlackFordを搭載する、GIGABYTEの「GA-7BESH」。最大32GBのFB-DIMMソケット、3本のPCI Express x8などを搭載 BlackFord-VSを搭載する、GIGABYTEの「GA-7VCSH」。メモリ容量は最大24GB。PCI Expressスロットはx8×1、x4×2を備えるが、x4スロットのうち1基はx1相当で動作する
BlackFord-VSを搭載する、GIGABYTEの「GA-7VSSV」。メモリ容量は最大16GBとなる。PCI Express x8のほか、x4相当のx8スロット、x1相当のx4スロットを備えている BlackFordを搭載する、Iwillの「DPK66-S」。16本のFB-DIMMソケットに最大64GBのメモリ搭載をサポートする

●Intel 946シリーズやCore Duo対応の注目製品

 このほかIntel製チップセットの製品では、Intel 945シリーズの後継となる「Intel 946シリーズ」を搭載した製品も散見された。グラフィック非統合のIntel 946PL、統合型のIntel 946GZを搭載した製品が展示されており、800/533MHz FSB、DDR2-667/533/400をサポートなど、基本的な仕様はIntel 945P/Gから大きく変わっていない。

 どちらというと、Intel 9xxPL/GZシリーズの後継といった雰囲気で、Intel 965シリーズに対するバリュー製品という位置付けになるようだ。機能面も全般にシンプルなものに留まっている。

Intel 946GZ+ICH7を搭載する、GIGABYTEの「GA-946ZM-S2」。オンボード搭載デバイスは他製品と大きく変わらないが、microATXとはいえPCI Express x1スロットを一切搭載しない点は、いまどきのマザーとしては珍しい Intel 946PL+ICH7を搭載する、GIGABYTEの「GA-946PL-S3」。これも最近では珍しい幅の狭いATX製品。Gigabit Ethernet、IEEE 1394、8chサウンドなどをオンボード搭載する

Intel 946GZ+ICH7Rを搭載する、FOXCONNの「946GZMA-RS2」。姉妹モデルとして、Intel 946PL+ICH7Rを搭載する「946PLMA-RS2」もラインナップされる Intel 946PL+ICH7を搭載する、ECSの「945PL-A」。幅の狭いATXサイズであること以外はオーソドックスな製品だが、本来はチップセットでサポートされないはずのConroeサポートを打ち出している

 さらに、CoreDuoをサポートするデスクトップ向けマザーボードも数多く展示されている。Intel 945GTとICH7-M/ICH7-M DHを搭載するmicroATXの製品がもっとも多いが、中にはちょっとユニークな製品も混じっている。ここでは、そうした製品をピックアップして紹介しておきたい。

Intel 945GT+ICH7M DHを搭載する、AOpenの「i945GTt+VFA」。miniITXに準拠した製品で、DVI出力も備える Intel 945GM+ICH7Rを搭載する、MSIの「MS-9641」。Core Duoをサポートするマザーで、6つのLANポートからも分かるとおり完全に産業向けの製品 Intel 945GM+ICH7Mを搭載する、DFIの「G5C100-N」。とくに謳われてはいないがMini-ITX相当のサイズになっている。LVDS×2、Gigabit Ethernet×2などを装備している
Intel 945GM+ICH7Mを搭載する、TYANの「Tomcat i945GM」。最近では珍しくなったFlexATX準拠のマザー。Gigabit Ethernet×2、PCI Express x4、PCI、MiniPCI、CF TypeIIといった構成 Intel E7520+6300ESBを搭載する、TYANの「Tiger i7520SD」。YonahベースのXeonであるSossamanをデュアル利用可能な製品。最大16GBのRegisterd DDR2 SDRAMを搭載できる

□CeBIT 2006のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□関連記事
CeBIT 2006レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/link/cebit.htm

(2006年3月11日)

[Reported by 多和田新也]

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