|
ドライブ単体でDVD/CDをコピーできる
|
「DVR-UW8DP」 |
3月中旬 発売
価格:55,650円
アイ・オー・データ機器から、PCを利用せずにドライブ単体でDVD/CDをコピーできる外付けDVDスーパーマルチドライブ「DVR-UW8DP」が発表された。3月中旬発売予定の製品だが、今回完成品に近い試作機をお借りできたのでレポートしたい。
同機は一般的な外付けドライブサイズのボディに、2台のノートPC用スリムドライブ「DV-W28SL」(ティアック製)を搭載し、PCと接続せずにドライブ単体でDVD/CDのコピーを行なえる。また、PCとUSB 2.0で接続すれば一般的なドライブとして2台認識され、同時利用できるのが特徴だ。
●ドライブ単体のコピー機能を検証
外観はほぼ一般的な外付けドライブと同じだが、本体背面は「DUP/PC」のモード切り替えスイッチを搭載。このスイッチを利用して、単体動作モード/PC接続モードを切り替えて使用することになる。DUP側にセットしておき、本体前面の電源をONにすると、約20秒で起動する。また、電源をONにしたままモードの切り替えも行なえる。
【13:25分追記】テスト時は電源ONのままモードの切り替えが可能だったが、アイ・オーによれば取扱説明書ではいったん電源OFFにしてからモードの切り替えをするよう指示されている。
動作の選択は本体前面の「FUNCTION」ボタンを利用する。ボタンを押すごとにコピー/コピー+テスト/ベリファイ/コンペア/消去の順にランプが切り替わっていき、メディアを挿入すれば自動的に指定した動作を行なうため、複雑な操作を覚える必要がなく好感が持てる。ただ、今回試用したものは、メディアによってはマウントに30秒近くかかり、この点多少ストレスを感じてしまった。
本体背面。「DUP/PC」モード切り替えスイッチのほか、冷却ファン、DCコネクタ、USBインターフェイスなどがある | パネル表示はシンプル。ドライブはスロットイン式 | 前面ボタンは「POWER」と「FUNCTION」、イジェクトのみ。選択した動作モードに応じたランプが点灯する |
性能を計測するため、まずは700MB近くのMP3ファイルをCD-Rに焼き、コピーを行なった。当初は「Nero CD/DVD SPEED」で作成したテストメディアを利用してコピーテストを行なう予定だったが、Neroで作成したCDは規格外で容量オーバーのためマウントされなかった。なお、コピーは「A」(上のドライブ)から「B」(下のドライブ)と固定になっている。メディアはコピー元/コピー先ともに太陽誘電製48倍速対応品。
結果が6分17秒。ドライブのスペックではCD-Rの書き込み速度が24倍速なので、まずまずの結果。
次に音楽CDのコピーからテストしてみた。利用したのは「セガ・ゲーム・ミュージックVOL.1」。42分26秒の音楽が入っている。
結果は6分17秒。ほぼ満タンのデータCDと同タイムという結果からすると、音楽CDに関しては最初から最後まで一通りコピーしているようである。
DVD-Rについても同様に試してみた。今回は「Solaris 10」のDVDに、分割されたイメージファイル、いくつかのデータを入れて4.7GBほぼ満タンに書き込んでいる。メディアはソニー製8倍速対応品。
結果は16分23秒とまずまず。ちなみに、同様に348MBだけ利用したDVDメディアも試してみたが、こちらは5分41秒で終了した。データDVDに関しては使用済み容量分しかコピーしないようである。
DVD+R DLもコピーできるので、こちらも同様にいくつかのファイルで8.5GBのメディアをほぼ満タンにし試してみた。メディアは三菱化学製2.4倍速対応品。結果は58分2秒と遅い。大容量のコピーには不向きだろう。
ちなみに、コピープロテクトがかかったDVDビデオはコピーできない。試しに挿入してみたところエラーランプが点灯し、あっさり吐き出されてしまった。また、コピー先のメディアがコピー元のメディアより容量が小さい場合なども吐き出されてしまう。
●PC接続時の性能テスト
PCと接続して利用したときの性能を見るために、書き込みテストを行なった。計測には「Nero CD-DVD Speed Version 4.10」を利用している。
テスト環境は、Athlon 64 3500+(2.2GHz)、メモリ512MB、ASUSTeK A8N SLIマザーボード(nForce 4 SLI)、GeForce 6600 GTビデオカード。OSはWindows XP Professional(SP2)。
まずはDVD-R。メディアはソニー製DVD-R 8倍速対応品。
DVD-Rの結果。Z-CLV方式を採用し、平均速度は5.02倍速 |
結果は14分44秒。Z-CLV形式を採用し、4GB付近から8倍速に達している。さすがにハーフハイトの高速ドライブと比較すれば遅いが、実用的な範囲。
同機は2台のドライブが同時利用可能なので、やはり同時書き込みが可能かどうかが気になる。そこでCD-DVD Speedを2個起動し、同時にDVD-R書き込みテストを行なった。
DVD-Rを2枚同時に書き込んだの結果。ともにグラフが乱れてしまい、平均速度は2.68倍速 |
結果は「A」側が42分36秒、「B」側が41分55秒となった。メディアの部分によっては4倍速や6倍速を維持していたが、内部の処理がボトルネックになってしまったのか、等倍速で書き込まれてしまう部分が多く、時間がかかった。これなら1枚ずつ書き込んだ方が安定しかつ速い。アイ・オーの製品情報にも「PCに接続して2台のDVDドライブを同時に使用した際、Read/Write速度が著しく低下する場合があります」と書かれているので、同時書き込みは避けた方がよさそうだ。
●やはり単体での利用が前提か
テスト結果からすると、単体でDVD/CDコピーツールとして利用する場合、性能は比較的優秀で、操作も簡単、価格も(デュプリケータとしては)安価でお勧めできる。しかし、PCに接続して2台同時に利用するといった用途にはやや不満が残る印象だ。企業内であれば、配布用やデータバックアップとして頻繁にCD-Rを焼く部署にお勧めしたい。PCの熟練度の低いスタッフでもミスの可能性が少ないのは有効だろう。個人であれば、「DVDやCDをコピーするためだけにPCをイチイチ起動するのが面倒」と考えている人は、購入を検討してみてはいかがだろうか。
□アイ・オー・データ機器のホームページ
http://www.iodata.jp/
□製品情報
http://www.iodata.jp/prod/storage/dvd/2006/dvr-uw8dp/
□関連記事
【2月8日】アイ・オー、PCレスでDVD/CDをコピーできる外付けスーパーマルチ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0208/iodata2.htm
(2006年2月15日)
[Reported by ryu@impress.co.jp]