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ヘッドが見えるHDD「WD Raptor X」レポート2月10日 購入 購入価格:42,840円 ●ヘッドが見えるメーカー製HDD
筐体の一部が透明になっており、磁気ヘッドの動きが見える3.5インチHDD「WesternDigital Raptor X」がWDから発売された。編集部でもさっそく1台購入したので、ベンチや動画をまじえて紹介しよう。 HDDのヘッドの動きを見たいという欲望は昔からあって、メルコ(現バッファロー)などは、既存のドライブを改造して限定販売したこともある。ただし、この場合はいったんボディの一部を切り取り、ヘッドを開け放した状態にして改造を加えているので、データの信頼性という点では課題が残った。実用に使うというよりはHDDの構造を知ってもらうためのデモンストレーション的な性格が強い製品だった。 HDDのヘッドは、きわめて埃に弱い構造であり、クリーンルームで作業しても、そういう状態なのだ。ましてや、普通の部屋で作業するスケルトンキットのたぐいは、動いたら運が良いという性格の商品だった。 今回の「Raptor X」が違うのは、メーカーが自社の工場内で作っており、通常の製品と同等の信頼性が得られる点だ。もちろん、自作用に単体で販売されているパーツではあり、保証の範囲は限られているが、あとから加工した製品に比べれば信頼性は比べものにならない。 実際に購入したのは、「WD1500AHFD」という型番。インターフェイスはシリアルATA/1.5Gbpsで、NCQなどに対応。容量は150GB、回転速度は10,000rpm、バッファは16MB、リード時シークタイム4.6ms、内部転送速度84MB/sという仕様だ。これらの仕様は最新のものであり、高速なHDDが欲しいという層にも適している。 購入したのは秋葉原の「T-ZONE. PC DIY SHOP」で、価格は42,840円だった。同じ仕様の通常製品に比べて5,000円前後高くなっている。 ●思ったほどではない外観 購入したパッケージは通常部品用の白箱で高級感はない。箱には基板側を上にして入っているで、箱を開けただけでも通常の製品と違いはない。せっかくのプレミアムシリーズなのだから、パッケージから、もうちょっと気分を出して欲しいものだ。 期待して開けた本体も、ディスクやヘッドはよく見えるのだが、周辺のパネル部分は内部の接着の様子などがムラのように見えてしまう。少なくとも「Raptor X」のサイトに上がっている商品写真はお見合い写真で、現物は割り引いて考えておいた方がいい。ましてや、1枚の透明板でできていたメルコの製品などに比べると、見劣りする仕上がりだ。
●面白いのはランダムアクセス時 気を取り直して、手持ちの環境で簡単なベンチをとる。 環境は、Athlon 64 3500+(2.20GHz)、メモリ512MB(256MB×2)、マザーボードASUS A8N-SLI、ビデオカードGeForce 6600 GT(128MB)に、Windows XP Professional(SP2)という、いまとなっては中の下というランクのものだが、ご容赦いただきたい。
HDBENCHの結果は、Readが68,221、Writeが89,667、RandomReadが14,122、RandamWriteが27,645という数値だ。HDDの能力を生かし切れていない面もあるが、十分な結果といえる。 OSをインストールしたり、ベンチマークの動作時を見ていると、シーケンシャルアクセス時にはヘッドがあまり動かないことがわかる。見ていて面白いのは、ランダムアクセスの場合に限られる。派手な動作を見るためのデモンストレーション用のプログラムなどが欲しいものだ。 実際の動きを見せながら、HDDの構造を解説するプログラムを作っても面白いだろう。
●外付けケースなどに期待 せっかくの窓付きHDDだが、ケースの中に入れてしまえば動作は見えなくなってしまう。ここは透明系のケースに入れるか、アクリル製PCベース(いわゆるまな板)などで使いたい。 ただ、ドライブの外観が期待していたほど美しくはないので、このドライブの窓の大きさに合わせてボディを切り取った、外付け用のアルミケースなどの登場を期待したい。PCケース内にしまってしまうのに比べれば、見やすい角度で楽しむこともできるし、周りのつや消しな部分もうまく隠せると思う。 せっかくの意欲的な試みなのだから、メーカーもサードパーティも、この製品を生かすような努力を期待したい。 □製品情報(英文) (2006年2月13日) [Reported by date@impress.co.jp]
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