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日本ビクター、小型2足歩行ロボット「J4」をデモ日本ビクター株式会社は14日、同社が開発した小型ヒューマノイドロボット「J4」のデモンストレーションを、秋葉原にある九十九電機のロボット専門ショップ「ロボット王国」内で行なった。 「J4」は2004年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2004」で初公開されたロボット。大きさ20cm、重量は約770g、関節自由度は26。Bluetoothでコマンドを受信できるほか、音声認識能力を持ち、頭部に搭載された2台のCMOSカメラでMotionJPGを撮影でき、携帯電話を使ってネットワーク経由で遠隔操作することもできる。また顔認識機能や障害物認識機能も持っているという。 バッテリはリチウムイオン電池で、およそ90分間稼動する。ボディの材質は、脚部はアルミ、胴体は樹脂だ。アクチュエータは部位により2種類が使い分けられている。基本的には市販品だが、一部設計変更されているものもある。なお、ギアはビクターの自社設計となっている。 J4が国内でデモンストレーションを行なったのは久しぶり。昨年1年間は海外でのイベントなどを中心にデモを行なっていたという。ロボット専門ショップに足を運ぶ、コアなロボット・ファンの前で行なわれたデモンストレーションは、CEATECやWPCで見せたようにボールを蹴ったり、音楽を再生しながらのダンスなど。また「ロボット王国」に集った人々は自作ロボット向けショップの顧客たちだけに、ビクターのスタッフたちは制御やセンサーなどについて、かなり専門的な質問もぶつけられていた。 J4は、現時点では商品化の予定はない。だがJ4を開発した民生技術統括部 第2開発センター 主席技師 佐藤直樹氏によれば、今回のデモンストレーションは市場性を模索するためのヒアリングを目的としたものだという。「開発メンバーの間では当たり前だとされていることに驚いてもらったり、気づかなかった点を教えてもらえた。さまざまな声を聞くことができた」と語る。これからも積極的に一般ユーザーの意見を広く聞いていきたいという。
日本ビクターがロボットの開発を始めたのは2000年頃から。開発メンバーは主にVTR機器の開発経験者たちで、J4にはその小型化や機構系のノウハウも込められているという。 J4は他社のロボットに比べてもずいぶん小さく、机の上でちょっと動かす、といった使いかたができる。ビクター開発グループでは、小さいことをアイデンティティとしつつ、最終的には人間とのコミュニケーションを目的としていきたいと考えているという。たとえば、テーブルや机の上にポンと置いて、ふとしたときにロボットをいじったりして和む。デスクトップ上のマスコットのようなイメージだ。 そのようなロボットを実現していくまでには、どのような可能性が考えられるのか。現時点のロボット技術では人間とのコミュニケーションには自ずから限界がある。そのため、今後、さまざまな外部の意見を聞き、方向性を模索するという。
なおJ4は2月11日(土)に、北青山のTEPIAプラザ(機械産業記念館)でデモンストレーションを行なう予定。TEPIA第18回展示「最先端技術展~日本の未来をひらく~」の併催イベント「青山で遊ぼう! ロボット&VR@TEPIA」に登場するもので、デモは毎時間45分からの予定となっている。会場は3Fエクジビションホール。 □日本ビクターのホームページ (2006年1月16日)
[Reported by 森山和道]
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