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International CES 2006レポート【番外編】
会場で見かけたあんなもの、こんなもの
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Commodore Internationalのブース。Commodoreロゴは昔のままだ |
会期:1月5日~8日(現地時間)
会場:Las Vegas Convention Centerなど
●昔懐かしCommodoreが復活?
最近の若い人は知らないだろうが、30代後半~40代の人なら、Commodore(コモドール)という会社名に聞き覚えがある人が多いことだろう。Commodoreは、PC黎明期(当時はマイコンと呼ばれていた)に「PET」や「VIC-1001(VIC-20)」、「Commodore 64」などの家庭用コンピュータを発売し、一世を風靡した会社だ。特に、'82年に登場したCommodore 64は、当時としては高水準のグラフィックス機能とサウンド機能を搭載しており、価格が手頃であったこともあって(当初は595ドルで販売されていた)、大ヒットを記録した。
その後、CommodoreはAmigaをリリースするなど(Amigaの設計自体はATARIの技術者によるものだが、ATARIからは商品化されず、Commodoreがその技術者が設立したAmigaを買い取って商品化した)、PCの発展に大きな影響を与えた。しかし、新たなハードウェアへの対応が遅れたことで、MS-DOS/WindowsベースのPCやMacintoshなどに追い抜かれ、'94年に倒産した。Amigaの資産はドイツのEscomが買収し、Amiga Technologiesを設立した。しかしその後、Amiga TechnologiesはGatewayに買収されている。
Commodoreブランドについては、Yeahronimo Media Venturesが2004年に利用権を取得し、2005年にYeahronimo Media Venturesは会社名をCommodore International Corporation(以下Commodore International)に変更した。Commodore Internationalは、2005年にマルチメディアコンテンツの自動販売機「MediaTower」やホームエンターテイメントデバイス「MediaBox」をドイツで発表し、欧州で販売を開始している。
今回のCESでは、その新生Commodore Internationalが初めてブースを出展し、米国市場に参入する計画を明らかにした。ブースでは、MediaTowerやMediaBoxのほか、Windows CEベースのポータブルメディアプレイヤー「Navigator Combo」も展示されていた。Navigator Comboは、GPSと20GBのHDDを搭載しており、ナビゲーション機能のほか、WMVやMPEG-4などの動画再生機能、MP3/WMAなどの音楽再生機能、JPEGやGIFなどの静止画再生機能を装備している。また、NES(任天堂ファミリーコンピュータの北米版)のエミュレータを搭載し、NESのゲームを楽しめるのも面白い。
さらに、ブースでは、世界で最も販売台数の多いコンピュータとしてギネスブックで認定されたCommodore 64の実機による動作デモも行なわれていた。Commodore 64は、'82年1月のCESでセンセーショナルなデビューを飾っており、初舞台から24年ぶりにまたCESへと帰ってきたことになる。
●MSIがMEGA BOOKにソーラー電池を取り付けて展示
MSIのブースでは、ソーラー電池を取り付けたノートPC製品/ベアボーン「MEGA BOOK」を展示。これは、「こういう製品を売る」というものではなく、あくまで「こういうものを作った」という展示。液晶ディスプレイの背面部にソーラー電池がビッシリ詰まっており、見た目のインパクトは大きい。
さらに大きなインパクトを与えるのが、その製作手順を紹介したパネル。これによると、1枚当たり2V/250mAのソーラー電池10枚を直列に結び、本製品のDC-INに接続している。
ソーラー電池が取り付けられたMSIのMEGA BOOK。ソーラー電池10枚をホットボンドで固定しており、手作り感満点 | 「秋葉原でソーラー電池を購入する」ところから始まり、筐体にドリルで穴を開けてソーラー電池を固定し、DC-INに接続する手順が書かれている。ビニールテープで配線を固定したり、手書きのシンプルな配線図など、かなりリアル |
●ユニークな液晶TVを数多く展示したHANNspree
HANNspreeのブースでは、極めて個性的な液晶TVが数多く展示されている。このHANNspreeは台湾からスタートし、現在では米国を拠点として製品を展開している企業だ。
NBAやMBLと提携したボール型液晶、ディズニーキャラクター、乗り物、果物、動物などなど、さまざまなものをモチーフにした液晶TVを展示して来場者の注目を集めていた。また、そうした液晶TVにマッチしたリモコンやスピーカーなども展示されている。
日本への進出についても検討されており、今年中には日本でもこうした製品を展開していきたいとしている。
●意匠権が気になる製品たち
AppleのiPodなど、人気製品を模した製品は増加の一途をたどり、CES会場にも数多く展示されている。その中でも、異彩を放つ製品があったので紹介する。
とあるブースで見かけたのは、PSPを模したゲーム機&メディアプレーヤーで、大きさは本家よりもかなり小さなもの。型番は「GMP-M6」。PSPが4.3型液晶を搭載するのに対し、GMP-M6は2型の液晶を採用し、本体サイズは90×13×45.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量60gと、ゲームボーイミクロよりも小さくなっている。
機能面は、WebからPCでダウンロードしたゲームをUSB 2.0経由で転送して遊べるほか、MP3/WMA/OGG/ASF/MP4の再生、JPEG/TEXTの表示に対応。音声入力端子からWMAフォーマットによる録音もできる。
別のブースでは、iPod nanoを模した携帯プレーヤーが展示された。こちらは厚さ9mmで本家の6.9mmよりも若干厚めだが、音楽再生に加え、300万画素のカメラを搭載し、写真撮影ができるほか、720×480ドット/MPEG-4による録画、ボイスレコーダ、ラジオ、Bluetoothヘッドセットの機能などを持っている。両製品とも、ただの模倣で終わっていないのが評価(?)できるだろう。このほか、Xbox(初代)のデザインを模したUSB Hubも見られた。
PSP似の「GMP-M6」。左もiPod似 | iPod nanoのそっくりさん |
パッケージも黒を基調に本体写真を載せている | Xboxに似たUSB Hub。本物よりは丸みを帯びている |
●そのほか
そのほか、会場で見かけたものを写真でご紹介する。
ATPのブースに立ち寄ると、名札の「Impress」の文字を目ざとく発見され、僚誌デジカメWatchで検証した高速型SDカード「ATP ProMax」の速度テストページの英訳を渡された。もちろん許諾をとってのことであるが、実物は初めて見た。関連記事のリンクと記事署名が日本語のままなのも微妙である。元ページはこちら | 屋外で突発的に実施されたWindows Live!の宣伝ダンス。プロのダンサーではないようで動きに軽快さは感じないが、やる気だけは強く感じられた。もっとも見ている人の間からは、ため息とも失笑とも取れない微妙な声が漏れていたが…… |
(2006年1月13日)
[Reported by 石井英男/多和田新也/PC Watch編集部]