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2006 International CES 会場レポート【周辺機器編】

米Buffalo、最大240MbpsのMIMO無線LAN製品
~100GBのBD-Rメディア、応答速度2msの液晶など

240MbpsのMIMO無線LANカード

会期:1月5日~8日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Centerなど



 International CESは家電の展示会だが、会場にはPC関連の周辺機器も多く展示されている。ここでは、それらの中から目新しいものを中心に紹介したい。

●最大240MbpsのMIMO無線LAN

 バッファローの米国法人Buffalo Technologyは、Airgoの第3世代True MIMOチップセットを採用した無線LAN製品を展示。40MHz幅を使用して最大240Mbpsの通信速度を誇る。

 展示されたのはルーターの「AirStation WZR-G240」およびPCカードアダプタ「WLI-CB-G240」の2製品。同社の無線LAN機器認証技術AOSSなどを採用している。2月より発売予定で、価格はルーターが149ドル、PCカードアダプタが99ドル。国内では40MHz幅の利用ができないため、発売は未定。

 このほか、耐衝撃タイプのポータブルHDD、日本でもおなじみの「TeraStation」も展示されていた。耐衝撃HDDは日本とは異なるデザインで、名称は「MiniStation」となっていた。

240Mbpsの無線ルーター「AirStation WZR-G240」 耐衝撃HDDの名称は「MiniStation」 新型TeraStationも

●100GBのBD-R

 Blu-ray Disc Associationのブースでは、PlayStation 3や各社のメディア、対応ドライブ、プレーヤーなどが展示されていた。中でも、TDKだけが“桁違い”のものを用意。容量100GBのBD-Rプロトタイプを展示していた。他社のメディア展示が50GB(2層)止まりだったため、100GBというインパクトは大きい。

TDKの100GB BD-Rメディア PlayStation 3も 松下製のBlu-ray、DVD、CD対応ハーフハイトドライブ

●応答速度2msの液晶ディスプレイ

中間色2ms液晶のデモの様子

 Sumsungのブースは、中間色(Gray to Gray)の応答速度が2msという19型液晶ディスプレイ「931BF」を出展。高速に横スクロールする映像を使用してデモを行ない、スムーズな表示をアピールしていた。

 主な仕様は、解像度1,280×1,024ドット(SXGA)、コントラスト比7001:1、輝度300cd/平方m、視野角が上下/左右とも160度。インターフェイスはD-Sub、DVI-Dの2系統。また、同等のスペックの17型「731BF」もラインナップされる予定。

●フラッシュメモリ系

 NAND型フラッシュメモリを採用したメディアやUSBメモリも多くの展示があり、ADATAのブースでは残量を表示するSDカードを展示。カードの裏面にMB単位で表示するもので、SDカード単体で容量を確認できるのは便利だろう。同社は日本の販売ルートもあり、国内での発売も期待される。

 Lexar Mediaは本体の中央にレベルメーターを搭載し、保存量を表示できるUSBフラッシュメモリを展示。国内でもバッファローやソリッドアライアンスがメモリ容量を表示するUSBメモリを発売しているが、こちらはよりシンプルな表示になっている。

ADATAの残量表示ができるSDカード。容量は2GBまでをラインナップ Lexarのメーター型保存表示対応USBメモリ データを保存するとゲージが増していく

 Media Stream Technologiesが展示した「EmbedDisk」は、フラッシュメモリを利用したストレージデバイス。IDE接続の2.5インチHDDや3.5インチHDDと完全にピン互換を持っており、当然HDDと同様にOS等を入れてブートすることができる。

 使用されるメモリは独自形式ながらモジュール化されており、顧客が求める容量のニーズに応えやすい仕組みだという。ちなみに、現時点における最大容量は2.5インチHDDが6GB、3.5インチHDDが8GBとなっている。

 本製品は最大1,000Gの衝撃や15Gの揺れに対応できる耐衝撃性や。-40~85℃という利用可能温度の広さをアピールしており、どちらかというと産業向け製品の色が濃い。

 ただ、HDDとは異なり3.3Vと5Vのみで動作する省電力性や、ノイズレベルの小ささは注目できる。すでに国内では、DRAMを利用したGIGABYTEの「i-RAM」や、センチュリーが発売したコンパクトフラッシュを4枚搭載できる「システムディスクビルダー」などが高い注目を集めており、組み込み向けディスクのコンシューマ用途への展開に期待したい。

 また、Transcendはフラッシュメモリを使用した容量8GBの2.5インチHDD互換ドライブを展示。日本法人からの国内販売が待たれる。

Media Stream Technologiesが展示した「EmbedDisk」の3.5インチ版 同じくEmbedDiskの、こちらは2.5インチ版
EmbedDiskで利用されるフラッシュメモリ。独自ピン配列のモジュールを策定しており、32MB~1GBまでのモジュールが展示されていた Transcendの2.5インチHDD互換8GBフラッシュドライブ

●ペルチェ素子をラジエータに使った水冷クーラー

 Cool It Systemsが展示を行った「Freezone CPU Cooler」は、ケース背面のケースファン設置部分にラジエータ、ポンプを取り付けて利用できる水冷クーラー。ファンとラジエータの厚みは目測で50mm前後といった程度だが、ラジエータ部にペルチェ素子を利用することで、強力にクーラントを冷却できるのが特徴だ。

 ブースには、Athlon 64 3800+、GeForce 7800 GTX、WesternDigitalのWD Raptor、Seagateの400GB HDDなどを搭載した環境に組み込み、CPU温度が30℃前後で推移する様子をデモしていた。

 本製品の背面に設けられたファンは温度センサーにより自動的に回転数が調整され、このデモ機のノイズレベルはアイドル時で28dBA、フル時で37dBAであるとしている。

 また、このシステムの最大消費電力は238W。CPUのサーマルパワー(89W)に対するエネルギー消費効率は3.07/1であるなどのデータも提示。さらには、本製品の組み込みの容易さもアピールしており、ミドルタワーケースを利用したデモ機への組み込みは22分で終了したとしている。

 このほか、同社のブースでは、同じくペルチェ素子を利用した「USB Beverage Chiller」も展示。USBから電源を供給するドリンクウォーマーは日本でも発売された例があるが、本製品は逆にUSBドリンククーラーとも呼べる製品。

 ただ、缶を置くスペースは約7℃に設定されているそうで、缶を冷却するというよりは、冷たいドリンクの温度を維持する目的で利用できるとしている。価格は米国で38ドル。日本での発売は未定。

Cool It Systemsが展示した「Freezone CPU Cooler」。ラジエータとポンプが一体化された水冷クーラーで、ラジエータ部にペルチェ素子を利用することで冷却性能を高めている Athlon 64 3800+やGeForce 7800 GTXを利用したPCで、Freezone CPU Coolerを使用するデモ。GPUには通常の空冷クーラーをしている。CPU温度は摂氏30度前後を推移しており、グラフのレンジの関係でCPU温度の折れ線がまったく見えていないほど 同じくペルチェ素子を利用したデバイスとして展示された、USB接続のドリンククーラー

●Reserator1で利用するファンキット

Reserator1 Plus用のファンキット「ZM-RF1」(写真左)。実際に本製品を取り付けて稼動させるデモも実施されているが、外観は大きく変化していない

 タワー型のファンレス水冷クーラーとして馴染みが深い、Zalman Techの「Reserator1 Plus」。同社のブースには、このラジエータに取り付けるためのファン「ZM-RF1」が展示された。

 Reserator1 Plusのラジエータに被せる形状になっており、外観はそれほど違和感のないものになっている。ファンレス製品であることが一つの魅力である本製品だが、冷却能力を高めるために扇風機を当てている例も少ないないようで、こうした製品を待望している人もいるだろう。日本での発売は代理店次第とのことだが期待したい。

●初の0.85インチHDD採用メディアプレイヤー

 iAUDIOのブランド名のほうが馴染み深いCOWON Systemsのブースでは、iAUDIOシリーズの最新製品となる「iAUDIO6」を展示。この製品は世界で初めて0.85インチHDDを搭載した点をアピールしている。出荷は2月、価格は270ドル前後が予定されている。

 1.3インチの26万色OLEDスクリーンを搭載しており、MP3/WMA(DRM10対応)/OGG/FLAC/WAV/ASF/MPEG4/JPEGの各メディアファイルを再生可能。もちろん、USBマスストレージクラスに対応するほか、USB On-The-Goにも対応。デジカメなどからのデータ入力も可能となっている。

 ちなみに、ストレージの容量は4GB。本製品のサイズではフラッシュメモリを使うことが多いが、フラッシュでも実現可能と思われる容量だ。しかしながら、奇しくもCESでは、東芝が0.85インチHDDに垂直磁気記録方式の採用を進めることを発表しており、2006年中に10GBを目指すことになっている。

 iAUDIO6に採用されているHDDのベンダー名は伏せられたが、インタフェースが同じならば、次世代の製品で大容量化が可能だろう。今年中に10GBが実現されるならば、フラッシュではないことの魅力が一気に増しそうな製品といえる。

世界初の0.85インチHDD採用メディアプレイヤーを謳う、COWON Systemsの「iAUDIO6」。容量は4GB 東芝ブースでは0.85インチHDDの展示が行なわれている。CES期間中には垂直磁気記録方式を採用することで、2006年中に10GBの容量を実現すると発表した

●そのほか

 日立の米国法人Hitachi Americaのブースは、CEATECで展示された静脈認証ノートなどが展示された。新しいものでは、PC向けの水冷ユニットを出展。小型のラジエータを使用し汎用性は高い。ただ、同社のPC「Prius」などに採用される予定は今のところなく、OEM向けに出荷していくということだ。

 Logitechは新デザインのスタンダードマウスを展示。花柄やヒョウ柄など、日本の女性にも受け入れられそうなものを採用している。

 1,066MHzのDDR2を展示したのはADATA。CAS Latencyは5で、かなり高速なメモリチップを採用したモジュールになっている。ただし、1,066MHz DDR2対応のマザーボードは無く、各社の対応製品を見ながら2006年後半の投入を見込んでいる。

 このほか、キーが光るキーボードでWindows用のアプリケーションで発光色をカスタマイズできるものや、miniSDのIEEE 802.11b無線LANカードなども展示されていた。

Hitachi Americaの水冷モジュール。水枕は各ソケットのものを用意できるという Logitechの花柄マウス こちらはヒョウ柄
白地に黒い足跡がついたもの トラのような模様のもの ADATAのDDR2-1066モジュール。世界最速を謳っている
光るキーボードはよく見かけるが、この製品はWindowsアプリケーション(写真右)で発光パターンを制御できる IEEE 802.11b対応のminiSD

□2006 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/

(2006年1月10日)

[Reported by 多和田新也/yamada-k@impress.co.jp]

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