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マイクロソフト、共有PCのセキュリティを向上させるツールを無償配布

説明を行なった衛藤 隆司氏

12月15日 提供開始予定



 マイクロソフト株式会社は、共有PCのセキュリティを向上させるツール「Shared Computer Toolkit for Windows XP日本語版」(以降、SCT)を12月15日より同社ホームページ上で提供開始する。価格は無償だが、CD-ROMでの配布は1,050円(送料込み)の実費がかかる。

 対応OSは、Windows XP/Tablet PC Edition(いずれもSP2以降)。なお、SCTは現在開発最終段階で、今後重大なバグ等が見つかった際は、15日以降の提供開始となる可能性がある。

 SCTは、学校や図書館などの公共の場所や、インターネットカフェなど、不特定のユーザーが利用する共有PCのセキュリティやプライバシーを保護する目的で開発されたツール。

 5日に行なわれた説明会で、同社Windowsプラットフォームグループの衛藤 隆司氏は、「Windowsには、パスワードの記憶、インターネットの履歴やお気に入り、オートコンプリート、最近開いたドキュメントの一覧など、個人利用に最適化されたケースがあるほか、PCの設定の変更、スパイウェアやウイルスの感染、個人情報の表示や流出など、あるユーザーの行為が、他のユーザーへ悪影響を及ぼす可能性もある」と、現在の共有PCが抱える問題点を掲示した。

 こういった問題に対し、SCTは、HDDの内容を起動ごとに元の状態に戻す、ユーザーの行為に制限をかけるといった方法で対処する。ユーザー制限については、OSの既存の機能にもあるが、SCTでは、インターフェイスを簡易化するなどして、専属のシステム管理者以外にも使いやすくしている。

 衛藤氏が「SCTの最大の売り」とする、「Windowsディスク保護ツール」は、再起動ごとにCドライブの内容を自動的に元の状態に戻せるツール。これにより、誤操作でシステムファイルを削除したり、ウイルスに感染したりしても、再起動するだけで安全な状態に戻せる。

 Windows Updateの更新ファイルや、アンチウイルスソフトのパターン定義ファイルなど、元に戻されると困るファイルについては、保護対象から除外できる。

 なお、Windowsディスク保護ツールの利用にあたっては、1GB以上の未割り当てディスク領域が必要で、恒久的に保存したいデータや設定情報がある場合は、Dドライブを用意する必要がある。

Windowsディスク保護ツールの設定画面 デモでは、Windowsの起動に必要な「ntldr」を削除したが、再起動で復活した

 「ユーザー制限ツール」では、ユーザープロファイルごとに、インターネットへの接続や、ドライブ、スタートメニュー、各種機能へのアクセスを事細かに制限できる。また、不慣れな管理者向けに、ワンクリックで推奨される制限項目をONにすることもできる。

 このほか、指定した使用/アイドル時間が経過すると、強制的にログオフさせる機能や、ログオフと同時に再起動させる設定も可能で、Windowsディスク保護ツールと併用することで、定期的にHDDの内容を元に戻せる。

ユーザー制限ツールの設定画面 設定次第で、このようにスタートメニューも大幅に制限できる 指定した時間で強制ログオフさせることも可能

 「コンピュータセキュリティ設定」では、「CTRL+ALT+DELログオン」でダイアログにアカウント名を表示させないようにしたり、Passport情報をキャッシュしないようにしたりと、セキュリティを向上させられる。

 コントロールパネルへのアクセスも制限できるが、「特大ポインタ」や「拡大鏡」など、ユーザー補助ツールだけは、専用の画面からアクセスできるようにも設定可能となっている。

 なお、SCTはワークグループやスタンドアロンのPCを主な対象としており、ユーザー制限について、ActiveDirectory環境では、グループポリシーの利用を推奨している。

コンピュータセキュリティ設定の画面 ユーザー補助ツールの設定画面

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□製品情報
http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/sharedaccess/

(2005年12月5日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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