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アイ・オーの耐衝撃HDD「HDP-U」を試す
〜シリコンジャケットで武装したポータブルHDD

HDP-U40


●売れ筋になった耐衝撃型ポータブルHDD

 耐衝撃型のポータブルHDDが売れている。

 もともと2.5インチHDDは、3.5インチHDDよりも衝撃には強いのだが、ボディなどを工夫することによって、より衝撃性を高めたタイプの製品だ。大容量のファイルを持ち歩くことが増え、データを喪失した場合の負荷が増えているだけに、注目を集めているのだ。

 そもそも、このタイプの製品は、2月にロジテックが発表したのが最初で、70cmからの落下に耐えるとしていた。

 これがとてもよく売れたそうで、一部では在庫切れにさえなったという。BCNランキングでは、外付けHDDでは3位につけるとはいえ、アイ・オー・データ機器、バッファローに水を空けられているロジテックにとってはスマッシュヒットとなった。

ロジテックの耐衝撃型HDD「LHD-PBC」シリーズ。ブラック以外にシルバーも用意される 内部構造。HDDユニットをクッションで支えて浮かせている

 当然、ライバルもキャッチアップしてくるわけで、7月にはバッファローが75cmからの落下に耐えるという製品を、9月にはアイ・オーが80cmからの製品を発表した。最後に、ロジテックが90cmからの落下に耐えるという製品を発表しているのが、現状だ。

 最初のロジテックの製品は、ケース内に余裕を持たせ、HDDをクッション材で浮かせた構造になっている。2.5インチHDDを搭載したポータブルHDDは、外寸を小さくするために、ぴったりとした構造になっているのが常識だったので、そこが新しかったわけだ。

 バッファローの製品は、同様の構造に加え、ボディの素材を樹脂系にすることで、そこでも衝撃を吸収する構造になっている。これも、冷却のために金属系の素材を使うことが多いポータブルHDDには珍しい試みだった。

バッファローの「HD-PHSU2/UC」。ボディ素材も樹脂系にして衝撃吸収性を高めた。ブラック以外にシルバーも用意される ついに90cmに耐えるという「SHOCK PROOF BODY HIGH GRADE HD」シリーズ。11月27日の発売

 しかし、アイ・オーの製品は、両社とは全く異なったアプローチをとっている。つまり、ポータブルHDDのユニット自体は従来どおりで、外側に着せたシリコンジャケットで耐衝撃性を上げるという構造なのだ。

 したがって、本体は、薄型で金属素材のスリムな筐体で、それにシリコンジャケットが添付された形で製品となっている。

 正直に言って、そんな方法で本当に80cmからの落下に耐えるのか、という疑問があったことと、シリコンジャケットの構造を見たくて、アイ・オーから製品をお借りした。

●普通の本体と濃い目のシリコンジャケット

 パッケージの内容は、HDD本体、シリコンジャケット、USBケーブルというシンプルなものだ。いくつかのユーティリティはCD-ROMなどではついておらずダウンロードして使うようになっている。マニュアルはペラが3枚だけである。

 テスト機種は40GBの「HDP-U40」で12,075円、店頭の実売価格は10,800円前後だ。ロジテックの耐衝撃製品「LHD-PBC40U2」と同じぐらい、バッファローの「HD-PHS40U2/UC」より、やや安いという価格設定だ。

左がシリコンジャケットを装着した状態。スリムな本体が一回り大きくなる

 肝心のシリコンジャケットだが、iPod用などに販売されているシリコンジャケットと同じような素材だ。ただし、厚みはだいぶ違っており、かなり厚い。また、こわれやすい角などはバンパー状になっている。

 さわった感じは、ごく普通のシリコンジャケットと同じで、べとつくような感じはない。ただ、なめらかというよりは、すべりにくい感触だ。これは、机などから落下しにくいように、そういう素材にしているという。

 厚みがあることもあって、シリコンの色は濃い。ブルーグレー系だが、やや濁った感じもあり、微妙な色合いだ。色違いのジャケットも企画されているというので、個人的にはそちらに期待したい。

 一番の特徴は、ジャケットの裏側で、ブレード状の突起が並んでおり、ここで衝撃を吸収するようになっている。この構造もノウハウのようで、丸い突起が並んでいるよりも薄いブレード状の方が衝撃吸収性がいいという。密着するタイプが多い一般のシリコンジャケットと異なった部分だ。

 USBコネクタ部分は、めくれるようになっており、ケーブルが接続されていないときは、フタができるようになっている。

シリコンジャケットの全容。USBコネクタ用のタブが作られている 角の部分はバンパーで厳重にガードされている シリコンジャケットの裏側にはブレード状の突起が3列に並んでいる

 HDD本体のほうは、本当に普通のユニットで、アルミ製の筒に前後にフタがついている構造だ。シンプルでどこに置いても違和感のないデザインだが、どこかで見たような気がするデザインともいえる。

 しかし、シリコンジャケットを着せると、印象はかなり変わる。一回り大きくなることと、ジャケットの濃いめの色合いがマッチョな雰囲気を醸し出す。

 USBケーブルは、50cmの長さだ。ちなみに、このケーブルのコネクタとHDDユニットのソケットの相性は良く、ケーブルを持って本体が持ち上げられるぐらいにぴったりしている。シリコンジャケットの滑りにくさと相まって、机の上からの落下を防ぐのに有効だろう。

USBケーブルを接続した状態 HDD側はミニB端子。ケーブル長は50cm

●ベンチマーク結果は普通

 一応、動作確認も兼ねてベンチマークをとってみた。

 テスト環境は、Celeron D 320(2.4GHz)、160GB HDD、512MBメモリ、NVIDIA GeForce FX 5200(128MB)、Windows XP Professional(SP2)、というごく普通のものだ。

 FDBENCH V3.40 bata6での計測結果は、リード30,476、ライト25,396、ランダムリード10,654、ランダムライト13,052だった。単位はKB/secだ。

 本体そのものはごく普通のユニットなので、ベンチマークテストの結果も2.5インチのUSB接続HDDとしてはごく普通である。

FD BENCH V3.40 bata6の結果

■■ 注意 ■■

・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
・この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害はPC Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・内部構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません
・PC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。
・故意の破壊行為による故障は、機材の無償修理の範囲外です。決して真似しないでください。

●日常の事故に対してきわめて有効

 壊してもいいという条件で2台お借りしたので、いろいろとやってみた。落としては動作チェックという繰り返しだ。

 まず、よくあるシチュエーションとして、机の上からの落下から始めた。

 執務用の70cmのものも、会議室用の75cmのものも問題なし。角から落とした場合と、平らな部分から落とした場合では、弾み方が違う。角用のバンパーは有効に働いているようだ。

 次に、投擲、つまりブン投げてみた。さすがにたたきつけてはどうかと思い、1mほどの高さを目標に放物線を描くように投げてみた。5回ほど繰り返してみたが問題なし。

 また、よくあるシチュエーションとして、階段から落としてみた。鉄道の駅で駆け下りて、バッグから転げ落ちたという想定だ。これも5回繰り返したが問題なし。これにはちょっと驚く。

【動画】机からの落下 【動画】階段落ち 【動画】床にたたきつける
※オンラインでうまく再生できないときは、右クリックの「対象をファイルに保存する」でローカルに保存して再生してください

 というわけで、いろいろな方法で何度も落としてみたのだが、試みた範囲では、問題は生じなかった。また、機能的に支障がないだけでなく、本体にも目立つ傷はついていない。多少の幸運はあるとはいえ、シリコンジャケットの有効性を証すものといえる。

 特に“階段落ち”は、かなりの衝撃だったのに、PCに接続すると、ちゃんと動作したのには驚いた。

 最後に壊れることを前提にして、過酷なテストを試みてみた。片手で本体を持ち、床にたたきつけるのだ。

 これは、単純に落とすよりも、速度が高くなり衝撃も大きくなる。試してみたところ、角度によってはシリコンジャケットもずれてしまうほどの衝撃であり、大きな音に驚いて人が集まってくるほどだった。

 これを5回ほど繰り返したところ、アクセスランプがオレンジ色に点滅し、アクセスできなくなった。

 いかに耐衝撃性を備えたポータブルHDDとはいえ、万能ではない。無謀な扱いをすべきではないということだ。いや、むしろ、事故には備えられても、本気で壊す気のある人間にはかなわないということだ。怒りのあまりにたたきつけるようなことは、避けましょうということで結論としたい。

動作しなくなったHDDを分解したところ。通常のネジ2本の簡単な構造。HDDユニットは多少のクッションを伴って押し込まれている。HDDユニットは、SAMSUNGのMP0402Hが使われていた。

□アイ・オー・データ機器のホームページ
http://www.iodata.co.jp/
□製品情報
http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2005/hdp-u/
□関連記事
【10月25日】ロジテック、高さ90cmからの落下に耐えるポータブルHDD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1025/logitec.htm
【9月28日】アイ・オー、耐衝撃ジャケット付属のポータブルHDD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0928/iodata1.htm
【7月6日】バッファロー、耐衝撃構造のポータブルHDD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0706/buffalo.htm
【2月18日】ロジテック、高さ70cmからの落下に耐える外付けHDD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0218/logitec.htm

(2005年11月4日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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