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メルコ、2005年9月中間期決算を発表
~過去最高の中間営業利益

株式会社メルコホールディングス代表取締役社長 牧 誠氏

価格:10月26日発表



 株式会社メルコホールディングスは、2005年9月期における中間期決算を発表した。それによると、売上高は、526億5,200万円で、前年同期比2.4%増。営業利益は32億9,800万円、同123.3%。経常利益は31億5,400万円、同108.9%増。当期純利益は16億1,600万円、同141.3%増。祖利益率の向上により、過去最高の中間営業利益となった。

決算概要の説明にあたったメルコホールディングス専務取締役の斉木邦明氏

 現在同社は、PC周辺機器のシェアでは、15カテゴリ中、12カテゴリでトップシェアを維持。内蔵HDDのシェアでは、45%と、アイ・オー・データ機器の46%に及ばないが、10月時点でのシェアは向上しており、年内には13カテゴリにおいてトップシェアを獲得できるという見込みを示した。

 製品別では、DRAMモジュールの調達価格の下落は続いているものの、販売価格は安定し、利益に貢献。USBフラッシュメモリの売上高は前年比35%増で、シェアは45%とトップ。SDメモリーカードなどカードメディアは前年比160%の売上高で、USBフラッシュメモリの半分に達する売上げ金額を達成したという。これらを受け、メモリ製品の売上高は、前年同期比で5.1%増の183億1,100万円となった。

 ストレージ製品の売上高は、前年比0.6%増の179億5,600万円。外付けHDDが好調で売上高は前年比25%増。中でもTeraStationやLinkStationなど、NAS製品が対前年比200%近い成長を示した。ポータブルHDDについても、セキュリティ/耐衝撃性を重視した製品が好調。反面、CD-RWドライブは出荷台数が減少、DVDドライブについても価格下落により売上高は減少した。

 ネットワーク事業については、前年比1.6%減の95億7,000万円と微減。ただし、ブロードバンド製品では、前年比1%増の78億4,600万円となる。これは、5月16日に改正された電波法に基づいた、新IEEE 802.11a対応製品をいち早く市場に投入したことで、無線LANのシェアが向上したほか、エントリー製品だけでなく、ハイエンド製品についても売上げが伸びているとしている。2005年上半期における同社の無線LAN実売台数シェアは51.5%で、10月現在では約58%のシェアを獲得しているという。

 2006年3月期における通期業績見通しは、売上高が前年比10.5%増の1,175億円、営業利益が28.6%増の71億円、経常利益が25%増の69億円、当期利益は42.3%増の35億円を見込んでいる。

PC周辺機器カテゴリ別のシェア 2005年9月中間連結決算 製品別情報
メモリ製品の市況 ストレージ製品の市況 ブロードバンド製品の市況

 株式会社メルコホールディングス代表取締役社長の牧 誠氏は、今後の事業戦略について語り、「来年は地上デジタル放送の視聴可能エリアが大幅に拡大し、それが焦点になる。ただし、地上デジタル放送では、コピーワンスなど、著作権保護が厳しい。私自身、2011年に、一斉デジタル化というのは難しいと考えていたが、総務省は何が何でもデジタル化するという意気込みでやっており、地上デジタルへの移行そのものは100%実施されそうだ」などと述べ、「著作権の問題については、緩和していく方向で議論が進んでおり、これを解決しないとアナログは廃止できないだろう。個人的には著作権問題の解決によりデジタル化が急速に進むと考えている」と、地上デジタル放送に対する見解を示した。

 同氏は「地上デジタル放送をそのまま地方の僻地に配信するのは、事実上難しいことはわかっている。そこで、総務省はインターネットによる番組の配信を、従来の「通信」という扱いから「放送」として扱うことを認めており、これにより、インターネットによるTV番組配信が可能になったため、僻地でも地上デジタル放送が見られるようになる」とし、地上デジタル放送の普及は、地方へのインターネット回線の普及にも直結するという。

 「市街の中心の基地局までは光回線が来ているが、その先の配信方法をどうするかと考えた場合、その先インフラとして、ADSLでは帯域が確保できず問題がある。これを5GHz帯の一部を利用した高出力な無線LANなどに置き換えることで、各家庭に広帯域の回線を容易に配信できる」などとも語り、新しい無線LANインフラへの期待感を見せた。

 デジタルホーム市場については、「これまで、ダウンロードしたデジタルコンテンツはPCで見ていたが、これからはリビングのTVで見るようになる。これを実現するインフラは、ワイヤレスが主流になると考えている」と、ホームネットワークにおいても無線LANの普及が促進するという考えを示した。

 ブロードバンド映像配信については、著作権管理や、ストリーミング配信の品質が重要で、パケットロスや切断などの状況は致命的とし、「通信品質を確保することが重要」とした。また、同社は株式会社オン・デマンド・ティービーにセットトップボックス(STB)を提供していることから、「今はこうした配信ビジネスにはチャンスがある。オン・デマンド・ティービーでは数十万人のユーザーをターゲットとしたサービスだが、教育や病院、ホテルなど、もっと狭いマーケットのニーズもあるはず」と、将来的には、小規模で安価なコンテンツ配信システムなども普及する可能性があるという。

□メルコホールディングスのホームページ
http://www.melco-hd.jp/
□ニュースリリース
http://melco-hd.jp/news/2005/1025/index.htm
□関連記事
【4月27日】メルコ、2004年度決算は過去最高の利益水準
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0427/melco.htm

(2005年10月26日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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