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トヨタ、コンセプトカー「i-Swing」をモーターショーに出展10月19日 発表 トヨタ自動車株式会社は19日、幕張メッセでプレスプレビューが始まった「第39回東京モーターショー」で、参考出品車7台を発表した。特に新パーソナルモビリティ「i-Swing」と燃料電池ハイブリッド車「FINE-X」の発表には、代表取締役社長・渡辺捷昭氏も登場して記者発表が行なわれた。 ●i-Swing(アイ・スイング)
記者発表会で渡辺捷昭社長が乗車してお披露目された「i-Swing」は、1人乗りの「車」。2003年のモーターショーで披露された「PM」、そして2005年の「愛・地球博(愛知万博)」に出展された「i-Unit」の流れを汲む「パーソナルモビリティ」のコンセプトカーだ。 ボディはさらに小さくなり、これまでの4輪から3輪(駆動輪×2+前輪)になり、さらに2輪でも走行できるようになった。全長は3輪時で127.5cm、2輪時には98.5cm。幅は80cm。高さは180cm。駆動方式はモーター。 ボディ内側には衝撃を吸収する低反発ウレタンを使用。外装の一部にも布素材を使っている。ドライバーの目線をほぼ立っている人と同じ高さに合わせることにより、人混みのなかでも圧迫感を与えないデザインを目指したという。
特徴ある前面と後面のパネルは、内部にフルカラーLEDが敷き詰められたディスプレイになっており、ドライバーが好みに応じてカスタマイズ可能。「好みの服を着るような感覚で」コーディネートが可能だという。前面パネルはドライバーの乗降時には左右に開く。
1番の特徴は2つの走行スタイルだ。通常は3輪で走行するが、街中を人間と同じような速度で「まったり」と移動するときは2輪になる。3輪から2輪へ移行するときは、一度ウイリー状態になって重心を移動させて2輪ロボット等と同じ「倒立振子」の状態になり、ジャイロを使って倒立制御を行なう。そして、そのまま安定走行する。 また3輪移動のときにも重心位置や重量バランス、駆動力を自動制御し、車体全体が傾いて重心位置を前後/左右へと移動するようになっている。この制御技術により、トレッド(左右のタイヤの中心間距離)とホイールベース(車軸間距離)の距離が短く、重心位置が高いものでありながら、安定かつ高い運動性能を実現できたという。
操作系は2つ。「コンフォートモード」ではジョイスティックを用いる。ジョイスティックは左右にあるが連動しており、どちらを操作しても同じだ。動きたい方向に倒すだけで操作ができる。 さらにジョイスティックを斜め前方に持ち上げると、「アクティブモード」へと移行。ドライバーの姿勢も機敏に反応できるように前傾する。そしてジョイスティックの感度が上がると同時に、足下のペダルで車両の姿勢をコントロールできるようになる。「まるでスキーをするような感覚」で機敏な加減速や旋回、切り返しを楽しめるという。 また、1台を親機、もう1台を子機とすることで、2台のi-Swingが並んで走ることもできるという。たとえば2台が併走すると、親機の操作のみで走行するため、子機側は助手席に座っているのと同じような感覚で会話を楽しんだりできるようになるとしている。
もう1つの大きな特徴が、ボディの左右肩口に内蔵されたポップアップディスプレイだ。このディスプレイをインターフェイスとするのは、i-Swing内部に内蔵されたAI。このAIはいわゆるエージェントで、i-Swingを降りたあとにも携帯電話やPC内部に移動し、常にドライバーの行動パターンを学習し、一緒に成長していくという。
●Fine-X(ファイン・エックス) Fine-Xは燃料電池ハイブリッド車。車両の下部に内蔵されたFCユニット、4輪インホイールモーターで駆動する。前方/側面/後方に周辺監視カメラを持ち、障害物の検出を行なう。 1番の特徴は、「4輪独立大舵角ステアリング」とインホイールモーターによる4輪独立駆動が実現した「その場旋回」だ。また前輪、後輪をそれぞれ中心とした前軸/後軸回転モードで、縦列駐車や縦列駐車からの発進が非常に簡単になったという。
第39回東京モーターショーは10月22日~11月6日まで一般公開される。 □東京モーターショーのホームページ (2005年10月20日) [Reported by 森山和道]
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