|
アップル、PowerMac G5/PowerBook G4の説明会を開催
10月20日 開催 アップルコンピュータ株式会社は、20日未明に発表したプロフェッショナルユーザー向けの新製品「PowerMac G5」と「PowerBook G4」についての説明会を同社セミナールームで開催した。 ●デュアルコアのPowerPC G5搭載とPCI Expressの採用でアーキテクチャ一新 本誌第一報のとおり、新しいPowerMac G5は全ラインナップにPowerPC G5のデュアルコアCPUを搭載する。さらにハイエンドモデルはデュアルプロセッサ構成となっており、筐体内に通算で4つのコアを持つことになる。同社では、デュアルプロセッサ(Quadコア)モデルを「PowerMac G5 Quad」、シングルプロセッサ(Dualコア)モデルを「PowerMac G5 Dual」と呼称するとしている。デュアルコア化に加えて、従来モデルでは512KBだったL2キャッシュ容量も1MBに増量された。
従来ラインナップでは2.7GHz(シングルコア)デュアルプロセッサのハイエンドモデルにのみ搭載されていた水冷システムだが、今ラインナップでもハイエンドのQuadのみに搭載。下位の2モデルではファンと大型ヒートシンクによる空冷システムになる。 先日発表されたiMac G5で初めてMacに搭載されたPCI Expressバスは、続いてPowerMac G5にも採用されている。PowerMac G5のマザーボードには4つのPCI Expressスロットが搭載されており、下側のスロットから順にx16、x4、x8、x4のレーンが用意されている。このうちx16のスロットには出荷時にビデオカードが取り付けられており、最下位モデルのみNVIDIA GeForce 6600 LE、上位2モデルではNVIDIA GeForce 6600が標準グラフィックとなっている。6600 LEと6600の違いはメモリ容量で、前者は128MB GDDR、後者には256MB GDDRが搭載されている。
同時に発表されたグラフィックカードのオプションには、いずれもNVIDIA製品である「GeForce 7800GT(256MB GDDR3)」と「Quadro FX4500(512MB GDDR3)」が用意された。GeForce 7800GTは1スロットタイプだが、Quadro FX4500はファンなどの関係上2スロットを占有する。 同社によるとビデオカードはいずれのPCI Expressスロットにも取り付けが可能で、例えばGeForce 6600を4枚差しにして最大8基のディスプレイを同時に接続することもできる。この場合の帯域幅はx4あるいはx8など、それぞれのスロットが持つ最大値を上限に制限を受けることになるが、x4でも1GB/sを超える十分な帯域幅があるとして実用上の問題はないと同社はコメントしている。 Geforceの3製品は、DVIポートを2つ搭載。うち1つのポートがDualLink DVIに対応しており、同社の30型Cinema HD displayを接続可能だ。一方Quadro FX4500では、2つあるDVIポートの双方がDualLink DVIに対応している。そのため、x16およびx8のレーンにQuadro FX4500を2枚差しすることで、同時に4基の30型Cinema HD Displayを接続するという環境を構築することも可能だ。PCI Expressの配置がx16、x4、x8、x4となっているのは、2スロット分のスペースを占有するビデオカードを考慮して、優先的にx16、x8を使えるようにするためといえる。気になるのはSLIへの対応の有無だが、同社によると現時点では未対応ということだ。
メモリは533MHzのDDR2を採用。ECCに対応しているが非ECCメモリの利用もできる。混在する場合は非ECCとして利用することができるが、できるだけ混在はしないように同社では呼びかけている。1スロットあたり2GB、最大16GBを搭載可能だ。HDDはシリアルATA接続の250GBを全モデルに標準搭載。筐体内には最大で2基内蔵でき、500GB×2で最大1TBのストレージを本体内に収めることができる。 ネットワークインターフェイスではXsanなどでの利用を想定し、Gigabit Ethernetが2基標準搭載されている。一方、想定利用環境にそぐわなくなったとして、従来は標準搭載されていたAirMac ExpressとBluetoothがCTOオプションでの対応となった。これは1つのモジュールとして内蔵される。同様にアナログモデムの内蔵も廃止。これにともない、外向けにUSBポートが1基増えている。アナログモデムがどうしても必要なユーザーは、外付けのApple USBモデムを利用することになる。 筐体の外観はほぼ従来どおり。Gigabit Ethernetの増設やUSBポートの増加などで背面のインターフェイス部分の配置がやや変更されている。金属筐体ということから、従来はAirMacやBluetooth用の外付けアンテナ用の端子が用意されていたが、今モデルでは一部に樹脂部分を用意することで、これらのアンテナを本体内に内蔵しているという。
下位2モデルは20日から出荷を開始。ハイエンドのQuadは11月上旬の出荷を予定しているという。
●高解像度ディスプレイを搭載したPowerBook G4 1月以来のモデルチェンジとなるPowerBook G4。15型と17型の製品がリニューアルされた。従来は12型2モデル、15型2モデル、17型1モデルの計3機種5モデルのラインナップだったが、今回のリニューアルで、各機種1モデルのシンプルな構成となった。12型は従来の上位モデルが、製品構成には変更を加えず価格の改定のみで継続販売される。結果として全製品にSuperDriveを搭載、15型と17型はDVD+R DLにも対応した。コンボドライブはCTOオプションのみで提供されることになる。 今回最大の変更点は、ディスプレイの高解像度化。従来は17型で提供されていた1,440×960ピクセルの解像度が15型で、20型のCinema Displayと同じ1,680×1,050ピクセルの解像度が17型で手に入ることになる。あわせて高輝度化も実現し、17型では従来比で46%の向上があるとしている。また、従来は17型のみでのサポートとなっていた外部DVIポートでのDualLink DVI対応を15型でも実現。本体表示と30型Cinema HD Displayの同時利用が15型、17型の両製品で可能となっている。
もう1つの特徴は、バッテリ駆動時間の延長だ。15型と17型では同社が想定する標準的な利用環境で、約4.5時間から5.5時間へと延長されている。福島氏によると、これはソフトウェアとハードウェアの双方で達成したもので、搭載されているバッテリ容量やセル数などは従来のものと変わらないということだ。 より具体的には、DDR2メモリを採用したことでメモリの駆動電圧が低下している点。またAirMac Expressをはじめとする構成部品や搭載しているチップ類を最新の省電力化が進んだものに変更することで、機器全体の省電力化が図られているという。加えて、Mac OS X 10.4 “Tiger”による効率的なパワーマネージメントがソフトウェア的な改善ということになる。 ディスプレイを除くハードウェア面での変更としては、MOBILITY RADEON 9700の搭載メモリが15型で64MBから128MBに増えている。これは、前述した17型同等のDualLink DVI対応をしている理由である。同様に、音声入出力も15型でのオプティカル対応が実現している。システムバスなどに変更はなく、GPUの接続方式はAGPのまま。メインメモリもDDR2(PC2-4200)が新たに採用されているが、従来アーキテクチャと同様に実際の駆動は333MHzで行なわれている。福島氏によると、前述した省電力化がDDR2採用の主な目的であり、さらに今後主力となるメモリ供給状況などを考慮した上での変更だということだ。 15型、17型とも20日付で出荷が開始されている。
□アップルのホームページ (2005年10月20日) [Reported by 矢作晃]
【PC Watchホームページ】
|
|