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COMPUTEX TAIPEI 2005レポート【拡張カード編】
PCI Express/ExpressCard対応の拡張カードが登場
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会場:Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/2/3
Taipei International Convention Center
会期:5月31日~6月4日(現地時間)
PCI ExpressをサポートしたIntel 925X/915チップセットが登場したのが2004年6月。ビデオカードはATI、NVIDIAらをはじめ、次々と市場に投入されており、AGP製品と変わらないラインナップがそろっている。
しかし、ビデオカード以外の拡張カードは一部のハイエンドRAIDカードや、HPがサーバー向けオプションとして提供していたGigabit Ethernetカードなどしか存在しなかった。
また、1月にはSonomaが発表され、ノートPCにもUSB 2.0/PCI ExpressをベースとしたExpressCardスロット搭載製品も数機種ながら発売され始めた。5月末時点でのExpressCard対応カードは、ハギワラシスコムのCFアダプタのみとなっている。
PCI Express対応プラットフォームは登場から約1年、ExpressCardは約半年が経ったが、今回のCOMPUTEXでは、数社ながらビデオカード以外の対応カードが展示されていたのでそれらを紹介する。
●多数の製品を展示したSUNIX
SUNIXはPCI Express x1対応や、ExpressCardスロット対応のインターフェイスカードを多数展示した。
PCI Express x1対応製品は、USB 2.0×5(外部4、内部1)カード、IEEE 1394b×3カード、USB 2.0×3/IEEE 1394b×3(それぞれ外部2、内部1)コンボカード、シリアルATA II×2カード(内部2と外部1/内部1の2製品)、Gigabit Ethernetカードなどをラインナップ。
ExpressCardは、シリアルATA II外付けカード、Gigabit Ethernetカード、IEEE 1394カードなどを展示した。いずれの製品も対応OSはWindows 2000/XP/Server 2003、Linux 2.6.xとなっている。
国内では馴染みのない会社だが、すでに日本での販売準備を進めており、早ければ夏にも市場投入するという。
●TVチューナを展示したAnimation Technology
Animation Technologyは、TVチューナ搭載キャプチャ製品を展示。PCI Express製品はx1スロットのものだけでなく、x16スロットを使用する製品や、ExpressCard製品も出展。これらの製品は「FlyTV Express」シリーズと名付けられている。
x16スロットを使用する製品は、デジタル/アナログ両放送に対応し、カードからDVI経由での出力が可能。また、x1スロット対応の上位製品では最大4ストリームを同時視聴できる。
ExpressCard製品もPCI Express製品と同等の機能を持ち、受信可能な規格の違いで数種類の製品が用意されている。そのうちのM5シリーズをノートPCに装着してデモを行なっていた。
国内ではデジタル放送をPC上のデータとして扱えないが、海外ではこれらの製品を利用してPCでのHDTV視聴/録画が可能になる。なお、アナログ放送のみ対応の製品もラインナップされているが、国内での発売は未定。
下のx16スロット対応製品はDVI出力を備える | x1スロット用「MST-T2A2M」はViXSのXCodeII-Lを搭載。4ストリーム同時視聴可能 | 「MST-STA2」(下)はデジタルとアナログ×2の3ストリーム同時視聴に対応 |
ExpressCardとして初のTVチューナ製品「FlyTV Express M5」シリーズ | ノートPCに装着してデモを実施。TV画面の左下/右下にもピクチャーインピクチャーで表示している |
●MSIはTheater 550搭載のADDカード
MSIのTVチューナ搭載「ADD2+ Card」 |
MSIはATIのTheater 550を搭載したPCI Express x16スロット用のキャプチャカード「ADD2+ Card」を展示。
チップセット内蔵ビデオ機能でDVI出力を可能にするADDカードに、TVチューナやTheater 550などを追加したもの。MPEG-2ハードウェアエンコーダを備えるほか、Windows XP MCEをサポートする。
●PromiseはRAID6対応シリアルATA IIカード
ハードウェアRAIDコントローラ搭載のRAID6対応シリアルATA IIカード「SuperTrak EX8350」 |
Promise Technologyは、x4スロットに対応するRAID6サポートのシリアルATA IIインターフェイスカード「SuperTrak EX8350」を出展。RAID6はパリティを2重にとることでRAID5よりも高いデータ保護を実現する。I/OコントローラはIntelのIOP333を搭載し、RAID0/1/5/6/10/JBODをハードウェアでサポートしている。ポートは8ポート備える。
基本的にはエンタープライズ向けとなる製品で、出荷はOEM向けにまもなく開始され、リテール版も2005年中には発売予定だという。また、同社は今後、コンシューマ向けのストレージインターフェイスカードのPCI Express化を進めていくとした。
●そのほかのPCI Express/ExpressCard
Sunrich Technologyは、PCI Express x1用のシリアルATA II×4(外部2、内部2)カードとGigabit Ethernetカード、ExpressCardスロット対応のIEEE 1394カード、シリアルATAカード、USB 2.0/IEEE 1394コンボカードを展示した。
AVLAB Technologyは、PCI Express x1用のシリアルインターフェイス、パラレルインターフェイス、シリアルATA IIカードなどや、ExpressCardのシリアルATA IIカードとIEEE 1394カードを出展。Ioi Technologyは、シリアルATA II×2搭載の外付け用/内蔵用インターフェイスの各カードを展示していた。ただし、これら3社の製品が国内で販売されるかどうかは未定としている。
ほか、ASRockとJMicronがx1用シリアルATA IIカードを展示。ASRockは同社の915マザーボードにJMicron製チップを使用しており、今回、単体のカードとして出展した。JMicronは今後、UltraATA、シリアルATA両対応のコントローラをリリースするという。
●そのほかの拡張カード
Albatron Technologyは、5月に発表したPCI Express x16スロットでAGPカードが利用可能な変換カード「ATOP(AGP-To-PCIe)」を展示し、実際に動作デモを行なっていた。AGPカードはGeForce 6200を使用していたが、設置スペースが許せば6800 GTなども動作可能とのこと。
FORMOSA21は、C-Media製の新チップ「Oxygen HD CMI8788」を搭載した7.1ch対応PCIサウンドカードを展示した。Dolby Digital 5.1 LiveやDTS Digitalのエンコーダを搭載し、192kHz/32bitに対応する。基板上部は製品化の際に切り離されドーターカードとなる。ただし、国内販売は不明とした。
AlbatronはATOPで接続したAGP版ビデオカードで動作デモ | FORMOSA21の7.1ch対応PCIサウンドカード | C-Media製の「Oxygen HD CMI8788」 |
□COMPUTEX TAIPEI 2005のホームページ(英文)
http://www.computex.com.tw/computex2005/
□関連記事
【5月16日】ハギワラシスコム、初のExpressCard対応CFカードアダプタ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0516/hsc.htm
【5月16日】Albatron、PCI ExpressスロットでAGPを利用できる変換カード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0516/albatron.htm
COMPUTEX TAIPEI 2005レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/link/computex.htm
(2005年6月3日)
[Reported by yamada-k@impress.co.jp]