|
COMPUTEX TAIPEI 2005レポート
XGIがVolari 8000シリーズを正式に公表~デュアルチップ搭載製品も続々と価格:会場:Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/2/3 現在市場で人気を集めるビデオカードは、チップセット内蔵グラフィックを除けば、ATIのRADEON Xシリーズ、NVIDIAのGeForce6シリーズの2つが他を圧倒している。ただ、ATIはCrossFireプラットフォームの発表を行なったものの、ビデオチップ自体は新製品がなく、やや寂しい雰囲気が漂っている。 それでも、XGIがPCI Express向けビデオチップのVolari 8000シリーズを展示。そのほか、既存のビデオチップを使ったユニークなビデオカードなど見所は少なくない。 ●PCI Expressソリューションを投入するXGI XGIは「XG47」のコードネームで呼ばれたPCI Express対応ビデオチップ「Volari 8300」を展示している。Volari 8300はバリューセグメントに向けられた製品で、ATIのRADEON X300 SE HyperMemoryや、NVIDIAのGeForce 6200 with TurboCacheといった、100ドル以下の価格帯で販売される。 コアクロックは300MHz、メモリインターフェイスは64bit、最大バンド幅は5.6GB/sec。ShaderModel2.0に対応し、ピクセルパイプラインは4本、バーテックスシェーダユニットは2個となっている。 また、HyperMemory、TurboCacheと同様、ビデオカードにオンボード搭載されたメモリとメインメモリの両方をフレームバッファとして使用できる「eXtreme Cache」技術を搭載。この機能は、オンボードメモリを0MBとすることも可能で、ボードコストをより下げられることをメリットしてアピールしている。ちなみに、最大フレームバッファはメインメモリ1GBの環境で256MBを確保できる。 このほか、3:2プルダウン補正、Smooth Edgeといったビデオ高画質化機能を装備。こうした機能はGeForce 6200のPureVideoには実装されているものの、RADEON X300 SEにはないものである。また、HDTV出力に対応している点もアピールしている。 また、XGIではブース奥に設けられたプライベートルームで、「XG45」のコードネームで呼ばれる「Volari 8600」シリーズを公開。こちらはメインストリーム向けの製品となる。 3製品のSKUが用意されており、最上位モデルとなる「Volari 8600 XT」はコアクロック450MHz、メモリクロック450MHz、メモリインターフェイス192bit、最大メモリ容量256MB。下位モデルの「Volari 8600」は、コアクロック400MHz、メモリクロック275MHz、メモリインターフェイス128bit、最大メモリ容量128MBとなっている。このほかに、MXM-IIIモジュールとして提供される「Volari 8600 Mobile」がラインナップされており、コアクロック350MHz、メモリクロック300MHz、メモリインターフェイス128bit、最大メモリ容量128MBとなる。 Volari 8600 XTのメモリインターフェイスが192bitという点は、他社の製品には見られないユニークな仕様で、これはクロックの低いメモリを利用しても一定の帯域幅を確保できるという、コスト抑制のための仕組みだという。ちなみにメモリについてだが、サンプルボードの搭載メモリは、16MBチップ×12個で192MBという、これもまたユニークな仕様。ただ、メモリチップはDDR SDRAMが利用されており、GDDR3対応については今年後半に登場するXG50で対応予定とのこと。 3D描画エンジンには「TrueShader 3.0」と呼ばれるShaderModel3.0対応のシェーダエンジンを採用。ピクセルパイプライン8本、バーテックスシェーダユニット4個といった仕様になっている。ビデオ高画質化機能については、Volari 8300と同等である。
●AGP+PCI Expressインターフェイスを持つビデオカード
MSIのブースで展示されている「Geminium-VIII」は、1枚のビデオカードにAGP 8XとPCI Express x16インターフェイスの両方を持つという、ユニークな仕様の製品だ。 写真を見れば仕組みは一目瞭然だが、インターフェイス部の片側にAGP、もう一方にPCI Expressのインターフェイスを設け、ボードをひっくり返すことで、目的のスロットへ装着できるわけだ。 ただ、この仕組みだとブラケット部も上下左右が反転してしまい取り付けができなくなる。この問題を回避するために、ボードとブラケット部を切り離す方法を採用。出力端子へはケーブルを使って接続される。 ちなみに、ビデオチップにはPCI Expressインターフェイスを持つRADEON X800 XLを搭載。ブリッジチップを使ってAGPインターフェイスを設けている。なお、日本での発売は現時点で未定ながら、積極的に検討していくとのことだ。 ●デュアルGPU搭載製品の新顔が2製品 GIGABYTEのGeForce 6600×2搭載ビデオカード「GV-3D1」シリーズに端を発し、ASUSTeKがGeForce 6800 Ultra×2を搭載する「EN6800ULTRA DUAL」を発表するなど、SLIを使った新たな製品ジャンルとして面白いデュアルGPUビデオカード。このCOMPUTEX TAIPEI 2005では、GIGABYTEとLeadtekが新製品を展示している。 このジャンルのパイオニアともいえるGIGABYTEは、GeForce 6800 GTを2基搭載する「GV-3D1-68GT」を展示。3DMark03で20,000を超えるスコアをたたき出すビデオカードとしてアピールしている。ビデオメモリは各チップ256MBの合計512MBを搭載。前面に2スロットを占有する大型のクーラーを持つほか、背面にも1cm程度の高さを持つファン付きクーラーを搭載する。 出力端子は、ボード本体にDVI×2とSビデオ出力端子を装備するほか、付属のブラケットパーツを使ってD-Sub15ピン×2を追加することができる。これら5個の出力端子を利用し、最大で4画面同時出力が可能とのことだ。 実際の販売価格や日本での発売は未定。ただ、本製品もGV-3D1同様に、販売される際はマザーボードとのバンドル販売になるそうだ。対応マザーが限定されるための対処ではあるが、単品販売にも期待したい。 このほか、新たにLeadtekがデュアルGPU搭載ビデオカードを展示。「WinFast Duo PX6600 GT Extreme」で、製品名からも分かるとおり、GeForce 6600 GTを2基搭載する。ビデオメモリは256MB。 ぎりぎりながら1スロットに収まる背丈の低いクーラーを搭載しており、ファンのノイズは30dBと、このクラスの製品としては低ノイズなのが特徴だ。 ●GeForce Go各製品のMXMモジュール NVIDIAが提唱しているモバイル製品向けビデオモジュール「MXM」。一部のノートPCではすでに採用が見られたが、AOpenが対応ベアボーンを発売するなど、ようやく自作ユーザーにも現実に利用できるアイテムとして認識された始めた段階といえる規格だ。 PROLINKでは、GeForce Go 6800から6200までの各種ビデオチップを搭載したMXMモジュールを展示している。MXMには、70×68mmの「MXM-I」、73×78mmの「MXM-II」、82×100mmの「MXM-III」という3種類のサイズが規格されているが、搭載チップにより異なるボードサイズとなっているなど、MXMモジュールがどういった形で提供されるのかが分かりやすく、興味深いコーナーになっている。 □COMPUTEX TAIPEI 2005のホームページ(英文) (2005年6月1日) [Reported by 多和田新也]
【PC Watchホームページ】
|
|