|
COMPUTEX TAIPEI 2005レポート
AMD、Athlon 64 X2発表会レポート会期:5月31日~6月4日(現地時間) 会場:Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/2/3 米AMDは31日、COMPUTEX会場でコンシューマ向けデュアルコアCPU「Athlon 64 X2」シリーズを正式発表した。 Athlon 64 X2シリーズは、デュアルコアOpteronの発表時に、そのブランドが正式発表されたのと同時に、価格や仕様も公開され、事実上発表されたのと同じ状態になっていた。そのためか、今回行なわれた発表会では、プロセッサの性能や仕様についての具体的な話はいっさいなく、パートナーらが賛辞を送るセレモニーにとどまった。
このレポートでは、その後に行なわれた、プレス向けのQ&Aセッションの中から、Athlon 64 X2およびデュアルコアについての質疑応答を中心にまとめる。なお、質問はセッションに参加した他のプレスからのものも含まれ、ここで取り上げる回答はすべて同社Executive Vice President, Worldwide Sales and MarketingのHenri Richard氏によるもの。 -- パフォーマンスに基づいて決定されるモデルナンバーを、デュアルコアプロセッサにも採用するのはそぐわないように思う Richard OEMおよびリテールパートナーとの協議、そしてエンドユーザに対するアンケートなどから分かったのは、Athlon 64 X2がターゲットとするハイエンドユーザーは、なんだかよく分からないものは買いたがらないと言うことだ。我々が導入したPR Ratingは、クロックだけに頼らないプロセッサ全体の性能を示す指針で、デスクトッププロセッサを購入するコンシューマユーザーにとって分かりやすい。そのため、継続することにした。 一方でIntelが採ったのは別のアプローチだ。彼らがプロセッサ・ナンバを採用したのは、同じプロセッサでこれ以上クロックが上げられなくなったためだ。我々のデュアルコア製品はシングルコア製品と同じクロックで、今後も向上でき、例えばAthlon 64 X5 5000+という形で製品化できるだろうし、モデルナンバーを止める理由はない。 我々は以前、業界に性能を示す共通の指針を作ろうと訴えかけたが、それは実現しなかった。この業界には車で言う馬力のような共通の指針がない。これは我々のせいではない。我々は公平な競争に対しオープンだし、性能を示す指針の策定を歓迎したいと思っている。 -- Intelのデュアルコア製品と比べ、Athlon 64 X2は価格が高すぎる。性能やアーキテクチャの面でIntel製品より優れているかもしれないが、それを知らないエンドユーザーもいる。 Richard まず、プロセッサの価格というのはトータルソリューションにおける1つの要素でしかない。指摘の通り、我々はAthlon 64 X2をハイエンドと位置づけ、それに相応する価格付けを行なった。Intelがローエンドのデュアルコア製品に安価な価格付けを行なったのも確かだ。 だが、Intel CPUは新しいチップセット、プラットフォームが必要だ。だが、我々のCPUは、BIOSを更新を除き、同じチップセット、マザーボード、CPUファンが使える。CPU単体では価格差があるように見えても、プラットフォームでみればそれほどの差はない。 また、我々がシングルコアとデュアルコアを区別したかったというのも理由だ。Intelの製品はシングルコアとデュアルコアで価格付けにだぶっているところがある。しかし、シングルコアとデュアルコアでどちらが優れているかは明確だ。だから、デュアルコアはシングルコアよりも高くした。 もちろんこれは、デュアルコアをあまり採用して欲しくないというのではない。いずれデュアルコアにもアグレッシブな価格付けがされるだろう。 -- AMDはハイエンドゲーム用にシングルコアのAthlon 64 FXシリーズを位置づけられているが、最新のゲームエンジンは1つのスレッドでAIを処理し、別のスレッドで物理計算を行なうというように、マルチスレッドに向かいつつある。この点についてAMDの意見は? Richard 確かに今年の年末に出るいくつかのタイトルはマルチスレッドを駆使したものとなるだろう。というのもゲーム業界は非常に競争が激しく、マルチスレッドを利用することで差別化を図りたいと考えているからだ。例えば、マルチスレッドではないが、64bit技術を採用した「Far cry」の64bit版はその一例だ。 だが、言うは易く行うは難しで、競争の激しいゲーム業界では、リリース時期を守ろうとすると、最新の技術を駆使することは難しくなる。そのため、今年後半に出てくるゲームでは、抜本的な革新は見られないだろう。だが、来年後半に出る次世代のゲームではマルチスレッドを駆使できるようになるだろう。我々の回答は、その都度に最適なプロセッサを提供すると言うことで、ゲーム業界がマルチスレッドを要求するようになれば、マルチコアのAthlon 64 FXが登場するだろう。 -- デュアルコアのAthlon 64 FXは、シングルコアのものよりクロックは下がるのか? Richard その点についてはコメントできない。 -- Athlon 64 X2はハイエンドに位置づけられているが、デュアルコアを次に導入するのはどのセグメントになるのか? Richard 我々はこれまで、まずサーバー、続いてデスクトップにデュアルコアを導入した。また、Athlon 64 X2の熱設計枠(Thermal Envelope)はデスクトップ代替(DTR)ノートPCにも対応できる。この次のステップはモバイルノートPCで、時期は来年初頭を計画しており、デュアルコアTurion 64として登場する予定だ。 □COMPUTEX TAIPEI 2005のホームページ(英文) (2005年6月1日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
|
|