実際の利用シーン

5月8日　開始

「Sumo Live TV」ページのスクリーンショット

　財団法人日本相撲協会は8日、両国国技館内で無線LANによる情報配信サービス「Sumo Live TV powered by Intel」を開始した。

　同サービスは、無線LANアクセスポイントを国技館内に設置し、相撲に関する情報/映像を館内のみに提供するサービスで、常設サービスとして、大相撲本場所中(1月、5月、9月)の午後3時より、取り組み終了まで提供する。

　サービスの利用には、IEEE 802.11b対応無線LANアダプタ、Internet Explorer 5、Windows Media Player 9が必要で、同協会ではCentrino搭載ノートPCを推奨している。

　コンテンツ内容は主に「大山親方の相撲基礎講座」、「裏方さんの仕事紹介」、「どすこいFM放送席中継」、「相撲博物館」などの映像(ストリーミング)と、「国技館館内マップ」、「本日の星取表」、「どすこいFM放送チャンネル(音声)」、「その他(お知らせ等)」の情報など。なお、外部へのインターネット接続は行なえない。

日本相撲協会 理事 広報部長 高砂浦五郎氏

　同サービスに関して記者説明会が9日に開催。説明会の冒頭では、日本相撲協会 理事 広報部長 高砂浦五郎氏(元大関 朝潮)が挨拶した。

　高砂氏は、'96年の「大相撲ホームページ」(日本相撲協会公式ホームページの前身)の設立と、2003年の「どすこいFM」の導入の実例と成功から、改めて相撲ファン層の多様化と、エンターテイメント性の向上および情報提供の必要性を認識し、「IT技術を活用した同サービスは、新たな観客を引き寄せる可能性がある」とし、同サービス導入の背景とメリットを説明した。

NTTブロードバンドプラットフォーム株式会社 サービス開発部 眞部 利裕氏

　同サービスに利用される技術および仕組みについて、システム構築を担当したNTTブロードバンドプラットフォーム株式会社 サービス開発部 眞部 利裕氏が説明にあたった。

　同システムは、中継室にWindows 2003 Serverを利用したWWW/DNS/DHCPサーバを置き、1階/2階の客席/ロビーに設置された4箇所のIEEE 802.11b/g対応アクセスポイントを通して配信する仕組み。

　システムを構築する際の問題点として、映像コンテンツなどにユニキャスト(通常の配信方法)を利用すると接続数に応じた帯域が必要となるため、帯域不足で接続できないことが生じるが、マルチキャスト配信技術の導入により複数のユーザが1番組に接続することで解決したという。

　また、マルチキャストではパケットロスト時に再送を行なわないため、品質の確保が難しいとされているが、複数のアクセスポイントの設置で電波強度を向上し、アクセスポイントごとのESSIDを設定し、接続先を固定することで改善できたという。

システムの構成	導入された機器	問題点の1つ。ユニキャストでは、接続数に応じた帯域が必要で、11MbpsのIEEE 802.11bでは明らかに帯域不足
帯域不足の解決策としてマルチキャスト配信技術を導入	マルチキャストではパケットロスト時、パケットが再送されないため品質の確保が困難(写真左)だが、複数のアクセスポイントを設置することにより改善(写真右)

インテル株式会社 代表取締役 共同社長 グレッグ・ピアーソン氏

　最後に、同サービスのトータルアドバイザを担当したインテル株式会社 代表取締役 共同社長 グレッグ・ピアーソン氏が、推奨されているCentrinoテクノロジについてアピールし、同テクノロジを搭載したノートPCのモバイル性/接続の容易性を強調。

　同氏は、「大相撲という伝統と、Centrinoという最新テクノロジの融合により、Intelの技術をユーザにアピールし、新たなユーザー層を増やしていきたい」と語り、同社がサービスに提携した動機を説明した。

□日本相撲協会のホームページ
(9日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.sumo.or.jp/

(2005年5月9日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]