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日本AMD、デュアルコアOpteron/Athlon 64 X2発表会
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4月22日 発表
日本AMD株式会社は22日、デュアルコアを採用した新OpteronおよびAthlon 64 X2の発表会を開催した。
今回発表されたのは、Opteron 865(1.8GHz)/870(2GHz)/875(2.2GHz)/265(1.8GHz)/270(2GHz)/275(2.2GHz)、Athlon 64 X2 4200+(2.2GHz)/4400+(2.2GHz)/4600+(2.4GHz)/4800+(2.4GHz)。Opteron 8xxは即日、Opteron 2xxは5月末、Athlon 64 X2は6月より出荷開始される。
なお、Athlon 64 X2は、今回はブランドの発表であり、正式な製品発表は6月に改めて行なわれる予定。
1,000個ロット時のOEM向け価格は、順に166,540円、236,390円、291,390円、93,610円、115,610円、142,890円、59,070円、63,910円、88,330円、110,110円。
●デュアルダイでもデュアルCPUでもない、真性のデュアルコア
発表会では、まず同社代表取締役社長の堺和夫氏が「今回発表する製品は、“デュアルダイでもデュアルCPUでもない、“真性”のデュアルコア プロセッサです」と宣言。また、熱設計やプラットフォーム面の互換性など、デュアルコアにおける技術的優位性を掲示し、Intelを牽制した。
また、堺氏は、発表と同時に量産体制が整っていることや、コストパフォーマンスについても強調し、「これからも技術でリードし、新製品をタイムリーにリリースすることで、顧客中心主義を貫いていきたい」と締めくくった。
日本AMD代表取締役社長の堺和夫氏 | AMDの製品は「真性」のデュアルコア |
●発熱/消費電力を維持しながら最大9割の性能向上
AMDグローバルエンタープライズマーケティング/事業開発担当ディレクタのブルース・ショー氏 |
続いて、米AMDグローバルエンタープライズマーケティング/事業開発担当ディレクタのブルース・ショー氏が製品の概要を説明した。
デュアルコアOpteronおよびAthlon 64 X2は、メモリコントローラ、HyperTransportリンク、クロスバースイッチ、システムリクエストインターフェイスまでは従来と同等の構造で、その上に2つのCPUコアが独立したL2キャッシュを伴って接続される。
Intel製デュアルコアCPUでは2つのコアがFSBを通じて通信するのに対し、AMD製品は2つのコアがシステムリクエストインターフェイスを介しCPU周波数で通信できるため、FSBによるボトルネックが発生しない。
この点についてショー氏は、「Intelの製品が真のデュアルコアであるかどうかは私の口からはコメントできないが、我々の技術の方が優れているのは明らかだ」とした。
既存のシングルコアCPUとはほぼ完全な互換性があり、940/939ピンのAMD64対応マザーボードであれば、BIOSのアップデートだけで利用できる。熱設計枠も従来の90nmプロセス製品と同じ95Wで、電源や冷却機器も流用できる。ただし、一部の古いマザーボードのレギュレータは90W未満の設計となっているため、対応できない場合がある。
Enhanced Virus Protection、Cool'n'Quiet/PowerNow!など従来の機能は踏襲され、SSE3にも対応する。
ショー氏が示したベンチマーク結果によれば、SPECjbb2000において、同じ周波数のシングルコアとデュアルコアで約70~90%の性能向上が得られるという。
新ブランドとなるAthlon 64 X2は、メインストリーム向けのAthlon 64とハイエンドゲーマー向けのAthlon 64 FXの間に、プロシューマ/デジタルメディア向けとして位置づけられる。また、Athlon 64 X2はデスクトップ代替ノートブックにも採用される。
既存のゲームはシングルスレッド動作のものがほとんどで、デュアルコア化よりも高周波数の方が高い性能を得られるため、当面はAthlon 64 FXはシングルコアで周波数を向上する方向が継続される。ただし、ゲームでのマルチスレッド化が普及した時点でAthlon 64 FXでもデュアルコア化を図る予定という。
デュアルコア化の詳細なロードマップは明らかにされなかったが、Sempronなどローエンドでもデュアルコアを順次採用し、モバイルノートブック向けのTurion 64でも2006年をめどにデュアルコア化していく予定という。
AMD64デュアルコアプロセッサの設計 | Opteron 248と275によるベンチマーク比較 | デスクトップ向けデュアルコア製品の位置づけ |
●Windowsはソケット単位でのライセンス
ゲストスピーカーとして、マイクロソフト株式会社業務執行役員サーバー プラットフォーム ビジネス本部長の鈴木和洋氏が、x64版Windowsについて説明を行なった。
同社は5月中旬より、Windows Server 2003ならびにWindows XP Professionalのx64 Editionを順次発売する。
鈴木氏は、x64 Editionにより、既存の32bitデータベースでも5%の性能向上が認められ、64bit版のERPアプリケーションでは同時使用ユーザー数が19%、ターミナルサービスでは170%増えると説明し、64bit OS導入のメリットを示した。
また、新技術促進のため、プロセッサのコア数に関わらず、ソケット単位でライセンスを行なうことを改めて確認した。
また、株式会社OSKは同社製ERPソフトを用い、64bit化およびデュアルコア化による性能向上を示す実地的なデモを実施。32bit OSとシングルコアCPUの組み合わせで数十秒かかるActiveDirectoryの検索が、64bit OSとデュアルコアCPUの組み合わせでは数秒で終了する様子を紹介した。
マイクロソフト業務執行役員サーバー プラットフォーム ビジネス本部長の鈴木和洋氏 | Windows x64 Editionファミリ | 32bitと64bitにおける性能の違い |
OSのライセンスはCPUソケット単位で | OSKのERPアプリケーションによるデモと結果 |
●多数の関連製品が展示/デモ
会場には、デュアルコアOpteron搭載製品や対応マザーボード、マルチスレッドや64bitに対応したアプリケーションなどが展示された。
ハードウェアは、BIOSのアップデートのみでデュアルコアOpteronが搭載可能なため、既存の製品が多く並んだ。ソフトウェアは64bit対応やデュアルコアによるマルチスレッドへの対応によって大幅に性能を伸ばすことが確認できたという。
□日本AMDのホームページ
http://www.amd.com/jp-ja/
□ニュースリリース
http://www.amd.com/jp-ja/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~97143,00.html
□関連記事
【4月22日】AMD、Athlon 64 X2の詳細を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0422/amd.htm
【2004年10月21日】Microsoft、マルチコアCPUのライセンスはシングルコアと同様に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1021/ms.htm
(2005年4月22日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp / yamada-k@impress.co.jp]