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ASUSTeK開発担当者が来日し、新製品を多数紹介
~Pentium M変換アダプタの詳細を解説

3月31日 開催



 台湾ASUSTeKは31日、東京秋葉原において新製品の説明会を開催した。説明会には、アジアパシフィック地域を統括するBenson Lin氏のほか、製品のプロダクトマネージャも参加し、製品の仕様から開発秘話、ロードマップなどについて語られた。

●MSI、Gigabyte、ECSの合計を凌ぐマザーボードを出荷

Benson Lin氏

 まず、Benson Lin氏(General Manager, AsiaPacific_MEA & Domestic Sales Group)が、同社の近況について紹介した。

 同社の2004年の売上高は78億ドル、従業員数は52,348人、海外の拠点数は24と台湾全土で4番目に大きい企業だという。

 2004年に出荷したマザーボードの枚数は約4,200万枚。これはMSI、Gigabyte、ECSの3社の合計出荷枚数を凌駕するもので、当然台湾では第1位。さらに、他社の出荷枚数が減少傾向にある中、ASUSTeKは、2005年第1四半期で前年比15%増の1,150万枚をすでに出荷しており、2005年は5,000万枚の出荷を目指すという。

 2004年のビデオカードの出荷枚数は800万枚で、台湾で2番目の出荷量だったが、2005年第1四半期はすでに第1位になっているという。

 このほか、日本のグッドデザイン賞を始め、世界各地で同社製品がデザイン賞を受賞していることも言及し、品質や性能だけでなくデザイン面にも注力していることを訴えた。

 秋葉原では同社は板モノ系のメーカーとしてのイメージが強いが、サーバー、ノートPC、携帯電話、PDAなど事業範囲は広い。Benson Lin氏は「日本でも、Communication、Consumer、Computerの“3C”製品を積極的に展開していきたい」とした。

ASUSTeKの年間売上高の推移 各製品の出荷枚数と台湾での順位 板モノ系のイメージの強い同社だが、実はすでに売上高に占める割合はマザーボードよりノートPCの方が大きい
台湾でのノートPCのシェア ASUSTeK、IBM、Dell、Sony、HPのブランドイメージ調査結果。性能、体験の2項目でASUSTeKが1位という 同社ノートPCの品質の高さを証明するものとして、宇宙で600日間故障せず動作した事例が紹介された

●デスクトップチップセットでPentium Mを使用可能にする「CT-479」

Richard Liu氏

 Richard Liu氏(Product Manager, MB Business Unit)は、デスクトップチップセットでPentium Mを使用可能にするCPU変換アダプタ「CT-479」などについて解説した。

 CT-479は、Pentium M用のSocket 479を搭載した10cm四方程度の基板で、Socket 478に装着して使用する。発売は4月上旬で、店頭予想価格は8千円前後となる見込み。

 他社では、Intel 855GMEなどPentium M用のチップセットを搭載したデスクトップ用のマザーボードを出しているところもあるが、これらのチップセットはデスクトップ用のものと比較して、搭載技術の世代が古かったり、性能が劣ったり、高価であるという短所がある。

 これに対し「CT-479を使うことで、安価なデスクトップマザーボードを利用した高性能な静音PCが実現できる」と、Richard Liu氏はそのメリットを示した。

 対応マザーボードはIntel 865搭載の「P4P800-VM」、「P4P800-SE」、およびIntel 875搭載の「P4C800-E Deluxe」で、対応BIOSにアップデートする必要がある。今後、Intel 915を搭載した「P4GD1」などについても対応BIOSがリリースされる予定。

 対応CPUは「Banias」コア、および「Dothan」コアのPentium Mで、FSB 400/533MHzに対応する。ただし、省電力機能「SpeedStep」にはチップセットのハードウェア的な制限から対応できない。

 Pentium MとPentium 4ではピンの数だけでなく電気的に仕様が大きく異なる。CT-479では、VRMをIVMPに変更したり、VCCA電圧を供給したりする回路を搭載することなどで、この機能を実現した。

 このほか、Richard Liu氏は2005年のマザーボードロードマップも紹介。これによれば、デュアルコア対応製品が第2四半期から出てくるほか、ATIのビデオカードを2枚差して並列動作させる機能に対応した製品をIntel/AMDそれぞれのプラットフォームで第3四半期頃より出荷開始するという。

CT-479 付属のCPUクーラー
Intel 855GMEを搭載した他社製マザーボードとの価格比較 同じくこちらは機能比較。デスクトップチップセットでありながら、FSB 533MhzのDothanにも対応可能 ブロックダイヤグラム
会場に展示されたnForce4 SLI Intel Edition搭載の「P5ND2-SLI Deluxe」 nForce4 SLIを搭載し、PCI ExpressのSLIモード自動切り替え機能を搭載した「A8N-SLI Premium」 RADEON EXPRESS 200搭載で、オンボードTVチューナも搭載する「P5RD1-V Deluxe」

●日本市場でノートベアボーンを積極展開

 Yvens Tseng氏(Account Manager, AsiaPacific_MEA & Domestic Sales Group)は、ノートベアボーンの展開について語った。

 Tseng氏は、「日本国内のPC全体の売上の内、過半数がノートPCであること、自作デスクトップ市場の内、15%はベアボーン、35%はショップブランドPCで、残りの半分は自作PCであるといった要因に加え、ノートベアボーンはメーカー製完成品よりハイスペックなものをいち早く提供でき、パーツを選定することで価格を抑えることもでき、コスト重視派からパワーユーザーまで幅広い層に訴求できる」とした。

 あわせて6機種の新製品を紹介。最上位モデルの「Z71Vp」はNVIDIAの「MXM」規格を採用し、GeForce Go 6を着脱できるのが特徴。液晶はWXGA対応の15.4型。小型軽量モデルとしては、12.1型XGA液晶搭載の2スピンドル機「M5N」および「M5A」が用意される。いずれもチップセットはIntel 915M。

NVIDIAの「MXM」規格対応の「Z71Vp」 WXGA対応14.1型ワイド光沢液晶搭載の「W3N」

●エムヴィケーが国内代理店に

 このほか、株式会社エムヴィケーが新たにASUSTeKの国内代理店になったことが発表された。エムヴィケーは、PCショップのツートップ、フェイス、パソコン工房を経営するアロシステム株式会社の100%出資子会社。

 同社はASUSTeK製品の内、マザーボード、ビデオカード、ベアボーンなどを取り扱う。

□ASUSTeKのホームページ(英文)
http://www.asus.com/
□エムヴィケーのホームページ
http://www.mvk-japan.com/
□関連記事
【3月19日】Socket 478マザーでPentium Mが使えるアダプタが展示(AKIBA)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20050319/etc_ct479.html

(2005年3月31日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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