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2005 International CESブースレポート

デスクトップ/ノートPC編
~Efficeon TM8800 2GHzからBlu-ray搭載機まで

会場:Las Vegas Convention Centerなど

会期:1月6日~9日(現地時間)



 コンシューマエレクトロニクスが主役という性格上、CESで大々的にPCを展示するブースは少ない。その代わりといっては何だが、展示されているPCは変わり種的なものが多かった。

●デスクトップPC

 TransmetaはTechnology Previewと称して、2GHz動作の「Efficeon TM8800」を搭載したPCを展示。デモではWMV HDコンテンツをフルフレームで動作させそのパフォーマンスの高さをアピール。また、同プロセッサは省電力技術「LongRun2」も実装しており、コンテンツの負荷に応じて、プロセッサの周波数と電圧がほぼリアルタイムで変化する様子を示していた。

【お詫びと訂正】初出時に「TM8800」の製品名を誤って記載しておりました。お詫びして訂正させていただきます。

TransmetaのEfficeon TM8800 2GHz搭載機 ビットレート約7MbpsのWMV HD動画をフルフレーム表示 LongRun2機能を搭載し、周波数とコア電圧はほぼリアルタイムで変化する

 HPはBlu-ray Disc(BD)ドライブを内蔵したコンセプトモデルを展示。6日の基調講演で紹介された「HDTV Media Hub」とはまた違うもので、本体前面からアクセス可能なHDDリムーバブルスロットを4つ備え、TBクラスのHDDを実装できるなどメディアサーバー的性格のもの。外観の完成度は高いが、このままの外観で製品化は行なわないとのこと。出荷時期は2005年後半を予定。

BDを搭載したHPのコンセプトモデル。本体前面にリムーバブルHDDを4基備え、ラックマウントサーバーの雰囲気 こちらはDellのBD搭載PCのデモ。ドライブはPioneer製を搭載 こちらもDellの別のPCのデモの様子。ディスプレイに同社製の43型プラズマTVを利用している。日本では大型TVとPCの組み合わせはまだ一般的とは言い難いが、5~60型クラスのTVやディスプレイがそこかしこに展示されているCES会場にあっては、こういった展示が当たり前の風景に見えてしまう

AMDのPIC

 AMDブースでは、途上国向け低価格インターネット端末「PIC」を展示。PICは、現在約10%というインターネット普及率を、2015年までに世界人口の50%が安価なインターネット接続とPCを活用できるようになることを目指す「50x15」戦略の一環として開発されたもの。

 主な仕様は、CPUにGeode GX 500@1.0W、メモリ128MB、HDD 10GB、AC'97オーディオ機能、V.92モデム、USB×4、D-Sub15ピンと、一般的PCと比較すると貧弱だが、Webブラウズ、電子メール、ワードプロセッサ、画像/マルチメディア/Flash/PowerPoint/PDFの閲覧、インスタントメッセージングなど一通りの機能をそろえる。OSはWindows CE 5.0をカスタマイズしたもの。

 USBポートには外部ストレージを接続できるがDVDプレイヤーには非対応。また、プリインストール以外のソフトウェアや実行ファイルは一切実行できないという制約があるが、AMDではこれによりウイルスやスパイウェアなどの心配がなくなるとしている。

 販売はISPなどが行ない、インターネット接続サービスを含め、月額7~10ドル程度で利用できるという。すでに、インドやメキシコで販売が開始されている。

 もう1つAMDで展示されていたのが、VoodooPCによるゲーマー向けPC「RAGE f:5」。標準でAthlon 64 FX-55とNVIDIA SLIに対応、かつCPUとGPUはすべて水冷というゲーム向けとしては最強と思われる仕様。ちなみに価格も最強で、メモリ2GB、HDD 250GB、DVD±R/RW、GeForce 6800 Ultra×2の仕様で約6,000ドルとなる。

AMDブースに展示されていたVoodooPCの「RAGE f:5」。真紅の筐体だけで十分目立つが、CPUと2つのGPUを水冷と中身はもっと豪華。展示機のGPUの種類は不明

 同様のモンスターマシンはIntelブースにも展示されていた。こちらは売り物ではなく、とある個人が作成したもの。筐体天井部には角のような突起物が生え、内部にはドクロの手があったりと、一種祭壇のような雰囲気を醸し出している。

 こちらもCPUとGPUは水冷。中央部にはシリンダーが設置されており、蛍光色の冷却液がブクブクと泡を立てるという趣向も凝らされている。システムはIntel 925XEベースで、CPUはPentium 4 Extreme Edition 3.46GHz。

 このほかIntelブースでの興味深い展示としては、Nikonの「D2H」に無線LANアダプタをつけ、PCに無線でデータを転送し、表示するデモ。画像表示のデモにはCanopusの「Imaginate」というソフトが使われているのだが、実はこのソフトは64bit対応版。説明書きには一切64bitについて触れられていないのだが、CPUはEM64T対応のPentium 4で、OSも64bit対応版Windows XPが使われている。後述のノートPCも含め、Intelはこっそりと次世代技術を展示していた。

Intelブースに展示されていたカスタムメイドケースのスペシャルPC。シリンダーの中では泡がぶくぶく出ているのだが、これが冷却に寄与しているの単なる見た目なだけなのかはIntel担当者も不明と言っていた Nikonの「D2H」を用いた無線LANでの画像転送のデモ機。それ自体とは関係なく、またどこにも書かれていないのだが、実はCPUもOSもソフトも64bit対応版
NVIDIAブースに展示されていた球型PC。内部の仕様は不明 SharpのWindows XP Media Center Edition(MCE)搭載機。Sonyブースのレポートにも紹介したように、米国ではMCEを採用するケースが多い

●ノートPC

 ノートPCは、日本でPCI Express対応のSonomaプラットフォーム製品が数社からリリースされたことから、CESでも展示やデモが期待されていたが、取材した限りではノートPCの展示を行なっていたのはLGだけで、PCI Express周辺機器の展示もなしという結果だった。

 LGで展示されていたのは、17型と14型のもので、FSB 533MHz対応のPentium M、DDR2メモリ、MOBILITY RADEON X600を搭載。米国での発表時期は1月下旬頃だが、この展示はLG独断のフライング展示というわけでもないらしく、Intelブースにも同じ機種が展示され、ノートPCでの5.1chオーディオのデモ機としてひっそり展示されていた。

LGのSonomaベースのワイド17型液晶搭載機「LW70」 同じくLGの14型液晶搭載機「LM60」 Sonomaとは特に書かれていないがIntelブースでもLW70を用い、5.1chオーディオのデモに使用していた
Panasonicの「Let'snote」は米国では「TOUGHBOOK」のシリーズ名がつけられている。同製品は、日本では堅牢性が強調されることはないが、説明担当員のお姉さんが「こんなに頑丈なのよ」といって天版をおもいっきりこぶしで殴ってみせていたのがとても印象的だった 先のブースレポートでも紹介したとおり、ToshibaはPC関連の展示にかなり力が入っており、「QOSMIO」シリーズもかなりの数が展示されていた SamsungブースではノートPCに関連して、日本での地上デジタルに相当すると思われる「Digital Media Broadcasting」と呼ばれるHDTV受信装置をデモ。まだ試作の段階だが、製品版ではノートPCやポータブルDVDプレイヤーなどに内蔵できるくらい小型化されるという

□2005 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/

(2005年1月10日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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