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2005 International CESブースレポート
Blu-rayとHD DVDによる次世代光学メディア覇権争奪戦
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会場:Las Vegas Convention Centerなど
会期:1月6日~9日(現地時間)
現在の大容量光学メディアの主役はDVDだが、CES会場では家電用/PC用を含め多数のBlu-ray DiscおよびHD DVD製品が展示/デモされている。また、それぞれの陣営によるカンファレンスも同じ日に行なわれ、我こそが次世代光学メディアの主役だと声高々に叫び、熱いバトルを繰り広げている。
●製品化で先行するBlu-ray Disc
Blu-ray Disc(BD)は、日本ですでにソニーや松下電器などから家電用レコーダーが製品化されているが、今回のCES会場では松下電器、パイオニア、Pioneer、Philips、Samsung、BenqらがPC向けの内蔵型ドライブを展示している。
展示されているのは実動サンプルで映画「I, Robot」を収録したディスクを用い、デモを行なっている。製品化も近そうな雰囲気だが、実際に市場に登場するのは2005年後半から2006年初頭という。
その理由はBD-ROMにおける規格が定まるのが2005年3月の予定となっているためだ。各社とも物理的な設計は済んでいるが、規格の策定を待ってからの製品化と言うことで、このようなスケジュールになっているという。
ただしライトワンスのBD-Rと書き換え型のBD-REについては規格がすでに策定されているため、あるメーカー関係者によれば「BD-ROM抜きのBD-R/REドライブとしてなら、買い手さえつけばすぐにでも出荷可能状態にある」といい、BD-ROMに先んじてBD-R/REドライブがもう少し早いタイミングで製品化される可能性もある。
●ビッグタイトルをそろえるHD DVD
一方のHD DVDは、PC用ドライブを展示しているのはNECとToshibaの2社だけとBDに比べるとやや寂しい。
NECは、HD DVD/DVD/CDの3種類のメディアを1つの対物レンズで読み取れる世界初のピックアップを開発し、その搭載機のデモを行なっている。こちらはBDの逆で読み込み専用機が9月頃予定で、書き換え型は年末から2006年にかけてのタイミングとなる。ドライブの価格は当初は500ドルを切る程度を見込んでいるという。
Toshibaではスリム型のHD DVD ROMドライブを展示。2005年第4四半期にドライブおよび搭載ノートPCを出荷予定という。
5日に行なわれたカンファレンスでは、ハードウェアメーカー以外に、Paramount、Universal、Time Warnerなどのメジャースタジオの関係者がスピーチを行なうとともに、年末にハードウェアと同じタイミングで多数のビッグタイトルをリリースすることを発表した。
NECのHD DVDドライブ。世界初の3波長対応対物レンズを実装 | Toshibaのスリム型HD DVDドライブ。同社ノートPCにも搭載予定 | Sanyoはピックアップを展示 |
カンファレンスではメジャースタジオから多数のタイトル発売決定が発表。会場でもその映像の一部が世界で初めて一般公開された | DVDとの互換性やコストの安さもHD DVDがアピールする点 |
●HDコンテンツメディアとしてはHD DVDが優勢か
BD-ROMは最大50GB、HD DVDは最大30GBと、いずれも現行のDVDを遙かに上回る容量を実現しており、いずれの陣営も今後急速に普及することが見込まれるHD(High Definition)コンテンツ用のメディアとしてアピールを行なっている。
しかし、ハイビジョン放送の録画に多くの制約がつきまとう日本市場を考えると、記録メディアが先行するBDは、HDコンテンツメディアというよりは、従来よりも容量の大きなメディアという存在になってしまう。
一方のHD DVDは、具体的なタイトル名や発売時期も発表されたことから、今回のCESの様子を見る限りではHDコンテンツメディアとしては、HD DVDが優勢であるという印象を受けた。
□2005 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
(2005年1月9日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]