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2005 International CESブースレポート

CES会場で見かけた日本未発売デジカメ

PENTAXのブースでは同社の防水デジカメ「Optio WP」を水槽に沈めて展示

会場:Las Vegas Convention Centerなど

会期:1月6日~9日(現地時間)



 米ラスベガスで開催中のInternational CES会場では、新製品を中心に日本では未発売のデジカメも展示されている。

 ただ、2月にはPMA2005を控えていることもあり、製品数はそれほど多くない。取材中、PanasonicとFujifilmのスタッフは「PMA開催時期に新製品を発表する」と述べており、新製品については、この先の約1カ月半は大きく動きがありそうだ。

●Eastman Kodakはデジカメ3製品とフォトビューワを展示

プレス向けセッションで「EasyShare-one」の説明を行なう、Eastman Kodak Vice President and Director,Business StrategyのPierre Schaeffer氏

 Eastman Kodakは、EasyShareシリーズのデジカメ3製品を展示。SDIOの無線LANアダプタに対応する「EasyShare-one」、500万画素・光学10倍ズームの「EasyShare Z740」、400万画素・光学5倍ズームの「EasyShare Z700」である。

 EasyShare-oneは、撮影素子に400万画素CCDを搭載するコンパクトデジカメ。最大で2,304×1,727ピクセルでの撮影が可能なほか、640×480ピクセル/30fpsの動画も撮影できる。レンズは6~18.1mm(35mmフィルム換算で36~108mm)の3倍ズームで、F値はワイド側がF2.9-4.7、テレ側がF4.9-8.1となる。

 背面にタッチパネル式の、3型/23万画素バリアングル液晶を搭載するのが特徴の1つ。デジカメのモード切替や再生画像の表示、メニュー操作などを、付属のスタイラスで操作することができる。

 画像はアルバム風に分類して保存できるほか、赤目軽減やトリミングなどの簡単なレタッチ操作をカメラ単体で利用可能となっている。

 もう1つの特徴は、本体上部にSDIOスロットを備えている点だ。ここに米国価格99ドルで発売される無線LANアダプタを装着すれば、PCへの転送を無線LANで行なえる。さらには、カメラから直接オンラインアルバムへアクセスしたり、撮影した画像をメールで送信できるという。

 なお、SDメモリーカードスロットは本体底面に別途備えている。この2つは物理的なインターフェイスこそ同じではあるが、上部のSDIOスロットは(現時点で)オプションの無線LANアダプタ専用、下部はメモリカード専用となる。なお、撮影画像の記録先としてはSD/MMCカードのほか、256MBの内蔵メモリが用意されている。

 ちなみに、同社から発売されている「EasyShare printer dock plus」の無線LAN対応も同時に発表された。こちらは本体側面に設けられたSDメモリーカードスロットを兼用する格好でSDIOの無線LANアダプタを装着できる。2枚の無線LANアダプタを用意して各製品に取り付ければ、EasyShare-oneから無線LANを使って送信、印刷が可能となる。このほか、EasyShare dock Printer PlusのUSBポートに取り付けて利用するBluetoothアダプタも展示されている。

EasyShare-one。Schneider-KREUZNACHの3倍ズームを搭載 タッチパネル式の3型液晶を背面に備える。左下の「Auto」と書かれたところをタッチすることでモード切替が行なえるそうだ(展示機はプロタイプのため実際の動作は未確認) 液晶はバリアングル式で、液晶を内側にして折りたたむこともできる
液晶パネル部の側面には、記録/再生の切り替えスイッチなどが用意される 撮影画像をアルバム形式でカテゴライズしておける。無線LANアダプタを装着していれば、下部のアイコンからメール送信やオンラインアルバムへのアクセスなども行なえる スタイラスは本体内に収納可能。タッチパネルは指でも操作可能であった
本体上部に無線LANアダプタを装着できるSDIOスロット、下部にSD/MMCカードスロットを備える。このほか本体に256MBメモリーを内蔵 オプションのSDIO無線LANアダプタ 無線LAN対応が表明された「EasyShare printer dock plus」
こちらはBluetoothアダプタ。Wi-Fi対応の無線LANアダプタは前述のSDIOの無線LANアダプタを、SDカードスロットに装着することで対応できる

 EasyShare Z740は、同社のダイレクトプリンタ「EasyShare printer dock series 3」とセットで発売される。撮影素子は500万画素CCDで、最大2,576×1,932ピクセルでの記録が可能。レンズは6.32~63.2mm(35mmフィルム換算38~380mm)の10倍ズームを搭載。開放F値はワイド側がF2.8、テレ側がF3.7となっている。

 背面には1.8型/13.4万画素液晶を搭載。撮影画像はSD/MMCカードのほか、内蔵の32MBメモリーへ記録できる。多彩な撮影モードを備えるのも特徴で、オートのほか、プログラムAE、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、マニュアルのほか、シーン撮影モードを用意。ハイカラー、ローカラー、ナチュラルカラーなどから選べるカラーモードも用意されている。

 EasyShare Z700もEasyShare printer dock series 3とセットで発売されるモデルで、400万画素CCDのモデル。レンズは5.8~29.2mm(35mmフィルム換算35~175mm)、開放F2.9(ワイド側)-4.9(テレ側)の5倍ズームを搭載する。背面には1.6型/7.2万画素液晶を搭載。撮影画像の記録先は、SD/MMCカードのほか、内蔵の16MBメモリとなる。

 ちなみにZ740/700は同社の従来製品である「DX7590」に外観やスペックが似ているが、サイズがやや小さくなっているほか、操作性を改善しているという。ブーススタッフは「Zシリーズはハイエンドなデジカメのエントリーユーザー向け」とのことで、コンパクトデジカメからのステップアップを目指すユーザーをターゲットとする製品のようだ。

500万画素・光学10倍ズーム搭載の「EasyShare Z740」。プラスチック製ということもあり、見た目の印象よりはかなり軽い 背面には1.8型液晶を搭載。光学ファインダーは搭載せず、20.1万画素のEVFを装備する
400万画素・光学5倍ズームの「EasyShare Z700」 こちらは1.6型液晶を搭載。同じシリーズに属するZ740/700ではあるが、操作ボタン、ダイヤルの体系は大きく異なる
Z740/700に付属するダイレクトプリンタ「EasyShare printer dock series 3」

 このほか、Eastman Kodakのブースでは、フォトビューワの「EasyShare Picture Viewer」を展示。20.1万画素の2型液晶を搭載するもので、内蔵の32MBメモリとSD/MMCメモリーカード内の画像を表示可能。また、EasyShare dock printerシリーズとの接続や、PictBridgeによるダイレクトプリントにも対応する。

EasyShare printer dockシリーズと接続可能なフォトビューワ「EasyShare Picture Viewer」。現在はプロトタイプの段階であり、製品化までに速度面の改善などを行なう予定という 本体上部にSDメモリースロットを装備。SDメモリーカード内の画像のほか、本体内蔵の32MBメモリに保存した画像を表示できる

●PENTAXは500万画素防水デジカメを水槽に沈めて展示

 PENTAXのブースには、CES2005開催に合わせて発表された「Optio WP」が展示されている。WPはWater Proofの略で、JIS Class 8に準拠した防水性能が特徴である。水中における使用可能時間は30分。深度については、配布資料では「1m」、展示機脇のパネルには「5ft(1.5m強)」と書かれている。ブーススタッフは「約5ft」と述べており、とりあえず水深1.5mで30分間の使用が可能ということのようだ。ブースでは防水性能をアピールするために、本製品を水槽に沈めた展示機も用意されている。

 撮影素子は1/2.5型の500万画素CCD。最大で2,560×1,728ピクセルでの記録が可能。レンズは6.3~18.9mm(35mmフィルム換算38~114mm)の3倍ズーム、開放F値はF3.3(ワイド側)-4(テレ側)となっている。背面には8.5万画素の2型液晶を搭載。画像の保存先はSD/MMCカードのほか、内蔵の10.5MBメモリへ行なえるようになっている。

PENTAXのブースに展示されている「Optio WP」 背面には2型液晶を搭載。主な操作ボタンはすべて背面に配置されており、上部は電源スイッチとシャッターのみとなっている 底面にはバッテリやUSB、電源コネクタのほか、SDメモリーカードスロットを装備する

●CASIOのブースにはQV-Rシリーズの新製品

 CASIOのブースでは、同社の主力ブランドであるEXLIMシリーズを大々的に展示。そのほか、QV-Rシリーズの最新製品「QV-R62」も展示されている。

 QV-R62は、600万画素CCDを搭載するコンパクトデジカメ。8~24mm(35mmフィルム換算39~117mm)の3倍ズームを搭載。背面には2型液晶を搭載する。

 従来のQVシリーズ以上の高速動作を実現しているのがウリという。このほか、「高画素だが(米国価格)399.99ドルのバリュー製品」とコストパフォーマンスの高さをアピールしていた。

CASIOのブースで展示中の600万画素デジカメ「QV-R62」。35mmフィルム換算で39~117mm、開放F値2.8-4.9の3倍ズームを搭載 背面には2型液晶を搭載。同社製品の特徴であるベストショット撮影機能などを装備している 電源には単三乾電池を2本使用。SD/MMCメモリーカードスロットを搭載する

●OLYMPUSブースには149ドルのエントリーデジカメが展示

 OLYMPUSブースで新製品について質問すると、紹介されるモデルのほんとんどがブランド名こそ違うものの日本で発売済みのものばかり。そうしたOLYMPUSブースで展示中の「D-425」は、米国価格が149ドルというエントリー向けデジカメ。1/2.5インチ400万画素CCDと6.1mm(35mmフィルム換算36.7mm)/F2.8の短焦点レンズを搭載する。

 外装はプラスチックで非常に軽く、背面には1.5型液晶を搭載。背面右側のモードセレクトボタンを回すと、そのモードの簡単な説明が約3秒ほど表示されるなど、初心者に配慮した作りが伺える。電源には単三乾電池やCR-V3のリチウム電池を使用可能。記録メディアはxD-Picture Cardおよび内蔵の14MBメモリとなっている。

OLYMPUSブースに展示されている「D-425」。電源スイッチは前面に設けられており、レンズシャッターをズラしてオン/オフする仕組み 背面には1.5型液晶を搭載。メニュー操作ボタンやモードセレクトダイヤルなどを装備する
モードセレクトダイヤルを回すと、3秒ほど表示されるアドバイス画面。モードセレクトダイヤルのアイコンがどういった機能を表すか戸惑うこともない 側面にxD-Picture Cardスロットを搭載。電池もここに収納する

●BenQもデジカメを大量展示、日本市場への参加は?

 BenQといえば日本では液晶ディスプレイや光学ドライブなどで、その名を耳にする機会が多いメーカーだが、海外の市場ではデジカメも多数の製品をリリースしている。今回のCESで新たにお披露目されたのは、「E41」、「E54」、「E53」、「E43」、「C62」の5製品とのこと。

 日本市場への投入についてもたずねてみたが、ブースには米国のマーケティング担当者のみの来場だったため正確な回答はもらえなかった。ただ「日本のデジカメ市場はとてもエキサイティングだが、ハードで難しい市場だ」と述べており、米国のマーケティング担当者から受ける印象としては、早急な日本市場投入は見込めない様子。しかし、個性的な製品も存在するだけに将来的な参戦に期待したい。

BenQの「E41」。35mmフィルム換算で35mm/F3.2となる短焦点レンズを搭載する400万画素デジカメ。画素補完により600万画素相当(2,848×2,136ピクセル)での撮影も可能 上部には機能選択スイッチを装備。MP3プレーヤー機能も搭載しており、側面にはヘッドホン出力端子が用意されている 背面には2型液晶を搭載。タッチパネル式になっており、スタイラスを使ってメニュー操作などが可能。また左脇に印刷されたアイコン部でメニュー呼び出しや画面オン/オフ、画像の削除が可能
スタイラスを使って撮影画像に対して自由に描画を行なったり、スタンプを押したりできる。ブースにはこのスタイラスを使った操作について「Graffiti zone」と銘打ったパネルが掲げられていたが、べつにPalmOSを採用してわけではないそうだ スタンプ/自由描画のほか、フレームも付けることができる。MP3再生やこうした機能など、遊びゴコロを重視したモデルという印象である 500万画素・3倍ズーム機の「E54」。撮影素子のサイズや35mmフィルム換算の値は不明だが、レンズの実際の焦点距離は5.4~16.2mm
クレードルが用意されているのが特徴で、バッテリの充電やPCとのUSB接続、PictBridgeを使ったダイレクトプリントが可能 背面には2型液晶を搭載。640×480ピクセル/30fpsのASFフォーマットの動画も録再生できる 500万画素CCD・3倍ズーム機の「E53」。レンズの焦点距離は5.4~16.2mm、開放F値は2.8-4.8だが、35mmフィルム換算の値は不明
背面には2.5型液晶を搭載する。ただ光学ファインダーは装備していない こちらはE53の廉価モデルにあたる「E43」。レンズは同一ものを装備するが、撮影素子は400万画素CCDになる 2型液晶。光学ファインダー装備などがE53とは異なる点
BenQの「C62」。600万画素の撮影素子を装備し、レンズは光学3倍ズーム。35mmフィルム換算の値は39~117mm/F2.8~4.9 背面には1.6型液晶を搭載。液晶のサイズなどは異なるものの、CASIOの「QV-R61」に酷似するデザインである

●Meadeが防水タイプの双眼鏡一体型デジカメを展示

 双眼鏡型デジカメといえば、それほどメジャーな存在ではないとはいえ、以前から根強く存在し続けるジャンルだ。

 そうした双眼鏡一体型デジカメを多数リリースしているMeadeのブースでは、今年から発売される予定の「CaptureView CV-6」を展示。防水タイプであることを売りにしている。

 双眼鏡部のスペックは8×30。最短合焦距離は16ft(約4.9m)となる。デジカメ部はレンズが別途設けられており、近距離モードと長距離モードの2つのモードを切り替えて使用する。近距離モード時の撮影可能範囲は30~66ft(約9~20m)、長距離モード時は66ft~無限遠となっている。

 記録可能サイズは3M/2M/1M/VGAから選択可能だが、撮影素子は200万画素であり、画素補完により300万画素相当の出力が可能になるという。記録先には16MBの内蔵メモリのほか、最大256MBまでのSD/MMCカードも利用できる。

 米国における価格は199ドル。「日本でも発売されるはず」とブーススタッフは述べており、日本における同製品のブランドであるBinoShotシリーズのラインナップに加えられることになりそうだ。

Meadeの双眼鏡一体型デジカメ「CaptureView CV-6」。防水加工がされており雨の日などでも利用できるのが売り。前面中央のレンズがデジカメ部のレンズで、レンズ部を回すことで長/短距離モードを切り替える 接眼レンズ部側に、SDカードスと単三乾電池×2を収納。PCとはUSB接続もできる 本体上部にデジカメの操作ボタンや液晶が配置される。右側が電源兼メニューボタンとシャッター、中央が左右カーソル兼液晶ディスプレイオン/オフボタン、左側が上下カーソル兼再生画像切り替えボタン

□2005 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/

(2005年1月8日)

[Reported by 多和田新也]

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