Gatewayのノート「4016JP」レビュー
〜日本再参入前に先行発売



 ゲートウェイといえば、数年前はデル、マイクロンと並んで、直販PCメーカー御三家の一社として、日本でも活発な宣伝活動が行なわれており、ユーザーからの支持も高かった。秋葉原や新宿に直営店のゲートウェイカントリーが展開されていたほか、ゲートウェイブランドの牛柄の宣伝タクシーを見かけたこともある。しかし、業績が悪化し、2001年8月に発表された米Gateway本社の再建策にしたがって、日本市場から撤退することになった(マイクロンも'99年に日本から撤退している)。

 Gatewayはその後、2004年2月に低価格PCで業績を伸ばしていたeMachinesを買収し、米国3位のPCメーカーとなるなど、赤字回復に向けて着々と業績を改善しつつある。その流れを受け、Gatewayは2004年11月、日本でのサポート態勢の強化(24時間/365日の電話サポートや認定サービスセンターの設置など)とともに、12月から日本市場向けに新製品を投入することを発表した。以前からのゲートウェイファンにとっては、願ってもないニュースであろう。

 今回は、正式参入に先駆けて九十九電機から先行発売されているGateway製のノートPCを試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

 なお、今回レビューするGateway製ノートPCは、12月に日本市場向けに発売が予定されている製品と同一かどうかは不明である。

 九十九電機から発売されているGateway製ノートPCは、15型液晶を搭載した2スピンドルノートPCで、Pentium M 725を搭載した上位モデルのGateway 4534JPと、Celeron M 340を搭載した下位モデルのGateway 4016JPの2モデルが用意されている。米国ではM320シリーズとして売られているものがベースになっているようだ。今回は、下位モデルのGateway 4016JP(以下4016JP)を試用した。ちなみに外箱は牛柄をモチーフとした同社らしいものだ。

●シンプルな構成だが、筐体の質感は良好

 4016JPは、15型液晶を搭載した2スピンドルノートPCだが、本体の厚さは30mmと薄く、重量も2.5kgと、このクラスのノートPCとしては軽量な部類に属する。ボディカラーは、シルバーとブラックを基調としており、作りや質感も良好だ。

液晶部分を閉じたところ。上面のデザインも非常にシンプルだ 上面の中央にはGatewayロゴがある DOS/V POWER REPORT誌とのサイズ比較。二回りほど大きい

 まずは、ハードウェアスペックから見ていこう。4016JPでは、CPUとしてCeleron M 340(実クロック1.50GHz)を搭載し、標準で256MBのメモリを装備している。Celeron M 340は、最新のDothanコアではなく、Baniasコアベースであるため、Dothanコア採用製品に比べるとパフォーマンス的にはやや不利だが、Webブラウズやメール送受信、文書作成などに使うのなら、十分な性能である(上位モデルの4534JPでは、DothanコアのPentium M 725を採用)。チップセットとしては、グラフィックス統合型のIntel 852GMを採用。Intel 852GMは、Intel 855GM/GMEに比べて、グラフィックスコアのパイプラインが半分になっているほか、クロックも低くなっているため、描画性能はあまり期待できない。また、メモリクロックも266MHzまでのサポート(PC2100相当)となる。

 SO-DIMMスロットは2基用意されており、最大2GBまで増設が可能だ(ただし、標準で1基SO-DIMMスロットが埋まっているので、最大まで増設するには標準で装着されている256MB SO-DIMMを外す必要がある)。HDD容量は40GBで、このクラスのノートとしては標準的だ。HDDも、本体を分解せずに交換が可能な構造になっている。

 液晶ディスプレイとしては、15型のXGA液晶が採用されている。低反射タイプのもので、最近流行のツルツル液晶ではないが、文書作成などに使うのであればむしろこちらのほうが見やすく、目が疲れない。コントラストも十分で、液晶の表示品位も満足できる。バックライトの輝度は8段階に調整が可能だ。

 光学ドライブとしては、DVD-ROM/CD-RWコンボドライブを搭載している(上位モデルの4534JPではDVD±RWドライブ)。リカバリーは、付属のリストアDVDからおこなう。

右側面にDVD-ROM/CD-RWコンボドライブを装備している 「コンピュータの電源を切る」ダイアログボックスに並ぶアイコンの横の長さは約11mmである
SO-DIMMスロットやMiniPCIスロットが底面に用意されている。冷却ファンやCPUも見える。CPUの冷却にはヒートパイプが採用されている。HDDへのアクセスも容易だ MiniPCIスロットのカバーは、一般的なプラスネジではなく、星形のトルクスネジで固定されており、基本的にはユーザーの手による交換は想定されていないようだ

●USB 2.0ポートを4基装備するなど、インターフェイスも充実

 A4ノートPCなので、キーボードにも余裕がある。キーピッチは19mm、キーストロークは2.5mmで、デスクトップPCのキーボードとほぼ同じ感覚で利用できる。キータッチもしっかりしており、快適にタイピングが可能だ。中央部を押したときのたわみも少ない。配列については、エンターキーの右側にもHOMEキーやPgUpキー、PgDnキーが配置されているので、人によっては戸惑うかもしれない。

 ポインティングデバイスとしては、スライドパッドが採用されている。パッドの右側には、上下スクロール用の領域があり、ホイール代わりにスクロール操作をおこなえるので便利だ。

キーボードは不等キーピッチもなく使いやすい。ただし、エンターキーの右側にもキーが配置されているのは、好みが分かれるところであろう スライドパッドの右側は、上下スクロール操作用の領域となっている。クリックボタンも操作しすい

 インターフェイス類も一通り揃っている。カードスロットとして、PCカードスロット(Type2×1)と4in1メディアリーダー(SDメモリーカード、MMC、メモリースティック、メモリースティックProに対応)を装備しているほか、拡張ポートとしてUSB 2.0×4、IEEE 1394(4ピン)、外部ディスプレイ、マイク入力、ヘッドホン出力を装備している。特に、USB 2.0ポートを4基搭載していることは評価できる。ただし、PCカードスロットと4in1メディアリーダーのフタがダミーカード方式なので、紛失する恐れがある。本体右側には、音量調整用ボリュームが用意されており、押し込むことでミュート操作も可能だ。

 ネットワーク機能としては、Ethernetと56kbps対応モデムを装備している。上位機種の4534JPではIEEE 802.11g準拠の無線LAN機能も標準搭載しているが(無線LAN機能はFnキー+F2キーで有効/無効の切り替えが可能)、4016JPでは無線LAN機能は装備していない。

 バッテリは11.1V、4,400mAhの6セル仕様で、公称駆動時間は約4時間(JEITA測定法ではなく、独自規準)と、このクラスのノートPCとしては比較的長い。このクラスのノートPCでは、常に携帯して使うというより、部屋から部屋へ移動して使うことが中心となるだろうが、バッテリ駆動時間が長ければ、ACアダプタを繋がずに他の部屋に持って行っても長時間使えるので、駆動時間が長いにこしたことはない。ACアダプタもコンパクトで、携帯性は良好だ。

 プリインストールソフトは、DVD再生ソフトの「PowerDVD 5.0」やCDライティングソフトの「Roxio Easy CD&DVD Creator 6 Basic VCD Edition」、アンチウイルスソフトの「Norton AntiVirus 2004」(90日版)くらいで、プリインストールソフトがてんこ盛りの国内メーカー製ノートPCに比べると少ないが、使わないソフトがたくさんプリインストールされていても、HDD容量が無駄になるばかりなので、これくらいのほうがありがたい。

右側面には、音量調整用ボリュームやUSB 2.0ポート、ヘッドホン出力、マイク入力、光学ドライブが用意されている 右側面の音量調整用ボリュームとヘッドホン出力、マイク入力、USB 2.0ポート部分のアップ。ボリュームは上下ジョグ式になっており、押し込むことで、ミュートのオンオフが可能 左側面には、USB 2.0×3、IEEE 1394(4ピン)、PCカードスロット、4in1メディアリーダーが用意されている
左側面のポート部分のアップ。USB 2.0ポートを左右あわせて4ポート装備しているのは嬉しい PCカードスロットと4in1メディアリーダーのフタは、両方ともダミーカード方式となっている 背面には、モデムやLAN、外部ディスプレイの各ポートが用意されている
6セルタイプのバッテリを採用。左はVHSビデオテープバッテリは、11.1V、4400mAhの6セル仕様で、公称約4時間の連続駆動が可能 ACアダプタも、このクラスのノートPCに付属するものとしては、かなりコンパクトである。左はVHSビデオテープ

●パフォーマンスはスペック相応だが、公称通りの長時間駆動を実現

 参考のために、いくつかベンチマークテストをおこなってみた。ベンチマークプログラムとしては、BAPCoのMobileMark 2002、SYSmark 2002、Futuremarkの3DMark2001 SE、id softwareのQuake III Arenaを利用した。MobileMark 2002は、バッテリ駆動時のパフォーマンスとバッテリ駆動時間を計測するベンチマークであり、SYSmark 2002は、PCのトータルパフォーマンスを計測するベンチマークである。また、3DMark2001 SEやQuake III Arenaでは、3D描画性能の計測が可能だ。MobileMark 2002については、電源プロパティの設定を「ポータブル/ラップトップ」にし、それ以外のベンチマークについては、AC駆動時(電源プロパティの設定は「常にオン」)にして計測した。比較用として、Pentium M 715を搭載したQosmio E10/1KLDEWとPentium M 1.40GHzを搭載したEndeavor NT300およびEDiCube S150Hの結果もあわせて載せている。

 結果は下の表にまとめたとおりで、パフォーマンスが特別高いというわけではないが、スペック相応の性能は出ている。また、MobileMark 2002のBattery life ratingは232分で、公称通りほぼ4時間の長時間駆動を実現しているのは立派だ。3DMark2001 SEやQuake III Arenaのスコアは、Intel 855GM/GMEを搭載したマシンに比べて低いが、前述したように、内蔵グラフィックスコアの性能が低いためである。

【Gateway 4016JPベンチマーク結果】
  Gateway 4016JP Qosmio E10/1KLDEW Endeavor NT300 EDiCube S150H
CPU Celeron M 340 Pentium M 715 Pentium M 1.40GHz Pentium M 1.40GHz
ビデオチップ Intel 852GM内蔵コア GeForce FX Go5200 Intel 855GME内蔵コア Intel 855GM内蔵コア
MobileMark 2002
Performance rating 147 171 155 140
Battery life rating 232 141 115 297
SYSmark 2002
Internet Content Creation 173 244 173 163
Office Productivity 116 149 145 113
3DMark2001 SE
1,024×768ドット32ビットカラー(3Dmarks) 1478 6746 2411 1914
Quake III Arena
640×480ドット32ビットカラー 75.1 294 114 97.4
800×600ドット32ビットカラー 51.3 241 87.2 68.9

●質実剛健でコストパフォーマンスの高い製品

 4016JPは、スペック的にはエントリーモデルに位置づけられる製品だが、直販価格は119,800円(税込)と安く、コストパフォーマンスは高い。最初に述べたように、Gatewayは日本でのサポート態勢の強化を表明しており、本製品も24時間/365日の電話サポートなどを受けることができるため、中上級者だけでなく、初心者にもお勧めできる。

 なお、上位モデルの4534JPでは、CPUがPentium M 725に、チップセットがIntel 855GMに変更されているほか、IEEE 802.11g対応無線LAN機能が搭載され、HDD容量も60GBに、光学ドライブもDVD±RWドライブにアップグレードされている。4534JPの直販価格は149,800円(税込)なので、こちらのコストパフォーマンスも優秀だ。予算に余裕があれば、こちらを選ぶのもいいだろう。

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【11月2日】九十九電機、Gatewayのノートを先行発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1102/tsukumo.htm
【11月1日】Gateway、12月に日本再参入
〜3年振りの日本市場復帰へ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1101/gateway.htm

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(2004年11月26日)

[Reported by 石井英男]


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