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マイクロソフト、古川最高技術責任者が講演
~PC市場はまだ飽和していない

マイクロソフト 古川享氏

10月6日 開催

価格:会場:幕張メッセ



 幕張メッセで開催中のCEATECで、2日目のキーノートに登壇したマイクロソフト最高技術責任者の古川 享執行役は、「マイクロソフトのコンシューマ戦略」について約1時間におよぶスピーチを行なった。

 冒頭で紹介されたのはPCが誕生以来25年で65.7%の世帯普及率に達したという事実。これは普及に100年を要した電気や、50年かかったカラーテレビをはるかに上回る普及速度である。その一方で、もはやPC市場は飽和し、今後のさらなる成長が期待できないのではないか、市場は縮小しているのではないか、という避けられない批判を、今年4月時点でのNEBA(日本電気大型店協会)のデータを元に否定してみせた。

 酷暑とオリンピックの影響を受けた夏場はともかく、NEBA加盟店の4月における販売実績(金額ベース)で項目別トップにあるのはやはりPC(13.19%)であり、9.71%のPC周辺機器/アクセサリと合わせると売上の4分の1近くを占める。このデータは、家電量販店を中心としたもので、PC専門店の売り上げは含まれていない。

NEBA加盟店に占めるPC関連の売り上げ PCと家電の融合を目指すマイクロソフトの取り組み
米国で9月に発売されたばかりのPortable Media Center搭載のポータブルメディアプレイヤー(クリエイティブ製)を紹介する古川執行役

 だが重要なのは、家電とPCのどちらが勝った、負けた、ということではない。PCにCD、DVDといった家電から生まれた技術が導入されているように、家電にも動画や音声のデジタル圧縮コーデック、あるいはハードディスクドライブといったデバイスの形でPCの技術が導入されている。PCにルーツをもつデジタル技術は、今後もさらなる進化が期待されると同時に、こういした技術が家電の世界にどんどん導入されていくだろう。技術の交流を通じてPCと家電が歩み寄り、垣根を越えて融合を目指す新たな展開がはじまると期待される。

 マイクロソフトも、この新たな展開を促すべく、積極的な活動を行っている。DLNA(Digital Living Network Alliance)のボードメンバーとして、PCと家電の相互接続性確保に向けた取り組み、Windows Media VideoコーデックをWindowsから分離、独立した圧縮形式としてSMPTEで「VC-1」(Video Codec 1)の形で標準化(HD DVD、BD-ROMに採用)、T-engineフォーラムとの共働により、Windows CE 5.0とT-engineをブリッジなどはその一例だ。

 こうした技術や機能の融合や変革の先にあるのは、人々のライフスタイルそのものの変革である。デジタル技術によるライフスタイルの変革、すなわちデジタルライフスタイルは、すでに現実のものとして表われつつあり、今後一層加速していくものと考えられる。

 現在、音楽をフラッシュメモリやHDDに蓄積し、さらにそれを外に持ち出すことが普及しているが、まもなくこれにビデオも加わるだろう。もちろん外出先だけでなく、家庭の中でもさまざまなコンテンツを、PC、家電製品を問わず、自由に扱える時代がすぐそこまできている。さらにPCのインテリジェンスにより、人々が次に求めるものを先回りして予測し、それを機器の側であらかじめ準備しておく、そうしたことさえ不可能ではなくなりつつある。そうした時代に向けて、マイクロソフトのソフトウェアが助けになればと願っている、と述べて講演を締めくくった。


□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/

(2004年10月7日)

[Reported by 元麻布春男]

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