8月30日発表

　社団法人日本ユネスコ協会連盟とソニー株式会社は30日、2004年9月から世界各地で科学技術体験教室「QRIOサイエンスプログラム」を実施すると発表し、記者会見を行なった。記者会見には出井伸行 ソニー代表執行役会長兼グループCEOも出席した。

　UNESCOは「教育・科学・文化を通じて世界中の人々が無知や偏見をなくし、国や民族を超えた協力により、ともに生きる平和な社会を創っていく」ことを理念に掲げている。それはソニーの理念とも共通する点が多いとして、今回のプログラム実施に至ったという。

　「QRIOサイエンスプログラム」は、子供たちに科学に対する好奇心と、新しい創造に向かう探求心をはぐくむことを目的としたプログラム。QRIOはその特別講師「サイエンスメッセンジャー」になる。

　具体的には、ソニー社員がQRIOとともに世界をまわり、QRIOの解説とデモンストレーションを行ないながら、科学技術が社会にどのように役立っているか体験的に学ぶ機会を提供するとしている。子供たちが、科学に対する好奇心と新しい創造に向かう探求心を共有し、友情をはぐくみ、平和を愛する人間へと成長する願いを伝える役割をQRIOに託すという。

　記者会見では、社団法人日本ユネスコ協会連盟副会長の鈴木幹夫氏が「人間の好奇心がいかに素晴らしい世の中をつくってきたか我々も実感している」と述べたあと、ソニー代表執行役会長兼グループCEO 出井伸之氏が、「ソニーは平和な世の中で育ってきた会社。各国でものを創るだけではなく子供たちに夢や文化をはぐくむことを意識して活動している。宗教や文化は世界各国違うが、科学はどこの国の子供たちも目を輝かせる。QRIOの名前も好奇心(curiosity)から来ている。子供達の好奇心、夢、科学する心を広く伝えたい。ロボットは、センサー、制御など、これからのコンピュータ技術の粋を集めて作られている。こういうものが育ってきて世界平和に科学が貢献するようになればいい。ユネスコの理念はソニーと同じ」と述べた。

　またアジアから初めてUNESCOの事務局長になった松浦晃一郎氏も登壇した。松浦氏と出井氏が「飲み友達」であったことも、今回のプログラム実現に繋がったという。

社団法人日本ユネスコ協会連盟副会長の鈴木幹夫氏	ソニー代表執行役会長兼グループCEO 出井伸之氏	UNESCOの事務局長 松浦晃一郎氏

　任命状が社団法人日本ユネスコ協会連盟の鈴木氏からソニーの出井氏に手渡されたあと、ユネスコのスペシャルアドバイザーをつとめる女優の栗原小巻氏からQRIOにたすきがかけられた。

　その後QRIOは「科学の発達が世界の平和に役立つよう、世界の子供達に、わくわくするような科学の楽しさを感じてもらえれば嬉しく思います。暑さや寒さなど、ロボットにとって厳しい環境が予想されますが、サイエンスメッセンジャーの名に恥じぬよう頑張ります」とメッセンジャーとしての「抱負」を述べた。

【動画】たすきをかけられるQRIO(QuickTime：約5MB)	【動画】抱負を述べるQRIO(QuickTime：約24MB)

　開催予定は下記のとおり。9月23日に民間ユネスコ運動発祥の地である宮城県仙台市(仙台国際センター)を皮切りに、12月中旬に群馬県、10月下旬にインド・ニューデリー、カルナータ州ゴカック、1月下旬にベトナムのハノイ、ライチャウ省トゥアチュアなど、世界各国を回る予定。対象は小学生～高校生、高専生。

中学生向け体験教室の例：QRIOのビジョンのシステムを通じてデジカメや光の基礎を学ぶ	小学生向け体験教室の例：デジタルカメラでQRIOを使ったコンセプトビデオなどを作る

●仙台での「QRIOサイエンスプログラム」の応募要項
・対象：宮城県内の 1：小学4年生～6年生(定員40名)、2：中学生・高校生・高専生(定員100名)
・日時：9月23日(祝)午前9:30～12:30(小学生)、3:00～5:00(中学生・高校生・高専生)
・場所：仙台国際センター(仙台市青葉区青葉山 Tel.022-265-2211)
・応募方法：往復はがきに「1：名前　2：学校名　3：学年　4：住所　5：電話番号」を記入の上、下記まで郵送

〒980-0804 仙台市青葉区大町1-2-2 仙台ユネスコ会館「QRIO」係
・応募締め切り：9月13日(月)当日消印有効

【お詫びと訂正】初出時、住所を誤って掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。

□社団法人ユネスコ協会連盟のホームページ
http://www.unesco.jp/
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200408/04-0830/index.html
□QRIOサイエンスプログラム・オフィシャルサイト(9月下旬開設予定)
http://www.QRIOscienceprogram.net/

(2004年8月30日)

[Reported by 森山和道]