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アイ・オー、「DVR-ABN16W」ベンチマーク速報
~NEC製の2層4倍速/1層16倍速ドライブ採用

DVR-ABN16W

8月中旬 発売



 アイ・オー・データ機器が2日に発表した内蔵型DVD±R/RWドライブ「DVR-ABN16W」のベンチマークテストを行なった。

 「DVR-ABN16W」は、NEC製のND-3500Aを採用している。このドライブは、DVD+R DL 4倍速に加え、DVD±R 16倍速対応を謳う製品で、パイオニア「DVR-108」とともに、現時点ではもっとも高速なドライブの1つだ。

 ベンチマーク環境はCeleron 2.80GHz、メモリ756MB、80GB HDDとなっている。計測には「nero 6」のCD-DVD Speedを使用した。

 ドライブ自体は、試作機を使用したため、計測結果は、必ずしも製品版と同じ結果とは限らない。ただし、ファームウェアのバージョンは製品版と同じバージョンとされており、製品版との差はごく少ないと思われる。

●DVD+R DL 4倍速は最速

 4倍速対応のDVD+R DLは、26分43秒をたたき出した。「DVR-108」よりも10秒程度速い結果で、ドライブの高速性を裏付けている。なお、DVD+R DLの4倍速書き込みはまだ規格化されておらず、メディアは三菱化学製の2.4倍速用を使用している。

 同じメディアを2.4倍速のDVD+R DLドライブで使用した場合は、40分以上を要するので、実用性の差は大きい。

 また、一時は逼迫していたDVD+R DLメディアも、テスト中には三菱化学の製品は潤沢に入手できる状態となっていた。あとは、価格の低下が待ち望まれるところだ。

DVD+R DL 4倍速モード結果(2.4倍速メディア使用)

●片面1層記録はメディアによって大差

 続いて、DVD±Rの片面1層記録を計測した。

 DVD-Rでは太陽誘電製の8倍速メディアを使用して計測した。記録時間は6分36秒とカタログデータの5分台には届かないものの優秀な結果といえる。パイオニアの「DVR-108」を採用した製品を以前計測した結果は7分以上となっており、それを上回る結果といえる。

 ただし、最大書き込み速度は12倍速に留まっており、16倍速には達していない。neroから見たディスクの情報も最大12倍速までとなっている。本来、8倍速までのメディアのため、16倍速記録の規格化が進み、対応メディアが出てくれば、さらに改善される可能性は高い。

DVD-R 16倍速モード結果(8倍速メディア使用)

 DVD+Rでも太陽誘電の8倍速メディアを使用した結果、6分2秒とさらに高速な記録となった。

 グラフを見ると、最後は15.95まできれいに伸びており、ほぼ16倍速に届いている。

DVD+R 16倍速モード結果(8倍速メディア使用)

●現在、トップクラスの高速ドライブ

 結論として1層/2層を問わず、現時点では最高速クラスのDVD+R DLドライブといえる。

 ライバルはパイオニアの「DVR-108」を採用した製品群ということになるが、こと高速性については勝っていると言っていいだろう。

●16倍速記録の帯域の大きさ

 余談だが、今回のベンチマークで使用したIntel 845Gチップセットベースのシステムでは、当初、どのように計測しても14倍速以上の速度が出ずに困惑した。もちろん、アンチウィルスソフトなどの入っていないプレーンな計測用の構成になっているのだが、シンプルさを目指すあまりビデオカードではなく、チップセット内蔵のグラフィックスを使用していたことが原因だった。

DVD+R 16倍速モード結果(ビデオカード装着前)

 当たり前のことだが、チップセット内蔵のビデオ回路の場合、AGPスロットにビデオカードを差している場合に比べて速度が低下する。メモリ帯域の制限や、ビデオ表示に伴うオーバーヘッドにより、処理速度は低下する。しかし、それがDVDメディアの書き込み速度に直接影響するとは意外だった。逆にいえば、16倍速記録というのはそれだけの帯域を必要とする領域なのだということなのだろう。

 ちなみに、8倍速メディアに8倍速記録をした場合では、ビデオカードの有無は書き込み時間に影響しなかった。

 また、もう一つ、再確認させられたのが、メーカーによるメディアの差だ。今回のベンチマークテストでも、リコー、マクセル、三菱化学など複数社のメディアを用意したが、8倍速が上限とドライブに判断されるメディアが多かった。結果的には-R/+Rとも太陽誘電製のメディアが最速となった。

DVD+R 16倍速モード結果(マクセル製8倍速メディア使用)

 もちろん、各メディアとも8倍速対応メディアであり、その速度では十分に書き込みができるのだが、マージンに差があり、書き込み戦略を変えているということなのだろう。高速かつ安定した書き込みのためにも、早期の16倍速規格の規格化と対応メディアの登場を期待したい。

□関連記事
【8月2日】アイ・オー、1層DVD記録が5分台の16倍速DVD±Rドライブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0802/iodata.htm
【7月15日】片面2層4倍速DVDドライブ実力測定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0715/dvddl.htm
【6月29日】DVD+R DL対応スーパーマルチドライブベンチマークテスト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0629/dvddl.htm

(2004年8月6日)

[Reported by date@impress.co.jp]


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