Taipei International Convention Center 会期:6月1日~5日(現地時間)
数年前のCOMPUTEX TAIPEIでは、MP3プレーヤーが多数展示されていたが、MP3プレーヤーに代わって、今後人気が出てきそうな製品が、小型カラー液晶を搭載したポータブルビデオプレーヤーである。 日本でもソニーなどからMPEG-1/2/4に対応したポータブルビデオプレーヤーが登場しているが、今回のCOMPUTEXではこうした製品が数多く見られた。また、三洋電機のXacti DMX-C1のようなMPEG-4対応ムービーカメラも、これから成長が見込まれる分野だ。そこで、COMPUTEXの会場で展示されていたポータブルビデオプレーヤーやムービーカメラを紹介していきたい。 ●7型大型液晶を搭載し、単体でのMPEG-4エンコードも可能な「DVX-POD 7010」 MobiNote Technologyブースでは、7型の大型液晶を搭載したポータブルビデオプレーヤー「DVX-POD 7010」が展示されていた。DVX-POD 7010は、20GBの1.8インチHDDを内蔵しており、MPEG-4、WMV、QuickTime 6、DivX 3.11/4.x/5.xという多くのフォーマットに対応していることが特徴だ。 液晶の解像度は720×480ドットで、低温ポリシリコン液晶が採用されている。液晶の表示は鮮やかで、ドットの隙間も気にならない。再生可能な解像度は、MPEG-4が720×480ドット/30fps、WMVが352×288ドット/30fps、QuickTime 6が640×480ドット/30fps、DivX 3.11が352×288ドット/30fps、DivX 4.x/5.xが720×480ドット/30fpsまでである。 また、AV入力端子も装備しており、単体でMPEG-4形式で録画を行なうことも可能だ。録画時の解像度は704×240ドット/30fps(シンプルプロファイル対応)となる。 本体サイズは192×115×28mmで、液晶が大きいこともあり、やや大きめだが、厚さは比較的薄い。重量は600gで、内蔵リチウムイオン電池により、3~4時間の連続再生が可能だという。USB 2.0対応インタフェースを装備しており、PCからUSB経由で動画データの転送が可能だ。また、動画だけでなく、MP3形式やWMA形式の音楽を再生することもできる。 実売価格は600USドル前後になるというが、液晶も大きくて見やすく、なかなか魅力的な製品であった。なお、同じ仕様と思われる製品が、他のブースでも展示されていた。
●3.5型液晶を搭載した「Jukebox Player BCVJ-100」と「Montego」 BeCellブースでは、3.5型液晶を搭載した「Jukebox Player BCVJ-100」(以下BCVJ-100)が展示されていた。 BCVJ-100は、MPEG-4、DivX 2/3/4/5.0に対応したポータブルビデオプレーヤーであるが、HDDは内蔵しておらず、SDメモリーカードに記録された動画を再生するという製品だ。また、JPEGファイルの表示機能やMP3の再生機能も装備している。 本体サイズは94×33×10mmとコンパクトで、重さも200gと軽い。ただし、液晶の解像度が低いようで、ドットの隙間がやや気になった。内蔵リチウムイオン電池で、動画再生時は最大3時間、MP3再生時は最大5時間の連続動作が可能だという。欧米向けに7月中旬から出荷が開始される予定で、価格は未定とのことだ。
2001 Technologyブースで展示されていた「Montego」も3.5型液晶(320×240ドット)を搭載したポータブルビデオプレーヤーである。こちらは20GBの2.5インチHDDを内蔵しているほか、CFカードスロットも装備する。 MPEG-1/2/4とDivX 3/4/5およびXviDの再生が可能なほか、JPEGファイルの表示やMP3の再生もサポートしている。また、赤外線リモコンも付属する。 本体サイズは140×120×30mmで重量は500gと、3.5型液晶搭載モデルとしては大きい。なお、オプションのクレードルにはEthernet端子が用意されており、Ethernet経由で動画や音楽のストリーミング再生も可能になるという。内蔵リチウムイオン電池で約4.5時間の動画再生が行なえる。 また、SAMPOのブースでも3.5型液晶と2.5インチ20GB HDDを搭載したポータブルビデオプレーヤー「PXD1」が展示されていた。
●2.5型液晶を搭載した「JoyToGo」と「Black Diamond」 AnexTek Globalのブースでは、2.5型液晶を搭載したポータブルビデオプレーヤー「JoyToGo」と「Black Diamond」が展示されていた。 JoyToGoは、20GBまたは30GBの1.8インチHDDを搭載しており、液晶の解像度は480×234ドットである。再生可能なフォーマットは、MPEG-4、MotionJPEG、DivX 5.0で、SDメモリーカードスロットも装備している。 MP3ファイル、WMAファイルの再生やJPEGファイルの表示も可能だ。また、スピーカーを内蔵しているため、ヘッドホンを接続せずに音声の再生が行なえる。 また、オプションのクレードルを利用することで、MPEG-4形式での録画も可能になる(最大640×480ドット/25fps)。サイズは73.1×95.6×26.7mmとなかなかコンパクトである。JoyToGoは、すでに動作デモが行なわれており、9月頃の出荷を予定しているという。 Black Diamondは、同じ2.5型液晶を搭載しているが、1インチHDD(容量は未定)を採用することで、手のひらにすっぽり収まる超小型サイズを実現していることが特徴だ。液晶の解像度は294×228ドットで、JoyToGoに比べると低い。 再生可能フォーマットはMPEG-4で、MP3ファイルやWMAファイルの再生も可能だ。また、MP3やWAV形式での録音機能も装備している。内蔵リチウムイオン電池で最大6時間の動画再生ができる、液晶をオフにすることで、最大14時間のMP3ファイル再生が可能だという。こちらは、会場で展示されていたのはモックアップのみだったが、JoyToGoと同じく9月頃の出荷を予定しているとのことだ。
●完成度の高いMicrotekのMPEG-4ムービーカメラ「DV330」 MPEG-4形式で記録できるというムービーカメラもいくつか展示されていたが、その多くはモックアップであり、実際に動作する製品は少なかった。その中でも、特に完成度が高かったのが、スキャナなどで有名なMicrotekの「DV330」である。 DV330は、321万画素CMOSカメラを搭載したムービーカメラで、640×480ドット/10fpsまたは320×240ドット/25fpsでの動画撮影が可能である。Xacti DMX-C1のようにVGAでフルフレームの撮影はできないが、320×240ドット/25fpsでも、動きは十分スムーズであった。 もちろん、静止画の撮影も可能で、撮影解像度は2,816×2,112ドット(画素補間による)/2,048×1,536ドット/1,600×1,200ドット/1,280×960ドット/640×480ドットとなっている。 光学ズームレンズは搭載していないが、4倍デジタルズーム機能を搭載する。記録媒体としてはSDメモリーカードを採用している。通常モードでは最短1mまで、マクロモードでは15~25cmの範囲の被写体を撮影可能だ。静止画撮影用のフラッシュも内蔵している。 電源は、リチウムイオン電池または単4アルカリ電池4本で動作する。液晶モニタとして1.8型液晶を搭載する。液晶は回転するようになっているので、自由なアングルで撮影可能で、自分撮りにも便利だ。本体サイズは112×67×50mmでコンパクトであり、重さも165gと軽い。
□COMPUTEX TAIPEI 2004のホームページ(英文) (2004年6月8日)
[Reported by 石井英男]
【PC Watchホームページ】
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