Taipei International Convention Center 会期:6月1日~5日(現地時間)
GIGABYTEは今回のCOMPUTEX TAIPEIにあわせて、報道関係者向けに同社のNan-Ping(南平)工場見学ツアーを開催した。こうした工場見学ツアーというのは、実はそれほど珍しいものではなく、毎年のように開催されている。しかし今回は普段なかなか許可されない、工場内の写真撮影が許可されたので、マザーボードの製造やパッケージングがなされる様子を写真で紹介していきたい。 ●マザーボードやビデオカードなどを製造するNan-Ping工場 今回訪れたNan-Ping工場は、COMPUTEX TAIPEIが開催されている台北国際貿易センターからバスでおよそ1時間。古い建物も残る町並みのなかに、近代的な作りのビルがそびえたっている。このなかで、同社の主力製品であるマザーボードやビデオカードが製造されているのだ。 Nan-Ping工場は2000年10月に操業開始された、同社しては2番目に新しい工場。45平方kmの敷地を持ち、工場内では1,800人の従業員が働いているという。 同社が保有する工場は全部で4つ。台湾のNan-Ping工場、Ping-Jen(平鎮)工場。中国のDong-Guan(東莞)工場、Nin-Bo(寧波)工場だ。Nan-Ping工場は最大の生産能力を持つ工場で、マザーボードが月産80万枚、ビデオカードなどの拡張カードが月産40万枚と、それぞれ同社全体の半分近くを製造している。 今回はこのうちマザーボードの製造ラインを見学した。製造の流れを大きく分けるとSMT、DIP、テスト、パッケージングに分けられる。工場内は、例えばマザーボードのSMTが7階、DIPが5階、といった具合に工程別にフロア分けされており、各工程終了時にエレベータを使って次の工程のフロアに製品が届けらる。 ●マザーボードの基礎を作るSMT工程 それでは、各工程を紹介していこう。最初に見学させてもらったのはSMTと呼ばれる工程だ。マザーボードのSMT工程は工場の7階にラインが用意されており、ここではPCBにチップセットやオンボードデバイスのLSI、コンデンサや抵抗などを取り付ける表面実装作業が行なわれる。 この工程はほぼすべてが自動化されており、ライン上に人の手が加わっている個所は、シルク印刷用の塗料を用意する人、ラインの最後で製品をチェックする人といったところで、1ラインあたり5~6人程度。
●マザーボードを完成させるDIP工程とテスト風景 SMT工程が終了したらフロアは5階へ降り、DIP工程へと移る。このDIP工程では、CPUやメモリ、PCIなどのスロット類やI/Oコネクタ、チップセットのヒートシンクなどの取り付け作業が行なわれる。 SMT工程とは異なり、こちらはほぼすべてが人による手作業で行なわれており、スロットの半田付けが機械化されている程度だ。1ラインあたり30人近くの手が加わっており、メモリスロットを取り付ける人、パラレルポートを取り付ける人など、かなり細かく分業化されていた。 このDIP工程を持って、いちおうマザーボードは完成となる。このあとは同じフロアでテスト作業が実施される。テストは電気的に問題がないかを確認するテスト、BIOSを起動したりOSの動作をチェックする動作確認テストが一通り行なわれている。また、完成製品の一部は恒温槽に入れられて耐久テストも実施されている。マザーボードのMTBF値などは、この耐久テストから導き出されるわけだ。 ●出荷目前のパッケージング工程 マザーボードが完成。テストも通ったら、最後はパッケージングだ。このパッケージング工程も多くは人の手によって行なわれており、自動化されているのは製品の化粧箱の組み立て、製品を段ボールに詰めてベルトで閉じるところなど。ベルト上を流れる化粧箱に、マザーボードや付属品を詰めていく作業がメインだ。この工程を終えると、いよいよ出荷されるわけである。 【お詫びと訂正】初出時に、一部キャプションについて誤った記載がありました。お詫びして訂正させていただきます。
□GIGABYTEのホームページ(英文) □COMPUTEX TAIPEI 2004のホームページ(英文) (2004年6月4日)
[Reported by 多和田新也]
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