Taipei International Convention Center 会期:6月1日~5日(現地時間)
Socket 939のAthlon 64 FX/Athlon 64を発表したAMDは、COMPUTEXにおいてもう1つ別の重要な発表を行なった。それが、ServerWorksブランドでサーバー/ワークステーション向けチップセットを展開するBroadcomとの提携に関する発表だ。 これまで、AMDのサーバー/ワークステーション向けチップセットは、自社で開発したAMD-8000シリーズチップセットだけだったが、今後Broadcomが参入することで、インフラストラクチャの拡張という点でAMDのサーバー/ワークステーションビジネスに大きな影響を与えることになる。 ●Broadcomのエンタープライズにおける経験をOpteronプラットフォームに生かす 今回の記者会見では、AMD コンピュテーションプロダクトグループ担当副社長のダーク・マイヤー氏とBroadcomのエンタープライズコンピューティンググループ担当副社長のトーマス・ラガッタ氏による提携の調印式が冒頭に行なわれた。 今回発表されたのは、AMDとBroadcomのサーバー/ワークステーション向けチップセット事業であるServerWorksの提携で、今後BoradcomはAMDのサーバー/ワークステーション向けインフラストラクチャの充実に協力していくことになるという。 Boradcomのラガッタ氏は「AMDの強みはシームレスに64bitと32bitの両方に対応しているプロセッサを持っているところにある。そしてBroadcomの強みはネットワーキングとストレージにある。それらをうまく組み合わせていくことで、より強力なエンタープライズプラットフォームを提供することが可能になる」と今回の提携の意義を語っている。 今回の提携は、BroadcomがServerWorksブランドでOpteron向けサーバー用チップセットを製造するということ以外に、サーバーインフラストラクチャの研究開発(例えばHyper Transportの開発など)など、技術面での協力も含まれているという。さらにマーケティング面でも協力し、両社共同の製品発表や、共同で顧客を訪問する、ということも推進するという。 ただし、今回の発表では、具体的な製品計画などについては明らかにならなかった。記者団からは製品計画などについての質問が上がったが、「今回は提携の発表であり、具体的な製品計画についてはOEMメーカーなどに説明していきたい」とだけ述べ、具体的な製品ラインナップなどには触れなかった。なお、最初の製品のリリースは今秋が予定されていることだけは明らかにされた。
●AMDのサーバー戦略を後押しするBroadcomとの提携
昨年の4月にAMDがOpteronを発表して以降、AMDはほぼゼロからのスタートと言ってよい状況の中、多くのOEMベンダを獲得してきた。実際、COMPUTEXの会場に設置されていたAMDブースでは、複数のベンダのOpteron搭載サーバーなどが公開されていた。そこには、IBM、HP、Sun MicrosystemsといったそうそうたるOEMメーカー名が並んでいる。 そうした中で、AMDが常に指摘されてきたのは、サーバーのチップセットベンダが存在していない点だった。Intelのように、リソースに余裕があるベンダであれば、自社でチップセットを開発することも可能だが、AMDの場合はIntelほどリソースに余裕があるわけではない。 このため、デスクトップPCやノートPCでは、VIA、ULi、SiS、NVIDIA、ATIなどのチップセットベンダにチップセットを製造してもらい、サポートもしてもらっている。サーバー市場でもチップセットベンダの存在が必要とされていただけに、同市場におけるビッグネームと言えるServerWorksがOpteron対応チップセットをリリースするというニュースはOpteronの躍進を後押しすることになるだろう。 □COMPUTEX TAIPEI 2004のホームページ(英文) (2004年6月2日)
[Reported by 笠原一輝]
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