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エプソン、40型有機ELディスプレイを開発
~インクジェット技術を応用

5月18日 発表



 セイコーエプソン株式会社は18日、インクジェット技術を応用し、世界初の40型有機ELディスプレイを開発、その試作品を公開した。

 有機ELは、液晶と比べ、薄型軽量、低消費電力、高コントラスト、広視野角、高速応答、高色再現が可能な自発光タイプの表示素材。TVなどの映像表示機器での商品化を目指し、各社が研究開発を重ねているが、大型化、屋外での視認性、寿命などの課題が残されている。

新技術の特徴

 今回同社が発表した技術は、大型化を実現するもの。従来は有機層の成膜過程で蒸着技術などが用いられていたが、同社はプリンタの技術を応用したインクジェットによる塗布技術を開発した。

 この技術では、インクジェットプリンタでインクを吐出するのと同様に発光材料を基板に吐出する。プリンタではすでに大型用紙への高精細印刷技術が確立されているため、この新技術により、高精細な大型有機ELパネルの製造が可能となった。

 加えて、同社インクジェット技術は非加熱方式のため、蒸着と違って、有機材料を痛めず、必要な画素にだけ吐出することで、材料を有効に利用できるといったメリットも併せ持つ。

インクジェットで発光材料を吐出する様子は、まさにプリンタそのもの

 同社では、現在液晶が主流となっている10~40型の家庭向けTV、および3~10型のモバイル用途で有機ELディスプレイによる事業展開を図る。

 今回の試作機は寿命が1,000~2,000時間程度だが、実用化のおよその基準となる10,000時間の動作もすでに目処が立っているとしており、最終的には50,000時間を目指す。2007年に製品化の予定。

 公開された試作機は、解像度1,280×768ドット、駆動方式はアクティブ・マトリックス、精細度は38ppi(pixel per inch)、色数は26万色以上。

公開された40型有機ELディスプレイ試作機。パネル上に十字の継ぎ目が見えるが、これは小型の基板を貼り合わせているため。成膜自体は40型での一括形成が可能 横から見たところ。薄型で、広視野角なのが確認できる

□セイコーエプソンのホームページ
http://www.epson.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.epson.co.jp/osirase/2004/040518.htm

(2004年5月18日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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