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メルコホールディングス、過去最高の売上げに
~メモリ、ストレージ事業が伸張

メルコホールディングス代表取締役社長 牧 誠氏

5月11日発表



 株式会社メルコホールディングスは11日、2003年度連結決算を発表した。

 売上高が1,037億300万円、営業利益は52億2,800万円、経常利益54億900万円、当期利益30億5,500万円となった。

 昨年10月1日付で、ホールディングカンパニー制に移行したため、同体制では初の決算。そのため、決算短信上では前年比較は記載されていないが、バッファローの2003年3月期の決算と比較すると、売上高が18.5%増、営業利益で33%増、経常利益が32.5%増、当期純利益で63.5%増という成長を遂げている。

 「グループとして過去最高の売り上げ、利益を達成した」(牧博道常務取締役)という。

 事業部門別の売上高は、メモリ事業が前期比35.8%増となる339億6,000万円、ストレージ事業が21.6%増の379億7,700万円、ネットワーク事業が1.2%増の231億6,600万円、その他事業が2.9%増の85億9,600万円となった。

 メモリ事業に関しては、DRAM調達のスポット価格が比較的安定していたこと、USBフラッシュメモリ事業が増大したことで売り上げを拡大。収益を左右する在庫に関しても、在庫補償費用が、前年の9億円から9.6億円に上昇したものの、売上高に占める比率は3.6%から2.8%に改善しており、「全体比率を引き下げたことは大きな成果」(牧常務取締役)とした。メモリ事業のうち約230億円がフラッシュメモリとなっている。

 ストレージ事業では、テレビチューナ付きパソコンとブロードバンドの普及によって、動画利用の増加が下支えとなり、データ保存用のHDD、DVDの利用が活性化、ネットワーク接続用HDDであるLinkStationなどが好調な売れ行きを見せたのが成長要因。

 ネットワーク事業に関しては、下期に新製品投入の遅れによって機会損失があったものの、無線LAN製品群の需要拡大がプラスに貢献した。無線LANを中心とするブロードバンド関連製品では、188億3,800万円となり、前年比4.9%増となった。

メモリ製品の売り上げ情況 ストレージ製品の売り上げ情況

 「無線LAN製品は、数量では前年比26%増となっているが、10%強の単価下落があったことが、売り上げに影響している」という。

 現在、無線LAN製品の規格別の出荷内訳は、802.11g対応が約55%、b対応が約30%、aとgのコンボタイプが約15%となっており、「かなりgへの移行が進んでいるが、2台目、3台目と増設するユーザーに対しbが根強く売れている」と分析している。

 2004年度の見通しは、売上高が前年比17.6%増となる1,220億円、営業利益が16.6%増の61億円、経常利益が16.4%増の63億円、当期純利益が1.5%増の31億円としている。

 最終利益の伸び率が低いことに関しては、持ち株会社化への移行に伴って、バッファローからメルコホールディスングスへの資産移行などに伴い、有形固定資産の売却損などが約80億円発生すると予測していることなどが含まれているとした。

 メルコホールディスングスの牧誠社長は、「研究開発にも引き続き、投資を行ない、デジタルホームやブロードバンドの高機能商品の開発、最先端メモリ開発のためのテスターの購入、低環境負荷製品の生産設備増強などに力を注ぐ」とした。

 事業別の売上げ見込みは、メモリ事業が前年比19.8%増となる407億円、ストレージ事業が5.9%増の402億円、ネットワーク事業が17%増の271億円、その他事業が62.9%増の140億円となった。ネットワーク事業のうち、ブロードバンド事業の売上高は22.6%増の231億円を目指す。

 メモリ事業に関しては、USBメモリ市場の継続的な成長に加えて、先端モジュールの積極投入を予定しており、引き続き同社の収益の柱に位置づける考え。今年度は海外市場への展開も視野に入れている。

 ストレージ事業に関しては、動画利用ユーザーの増加に伴うHDD事業の売り上げ増加、デジタルホーム向けのストレージ製品のラインアップをすすめ、将来に向けた事業拡大の布石を打ちたいとしており、「デジタル家電時代には重要な柱になるだろう」(牧社長)としている。

 ブロードバンド事業に関しては、初心者層から上級者層までの幅広いユーザーに向けたラインアップの強化、無線LAN製品による法人市場への展開、海外へのチャネル開拓による事業拡大などを予定している。

 また、今年度、大幅な事業拡大を見込んでいるその他事業としては、映像関連製品としてデジタルホーム向けの映像機器のラインアップ強化をめざし、セットトップボックス「LinkTheater」の強化や、かつてトップシェアを獲得していたものの、その後事業の拡大が追いついていなかった液晶ディスプレイ事業を注力商材として、トップシェア奪還を目指す計画を掲げている。

 なお、同社では、5月10日付でバッファローの新社長に斉木邦明専務取締役が取締役社長に就任する人事を発表した。牧誠社長は、代表取締役会長となり、メルコホールディングスの代表取締役社長と兼務して、グループ全体の経営にあたる。

□メルコホールディングスのホームページ
http://www.melco-hd.jp/
□平成16年3月期 決算短信
http://melco-hd.jp/news/2004/0510-1/index.htm
□バッファローのホームページ
http://www.melcoinc.co.jp/

(2004年5月11日)

[Reported by 大河原克行]


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