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レックスマーク、プリンタ新製品発表会を開催
~日本市場を意識して開発

会場に展示されたZ818

4月14日発表



 レックスマーク インターナショナル株式会社は14日、同日発表されたインクジェットプリンタと複合機の新製品発表会を、都内で開催した。

●日本市場への取り組みを強化

雨宮敏朗 代表取締役社長

 発表会では同社の雨宮敏朗 代表取締役社長が、プリンタ市場について概観した。これまでは米国では複合機が、日本では単機能の高画質機が主流だったが、日本でも複合機がシェアを伸ばしており、多様化が進んでいること、ビジネスユーザーやマニア層から幅広い年齢層にユーザーがひろがり、デジタルカメラやフォトプロセス市場も急激に拡大してることなどを説明。

 その中で同社は“「紙」の世界と「デジタル」の世界の架け橋”を目指すとし、デジタルデータから紙へ、紙からデジタルデータへの行き来を、簡単にできるようにするとした。

 また、これまでの同社の製品には「日本になくてはならないものが欠けていたため、評価が低かった。欧米市場ではPC無しでのスタンドアロンコピーや、フチ無し印刷などは重視されないが、今回の製品にはこれらの機能を盛り込んだ」と述べたほか、「日本と日本以外の市場には差異がある。エプソンやキヤノンは欧米では苦戦している」とし、日本市場への取り組みを強化するとした。

ユーザー層と市場規模の拡大 紙とデジタルを結ぶ
X5270 X5250 X2250
Z810 Z615 4月下旬に発売される専用光沢紙

●顔料と染料を併用

木下聡 ゼネラル・マネージャー マーケティング

 新製品の具体的な改善点は、同社の木下聡 ゼネラル・マネージャー マーケティングにより説明された。

 改善点は、大きく3つに分類される。1つ目は「基本機能の充実」で、DCモーターによる滑らかな用紙送りや、複合機のX5200シリーズにおける操作パネルの整理、本体の小型軽量化、高級感のあるデザインの採用などが含まれる。とくに小型軽量化については、複合機において本体と奥行きをそれぞれ100mmずつ縮小し、体積比を約50%に、重量を2.4kg軽量化したとした。

 また、X5200シリーズでは印刷速度も他社製複合機より高速とした。

 2つ目は「日本市場への対応」で、雨宮社長からも述べられたとおり、エントリー機のX2250にスタンドアロン・コピー機能を装備した。また、Z800/X5200シリーズの色作りでは「従来は“アジア向けの色作り”としてひとくくりにされていたが、日本語向けドライバには日本向けのカラーテーブルを組み込み、日本人好みの色を出した」とした。

X5200シリーズは本体を小型軽量化した 同社内での他社製プリンタとの速度比較。単位は秒 X5200シリーズでは、PCで操作可能な項目を省き、操作パネルを整理した

 最後は新インクシステムの要となる「スマートカートリッジ」。スマートカートリッジにはいくつかの新技術が含まれるが、その1つが、通常インクに染料、フォトインクに顔料を採用したこと。6色インク時には染料インクの上に顔料インクが乗ることで、染料の鮮やかな発色と、顔料の保存性を両立させることができたとした。

 また、異なる大きさのインク滴(5plと9pl、または3plと10pl)を吐出するノズルを組み合わせることで、高速印刷と精細印刷に対応するほか、ノズル数を増やし、CMYのノズルを並列に配置して印刷速度を向上させた。

 さらにカートリッジにCMOSを搭載し、カートリッジがインク残量を記憶することで、正確に残量を計測できるようになり、4色時でも6色時でも同じ色形態を維持できるとした。

 なおこのCMOSの機能を利用して、インクやカーリッジの消費量、印刷量などをインターネット経由でレックスマークに送信する「Lexmark コネクト・プログラム」がZ810/X5200シリーズに搭載された。このデータは、同社がユーザーのプリンタ利用状況を把握し、製品開発にいかすためにのみ使われる。

異なるインク滴の組み合わせなどで印刷を高速化 染料インクと顔料インクを組み合わせる カートリッジにCMOSを搭載する
新インクシステムのカートリッジ Z810シリーズ(左)とX5200シリーズのカートリッジ取り付け部。左側にブラックインクまたはフォトインク、右側にCMYのカートリッジを取り付ける。フォトインク、CMYインクとも3色一体型で、ヘッドもカートリッジに一体化される

●高機能、高級機への流れも

 今回の新製品では、メモリカードスロットやデジタルカメラからのダイレクトプリント機能が搭載されていないが、これらは今後の製品で計画されているという。

 雨宮社長が「HPやデルによる、PCの低価格戦争が日本のプリンタ市場に波及することを期待している」と述べたとおり、同社のプリンタ市場における基本的な戦略は「低価格」。今回、ダイレクトプリントが搭載されなかったのも、価格を優先したためとしている。

 一方で「キヤノン、エプソンのような高画質、高機能機に取り組まなければならない」という意識も社内にはある、との声も聞かれた。現状では具体的な計画はないものの、将来、レックスマーク製の高機能機が登場する可能性もあるようだ。

□レックスマークのホームページ
http://www.lexmark.co.jp/
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【4月14日】レックスマーク、A4インクジェットプリンタ3機種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0414/lexmark1.htm
【4月14日】レックスマーク、A4インクジェットプリンタ3機種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0414/lexmark2.htm

(2004年4月14日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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