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ビル・スー氏基調講演レポート
~Entertainment PCでデジタルホーム実現へ

米Intel副社長 兼 デスクトップ・プラットフォーム事業本部長 ウィリアム・スー氏

4月7日~8日 開催

会場:ヒルトン東京ベイ



 インテル・デベロッパ・フォーラムJapan Spring 2004の開催2日目となる8日は、米Intel副社長 兼 デスクトップ・プラットフォーム事業本部長のウィリアム・スー(ビル・スー)氏がPCおよびデジタルホームに関する基調講演を行なった。

 スー氏は冒頭で、「技術の革新こそがすべて。イノベーションの組み合わせによって新しいビジネスチャンスが到来し、新しい会社も生み出される。これはすべての人にとって大きなチャンスになる」と、技術革新の重要性について語った。

 引き続き同氏は、PC関連技術について、「今年導入するGrantsdaleは、PCI Express、DDR2メモリ、LaGrande Technology、Vanderpool Technologyなどが投入され、10年ぶりにPCのアーキテクチャを一新するものになる」と切り出し、「Vanderpoolについては半年前のIDFでも紹介したが、そこではゲームなどで利用できることをデモした。しかし、ビジネス・エンタープライズでも活用できる。より古いOSのアプリケーションで開発したものを、新しいOS上で動かすことが可能で、検証する手間もはぶける。活用の幅は広い」とし、実際にVanderpool上で仮想マシン上のWindows 98を使い、アプリケーションが動作するところをデモした。

 BTXフォームファクタについても説明がされた。「日本では小さなフォームファクタが強く要求されている。小さく、高性能なものが評価される。一見すると矛盾するが、PCメーカーと協力することで、その要求を満たすことができる」とし、NECの開発した13リットルシャーシの「スーパーサイレントPC」などを紹介した。

基調講演で公開されたBTXフォームファクタ筐体

 引き続き同氏はデジタルホーム構想について語った。

 「なぜ今、デジタルホームなのか。我々の環境の何が変わったか。1年前にデジタルホーム構想を明らかにしたが、デジカメやビデオ、音楽、そのほかのさまざまな情報がデジタル化されている。我々は、いつでもどこでも、どんな機器でも利用できるコンテンツを目指す。携帯電話でもPDAでもPCでもアクセス可能で、どこでも利用できるようにする」と、デジタルホーム構想を実現する下地が出来つつあるという見解を示した。

 その反面、PCを道具として見た場合、必ずしもコンシューマにとって良い物ではないという見方も示し、「簡略化が必要。PCを起動するたびに数値(パスワード)を入力したくないし、キーボードも使いたくない。リモコンだけで使えることが重要」などと述べ、PCをそのままデジタルホーム端末とするには課題があるという見解を示した。

 また、無線接続も重要であるとし、「それぞれの機器が有線で接続されていては意味がなく、デジタルホームではこれらの機器が自動的に接続され、ユーザーが意識することなく使えなければならない」と説明。Entertainment PC(EPC)を導入する意義を語った。

Entertainment PCのリファレンス機をリモコンで操作するスー氏 ケーブルを不要にするのがデジタルホームのコンセプト

 同時に、日本国内ではすでにEntertainment PCと同じコンセプトで販売されているPCが多く存在することについてもふれ、富士通「FMV-DESKPOWER T」を紹介。「デジタルコンテンツが増加すると、それらのコンテンツを一カ所で管理したいという欲求が出てくる。そういった用途にも、スタイリッシュでコンパクトなEntertainment PCは良い選択肢になるだろう」、「Entertainment PCのビジョンが富士通のようなベンダーによってすばらしい製品となっていく」と語り、Entertainment PCがリビング革命の中心になるとした。

 続いて、Grantsdaleに搭載されるRAID機能をデモしてみせ、デジタルホーム端末としてあらゆる情報を単一の端末で管理するような場合でも、容易に冗長性を持たせられる点もアピールした。

 「デジタルホームはいかに使いやすく、質の高い機器を実現し、相互運用性を備えるようにするかが重要。コンシューマ向けに高品質なコンテンツを簡単に提供する、そのために業界が一丸となることができれば……既にそういった情況は整い始めている」として、講演を締めくくった。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□IDF Japanのホームページ
http://www.intel.co.jp/jp/idf/

(2004年4月8日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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