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マイクロソフト古川享氏が早稲田大学でセキュリティセミナー
~David LeBlanc氏は学生向け講義

3月29日開催



 マイクロソフト株式会社学校法人早稲田大学は29日、東京都新宿区の早稲田大学大久保キャンパスにて、学生向けセキュリティ技術者特別セミナー「Writing Secure Code」を共催した。

 マイクロソフトと早稲田大学は2003年11月17日に、早稲田大学理工学部の学生、大学院生をを対象にコンピュータセキュリティ分野の人材を育成するために提携した。今回のセミナーは、その提携の一環として行なわれたもの。

早稲田大学副総長セキュリティ技術者養成センター長
村岡洋一氏

 セミナー開催を前に、早稲田大学副総長セキュリティ技術者養成センター長 村岡洋一氏が挨拶。「4月から、マイクロソフトとともに(同大学の)セキュリティ技術者養成センターで学生向けにセキュリティ分野の講義を行なう。ただの提携に終わらせず、カリキュラムとして受講できるようにした」と述べた。

 マイクロソフト側もセキュリティ技術者養成センターに講師を派遣し、Windowsを基盤としたセキュリティカリキュラムを実施していくという。

Microsoft バイスプレジデント兼最高技術責任者
古川享氏

 続いて、Microsoft バイスプレジデント兼最高技術責任者の古川享氏が登場した。

 PowerPointでのプレゼンテーションを前に、PowerPointの小技を紹介。「B」キーを押せばブラックアウトし、「W」キーで白い画面にできることを説明した。また、数字キーとEnterキーの組み合わせで好きなページに飛ばせると説明、しゃれたプレゼンテーションのやり方を勧めていた。

 同氏はまず、Microsoftと学術分野の協業について説明した。同社は現在、39カ国の200以上の機関と提携しており、研究開発費の15%は学術分野に投資しているという。

 日本での協業内容は、主に情報検索や自然言語処理を行なっているとした。PCに詳しければ理解できる「ブルーバック」は、PCに明るくない人が「画面が青くなった」と検索しても解決法は出てこない。それらを容易に検索できるようにし、ヘルプなどに組み込んでいけるようになれば、という具体的な目標を述べた。

世界の学術分野での協業 日本での協業内容

 早稲田大学とはセキュリティなど多分野での共同研究、インターンシップなどを行なっていくという。同氏は、「インターンシッププログラムで、マイクロソフトを踏み台にしてもらってBill Gatesを超える人材を育成したい」と大きな目標を掲げた。

 また、ゲスト講師を招いて講義を行なうことも明らかにされた。29日から3日間に渡って行なわれる「Writing Secure Code」では、「プログラマのためのセキュリティ対策テクニック」などの著者David LeBlanc氏を招いて集中講義を開催。これは、より安全なプログラムコードを書くための講義だという。受講した学生には9単位が与えられる。

早稲田大学との提携内容

 そこで早稲田大学との提携に関する内容が終了し、セキュリティ関連に話題を移した。古川氏は、セキュリティ対策は業界全体の課題であるとして、WindowsやLinuxなどのプラットフォーム間の比較は無意味であると説明した。

 2003年に猛威を振るったBlasterウイルスを例に挙げ、事前に対策があったにもかかわらず大きな被害が出てしまったことを教訓に対策していると述べた。これまで実践してきた対策として、「Protect your PC」のキャンペーン、パッチを集めたセキュリティ対策CD-ROMの配布、絵で見るセキュリティ情報としてガイダンスとトレーニングの提供などを列挙した。

セキュリティは業界全体の課題 Protect your PC キャンペーン ガイダンスとトレーニングの提供

 続いて、今後のセキュリティ対策への取り組みを説明。Windows XP Service Pack 2でセキュリティ設定を統合管理すること、ファイアーウォールを既定でオンにすることなどを述べた。

 デフォルトでオンになるファイアーウォールでは、既存のパーソナルファイアーウォールのようなアプリケーションごとに許可/不許可を設定可能にしたほか、アプリケーションの接続に関する情報を一元管理し、Windows 2000/XPのクライアントマシンの接続を管理できるようになると述べた。

セキュリティ設定を統合管理 ネットワークを使用するアプリケーション初回接続時のファイアーウォールのダイアログ

 次に、ユーザーから寄せられたセキュリティ対策への声を紹介し、その対応も明らかにされた。まず、パッチ提供回数の低減を挙げ、パッチ適用管理ツールであるMicrosoft Baseline Security Analyzer(MBSA)、Software Update Services(SUS)の提供を紹介した。

 そのほか、製品品質向上の実現を挙げ、出荷日数が293日時点でのWindows 2000 Serverでは「緊急」または「重要」の脆弱性が39個あったが、Windows Server 2003では9個まで減っていると説明、品質向上の成果を強調した。

ユーザーの声とマイクロソフトの対応 製品品質の向上で脆弱性を減少

 最後に、セキュリティロードマップとセキュリティ業界との提携を説明。2004年下半期にはWindows Server 2003 SP1を提供、その後はコードネーム「Longhorn」の次世代Windowsでさらに強化していくと述べた。

 会場の後方では、午後からの講義を控えたDavid LeBlanc氏が古川氏の講演を見守っており、古川氏から紹介され笑顔を見せていた。

セキュリティロードマップ David LeBlanc氏

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□早稲田大学のホームページ
http://www.waseda.ac.jp/
□提携のニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1766

(2004年3月29日)

[Reported by yamada-k@impress.co.jp]


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