会期:3月18日~24日(現地時間) 前日レポートでもお伝えしたとおり、今回のCeBITには6,400以上のメーカーが出展。中には当然(?)あまり見かけないような変わった製品や、展示を行なってくるメーカーが出てくる。だが、今回のCeBITでは、大手メーカーにそのような展示をするところが多かった。本レポートではそれらをまとめて紹介する。 ●Intelがデジタルカーを展示、ベース車がBMW 7シリーズでOEMメーカーに波紋? Intelは初日の記者会見で、“Digital Car”なるものを制作したことを発表した。最近では車のIT化も進んでおり、トヨタのG-BOOKなどはOutlookと連携して予定や連絡先などもシンクロできるなど、IT技術を応用したカーナビなども増えている。x86ベースのカーナビを試作して、Windowsが使えるPCを2DINのカーオーディオスペースに埋め込んでみたとか、IT技術を応用したXScaleベースの新しいカーナビとか、そういうソリューションでも展示するのかと心躍らせて見に行ってみた。 そのIntelのデジタルカーが、この写真だ。BMWの7シリーズをベースにしたこの車の後部座席には、可動式のアームが取付られており、その左側座席にはプリンタが、右側座席にはHPのTablet PCが取り付けられている。説明員に詳細を聞いてみたところ、なんでも車内には無線LANのアクセスポイントが用意されていて、そこにアクセスすることでインターネットに接続することができるという。 そして、アクセスポイントと、GPRSないしは3G携帯電話を無線LANで接続し、車外への接続にはダイヤルアップを用いるという。この説明を聞いて、「直接PCに携帯電話をつなげばいいのでは?」という疑問が沸々とわいてきた。が、笑顔で「便利でしょ」と説明してくれた説明員に対してそれ以上質問する勇気ははなかった……。 ところで、このBMW 7シリーズを使ったデジタルカーを見たOEMメーカーの関係者は「あれに使われているHPのTablet PCはDothanなのかな。だって、7シリーズなんでしょ」とつぶやいていた。
●拷問テスト 百聞は一見にしかず、という言葉が海外にあるかどうかは不明だが、製品の信頼性や耐久性をユーザーに知ってもらうため、ブースで拷問テストを行なっているところもあった。 MSIは、マザーボードをオーブンのような加熱機に入れ、70度に加熱するというデモを行なっていた。外気温はもちろんのこと、ケース内ですら70度にまで上昇することはまずないため、このテストにパスする製品なら誰でも安心して使えるだろう。ただし、プラス70度に熱せられてCPUやビデオカードが動作するのかは疑問だが……。 松下は、TOUGHBOOKを激しく揺れる台の上に載せ、かつ粉塵をまき散らすという派手な拷問テストを公開していた。同ノートPCは、米軍でも採用され砂漠のような悪環境などで利用されている。
●プラスワン 今回のCeBITでは、2層記録や16倍速書き込みに対応するDVDや、HD DVD、Blu-rayなど新たな光学ドライブが注目を集めていた。そしてMSIが展示していたのは、書き込みの進行具合をフロントパネル上で確認できるというDVD±R/RWドライブ。フロントパネルの下部には、進行バーが用意されており、書き込みがどれだけ進んだかが確認できるという具合。 これは会場での展示ではなく、たまたま立ち寄った電気店で見かけたものなのだが、LGのインターネット冷蔵庫を紹介しておきたい。この冷蔵庫には15型程度のタッチパネル液晶ディスプレイが埋め込まれており、TVの視聴、Webの閲覧、メールの送受信などができる。また、カメラとマイクも搭載されている。 画面のインターフェイスは、家電的なもので、最初は組み込み向けOSでも使われているのだろうと思っていた。とりあえず興味本位でPC Watchのページを表示させてみたところ、デフォルトでは日本語フォントが組み込まれていないため、それをダウンロードするかというメッセージが表示。このダイアログウィンドウがなんと、よく見慣れたWindowsのそれと全く一緒。Internet Explorer 5.5という表示もされており、どうやら中にはPCが入っているようだ。 ちなみにこの冷蔵庫のお値段、約8,800ユーロということで、日本円換算だと優に110万円を超える。左側のドアにはドリンクサーバーもついており、まさに至れり尽くせり。 ●会場でみかけた小ネタ □CeBIT 2004のホームページ(英文) (2004年3月24日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp / 笠原一輝]
【PC Watchホームページ】
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