会期:3月18日~24日(現地時間) IntelのGrantsdale/Alderwoodが事実上解禁状態となり、VIAやSiSも対応チップセットを出してきたことから、マザーボードはPCI Express一色の雰囲気となっているが、ビデオカードについても、ATIとNVIDIAが積極的にデモを行なっていた。 ●ATIはRV380のデモを公開 ATI自身のブースを含め、いくつかのビデオカードベンダーのブースでは「RV380」搭載ビデオカードのデモを実施している。RV380はPCI Expressにネイティブで対応するパフォーマンス向けGPU。 ATIの担当者はこのGPUについて明確な説明を避けたが、同じと思われるビデオカードをデモしていたビデオカードベンダーはRV380と答えており、RV380であることは間違いないと思われる。 デモの内容は、Pentium 4 3GHz、メモリ1GB、RADEON 9600 XT搭載システムと、Pentium 4 2.80GHz(LGA775)、メモリ512MB、RV380搭載システムを並べ、Pixel Shaderを使ってハイビジョン映像の編集を行なうというもの。 両者でGPU自体の性能は同等程度だということだが、それ以外の点で若干性能が低いRV380搭載システムの方が、常に8~10fps程度高いフレームレートで処理を行なっていた。これはAGP 8Xの2倍あるPCI Express 16xの転送レートの差を示すもので、とりもなおさず、ハイビジョン動画の編集にはAGP 8Xではバスがボトルネックになってくることを表わしている。
ATI以外でRV380をデモ/展示していたベンダーはリファレンスデザインと思われるATIのものと同等のカードを展示していたが、ABITはそれ以外に独自の基板のカードを2枚展示していた。 1枚はメモリ容量256MBで低クロック、もう1枚は128MBで高クロックのもの。同社の担当者によれば、RV380の処理性能はRADEON 9600と同程度だが、今後BIOSやドライバのチューニングで向上の余地はあるという。カードの出荷時期はPCI Express対応マザーボードと同時期。
●NVIDIAはGeForce PCXを大々的にデモ NVIDIAはすでに、PCI Expressに対応するGPU「GeForce PCXシリーズ」を発表していることもあり、ATIよりも積極的なデモを行なっていた。開幕2日目の19日には、多くのビデオカードベンダーのブースに連名の展示台が設けられ、いたるところで宣伝が行なわれていた。 ただし、GeForce PCXシリーズは同FXシリーズとGPUコアは同じため、デモ内容もFXシリーズと同じものであり、PCI Expressによるメリットや変化については語られていなかった。 なお、PCXシリーズは5950/5750/5300の3モデルが発表されており、ビデオカードベンダーはそれらのリファレンスカードを展示していたが、NVIDIAのみは5900というモデルをデモしていた。 同社の次々世代GPU「NV40」については若干ながら進展が見られた。昨年末の時点でNV40はビデオカードベンダーにすら公開されていなかったが、同社とMSIはそれぞれ、OEM顧客向けにNV40のデモを行なっていたようだ。内容は完全に非公開で、うかがい知ることはできなかった。
●XGIの新製品展示はキャンセル XGIはCeBIT開幕直前に、会場でデモを行なうというリリースを出しており、PCI Expressに対応する「Volari PCIE」シリーズの情報を同社ホームページで公開しているが、急遽その展示はキャンセルされた。キャンセルの理由は不明だが、同社担当者によれば、6月に台湾で行なわれるCOMPUTEXの場で改めて公開するという。 Volari PCIEは、現行のVolariをベースにしたもので、NVIDIAと同じくAGP-PCI Expressのブリッジチップを用いた製品。Volari同様、最上位モデルはデュアルGPU構成となる。ネイティブでPCI Expressに対応するGPUも現在開発中だという。 □CeBIT 2004のホームページ(英文) (2004年3月20日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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