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松下、CMOS並みの電力でCCD並みの画質を実現した新撮像素子2月13日 発表 松下電器産業株式会社は13日、低電圧/低消費電力と高感度/低ノイズの両立を実現した新型の撮像素子「νMAICOVICON (ニューマイコビコン)」を開発したと発表した。 νMAICOVICONは、広い受光部を持つ新構造画素技術と、低ノイズプロセス技術、低電圧/低消費電力の信号読み出し回路技術の、3つの大きな新技術を盛り込むことで実現した新型の撮像素子。 画素内の信号読み出し回路の駆動方式の改良により、制御用の配線本数を2本に削減。これにより、CCDと同等の30%の受光部面積率を確保し、高感度を実現した。また、一般的CCDの12Vに対して、2.9Vと大幅に低い電圧で動作するプロセスを開発し、ノイズの発生を抑えた。これらにより、5ルクス以下の暗い場所でも、高感度でノイズの少ない画像の撮影が可能となった。 CMOSは消費電力が低いが、受光面積が小さく感度が低い、CCDは感度が高く、画素の微細化が可能だが、消費電力が高いなど、それぞれ一長一短あるが、νMAICOVICONは、それぞれの“いいとこ取り”をした格好。 また、製造プロセスが単純なことから、製造にかかるリードタイムはCCDの半分程度で、価格は同画素数のCMOSイメージセンサと同程度かそれ以下になる見込み。
画素サイズは2.8μm角で、1/4インチ130万画素、および1/3.2インチ200万画素のイメージセンサが2月より量産開始となる。
当面のターゲット市場はカメラ付き携帯電話。同社では外販も積極的に行なう予定で、13日に行なわれた製品発表会で同社専務取締役の古池進氏は、「新事業としてやるからには、メガピクセル携帯市場で少なくとも3割のシェアはとりたいし、それくらいの潜在力はある製品」と、同製品にかける意気込みと自信をあらわにした。 同社はこれまで、CMOSの開発を行ないながらも、感度などの問題から量産には踏み切らなかった経緯があるが、νMAICOVICONにより、CMOS市場に攻め入る構えだ。 また、νMAICOVICONの、CCDと違い、強い光の被写体を撮影しても原理的にスミアが発生しないという特性を活かし、監視カメラや車載カメラへの展開も見込んでいる。 ただし、画面内の同時性ではCCDの方が優れていることから、デジタルカメラや、デジタルビデオカメラなどでは、今後もCCDを採用していくという。 なお、νMAICOVICONは、量子力学で光の振動数を意味する「ν(ニュー)」と、「Matsushita Advanced Image COnverter for VIsion CONstruction」から取られているが、京都で開発されたことから、舞妓の意味も込められているという。
□松下電器産業のホームページ (2004年2月13日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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