4月1日発売

標準価格：360円(2本)

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　松下電器産業株式会社 ナショナルマーケティング本部は、次世代乾電池「オキシライド乾電池」を4月1日より発売する。価格は2本入りが360円で、4～20本入りの各種パッケージはオープンプライス。

オキシライド乾電池

　'64年にアルカリ乾電池が登場して以来、筒型乾電池としては40年ぶりの新型乾電池となる。従来の単3形電池とは完全互換。同社では、アルカリ乾電池にくらべて約1.5倍、デジタルカメラでの使用時では、平均約2倍の持続時間を実現したとしている。

　オキシライドは、原材料のオキシ水酸化ニッケル(Oxy Nickel Hydroxide)から命名した造語。正極材料として、オキシ水酸化ニッケルと、新開発されたの新二酸化マンガン、新黒鉛を採用。正極材料の注入量を増量したほか、配合のコントロールによって維持電圧を向上。高注液システムの採用によって、電解液も増量された。これらの改良により、アルカリ乾電池よりも長時間の使用に耐え、電圧低下もゆるやかになったという。

　公称電圧は1.5V。本体サイズは14.5×50.5mm(直径×高さ)、1本あたりの重量は約23g。

オキシライド乾電池のしくみ	デジタルカメラ使用時の実証実験	ストロボの実証実験

　当初は乾電池市場の66%を占める単3形電池のみが投入されるが、2005年には市場の19%を占める単4形電池が投入される見込みで、これにより、市場の約9割をカバー可能としている。なお、国内での販売開始後、海外での販売も予定されているが、具体的な時期については未定。また、パッケージは世界統一デザインとして、NEWグローバルデザインが採用されている。

　発表会場では、ナショナルマーケティング本部 本部長の佐藤喜信氏が発売の背景について説明した。同氏は、「アルカリ単3乾電池の使用率は年々増加し、昨年一年間では16億個、国民一人あたり年に13個を購入している計算になる。その中でも、デジタルカメラなどの中、大電流用途が最も多く、全体の8割を超えている」と述べ、アルカリ電池よりもさらに高容量の電池のニーズがあることを示唆した。

ナショナルマーケティング本部 本部長 佐藤喜信氏	松下電池工業株式会社 一次電池社社長 梶川陽二氏。手にしているのはオキシライド乾電池

　引き続き、松下電池工業株式会社 一次電池社社長の梶川陽二氏がオキシライド乾電池の特徴について説明し、「アルカリ電池よりも電圧が高く、取り出せる電流量が多い。そのため、ストロボや携帯充電器などでは、チャージアップ時間を短縮できる。また、モーター機器の仕事量もアップする」、「オキシライド乾電池は、材料の革新だけでなく、正極量コントロールシステム、高注液システムなどを導入した、自社の新生産ラインを開発することで可能になった」などとも語った。

　質疑応答では、「従来のアルカリ乾電池は今後どうなるのか」という質問に対し、「すぐに無くなるとは考えていない。徐々にオキシライドが普及するとは思うが、アルカリを止めるというわけではない。最終的には顧客の判断。また、新しい物を出せば、それを活かす新しい用途の機器が出てくるという側面もある」と回答した。

　また、乾電池市場における台数ベースのシェアでは、「現状で30%前半の数値だが、オキシライド乾電池の投入で今後3年以内に40%は確保したい」と述べた。

会場でデモを行なった、オキシライド乾電池2本で走行する電気自動車	走行スピードは非常にゆっくりとしているが、女性を一人乗せた状態で走行する様子が公開された。ちなみに車体重量は約18kg

会場で実演されたデジタルカメラによるフラッシュ撮影の耐久テスト	アルカリ電池と比較して約2倍の撮影が可能	ポケット扇風機の風力比較実験。オキシライド乾電池は風力が強く長時間安定している

バンダイから春に発売される「SWITCH RAIDER」の公式乾電池に採用されている	オキシライド乾電池を利用してつくられた世界地図

□松下電器産業のホームページ
http://matsushita.jp/
□ニュースリリース
http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040128-1/jn040128-1.html
□関連記事
【2003年1月9日】松下、撮影枚数が15%増えたデジカメ用単3乾電池
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0109/pana.htm
【2002年1月16日】松下、デジタルカメラの撮影枚数を大幅に増やす単3電池
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0116/pana.htm

(2004年1月28日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]