会場:San Francisco The Moscone Center Macworld Conference&Expoも展示ホールがオープンして3日目を迎えたが、客足は途絶えることなく、なかなかの混雑ぶりとなっている。今回も展示ホールは南館、北館の2つが使われているが、それぞれの規模は残念ながら昨年よりも縮小している。感覚的には、南館の残されたスペースに、北館の展示を押し込めば押し込めないこともなさそうなぐらいのイメージだ。Macworldに限らずPC関連の展示会ビジネスはいずれも縮小傾向にあることは否定できない事実だが、寂しい印象は否めない。
何度もお伝えしているように、Macworldを主催するIDGは次のMacworldをボストンで開催する。現時点でApple Computerは出展を見送ることになっているが、交渉はぎりぎりまで継続されるだろう。開催日程は7月12日~15日で確定している。 ちなみに、Apple Computerに関連する催しとしては、世界中からMac向けソフトやハードの開発者が集まるWWDC 2004(世界開発者会議)が6月28日から7月2日にサンフランシスコで開催され、Apple Computerが主催するApple expo paris 2004は、8月31日~9月4日までパリで開催される。 いずれの日程も公式に発表されたもので、この2つがわりと短い期間でボストンにおけるMacworldをはさむ形をとっている。最近は必ずしもそうではないが、Macworldはもちろんのこと、WWDCやApple expoはApple Computerが新製品を発表する可能性がある舞台のひとつであるのは間違いない。初めてApple Computerの出展しないボストン開催が実現すれば、客足やその内容がどう変化するのかが注目される。 なお、Apple Computer側は冬季のサンフランシスコ開催については、いまだ積極的な姿勢と言われている。こちらの2005年の開催日程も、2005年1月10日~14日と発表済みだ。 初代iPodの発売以降、じわじわと増え続けていた関連アクセサリーの出展はいよいよ本格化してきた。当初はケースなどを中心とした、いわゆる外見のアクセサリからスタートしたが、最近はiPodの機能を拡張する周辺機器と呼ぶべき製品が増加してきた。Macに限らずPCのオールインワン化で縮小傾向にある機能拡張型のPC周辺機器と相まって、展示ホールを二分するほどになっている。これはiPodがMacと並ぶプラットホームとなりつつあるのを象徴しているようでもある。
Macユーザーにはお馴染みのGriffin Technologyは、新製品「iTalk」と「SightLight」を出展した。前者は第3世代のiPodで利用できるボイスレコーダーユニットで、同等の製品はすでにBelkinが販売している。ブースで、Belkin製品との差を尋ねてみたところ、録音レベルの自動調整機能が優れているという回答が返ってきた。 また、本体上部には、外部マイクとヘッドフォン兼用のジャックが用意されているので、外部マイクの利用ができるほか、ヘッドフォンで録音中の音をモニタできる機能も備えている。モニタ用の内蔵スピーカもBelkin製よりやや口径が大きいようで、高音質を強調していた。 現在筆者はBelkin製のユニットを使用しているが、テーブル上で議事録を取る際などのノイズの拾い方、そしていったんユニットを装着するとiPod側のホールドボタンの扱いが困難になる点など多少の不満点が存在する。iTalkは現在はプロトタイプだが、そうした要素はない様子で、後発ならではの強みはあるものと思われる。 また「SightLight」は、iSight専用のライトである。環境光センサを上部に搭載しているのでiSightで撮影する被写体が暗いときには、自動的にLEDライトが点灯する仕組みだ。点灯状態は環境光センサーによる自動点灯のほか、手動でON/OFFを切り替えることができる。切り替えは機械式で、本体横にスイッチがある。電源はiSightを接続しているFireWireケーブルを分岐する形で供給される。 「iTalk」と「SightLight」はいずれもフォーカルポイントコンピュータを国内代理店として日本での販売が決まっている。価格はオープンプライスだが、北米における参考価格はいずれも40ドル程度となっている。販売開始はともに4月を予定している。 □Griffin Technologyのホームページ(英文) MacMiceは、Apple純正のマウスによく似た形のホイール付き3ボタンマウス「The Mouse」を出展。これはもう写真を見てもらうのが一番わかりやすい。また、iSightをフレキシブルなアームで固定する「iFlex」も展示していた。前者は39.99ドルで後者は19.99ドル。 □MacMiceのホームページ(英文)
Ten Technology社の「NaviPlay」。こちらも第3世代iPod用のBluetoothアダプタである。iPodのDockコネクタ部分にユニットを取り付けて利用する。イヤフォン側のユニットでは曲名などのLED表示が可能なほか、iPodのリモコン操作に対応している。 写真はモックアップだが、ブースではプロトタイプが実際に稼働していた。残念ながらモックアップ同様にLED表示部分はシールになっていたが、2004年の第1四半期中に149ドルほどでの販売を予定しているという。 □Ten Technologyのホームページ(英文) KEYSPANの出展した「USB server」。このユニットは、接続したUSB機器を、LAN経由で利用する変換アダプタである。デモでは、マウス、HDD、プリンタを接続した「USB Server」をAirMacに有線LANで接続。AirMacとiBookの間を無線LANでつないで、これらの機器を利用してみせていた。 Mac側からは単なるUSB機器として見えるのがポイントで、USBプリンタのネットワーク上での共有や、接続したHDDをネットワークに接続しているユーザー間で共有するといった使い方ができる。 今回は紹介されていなかったが、カードリーダの共用などにも利用できそうだ。基本的にはUSB対応機器ならMac側からは単なるUSB機器として認識されるので、発想次第でユニークな使い方も考えられそうだ。Mac OS XだけでなくWindows XP/2000でも利用できる。2004年の第1四半期に129ドルで販売を予定している。製品発表はInternational CES会場でも行なわれているという。 □KEYSPANのホームページ(英文)
昨年のMacworldレポートでもお伝えしたSLIM DEVICESの音楽デバイス。MacやPCとLAN接続することにより、PC内にある音楽データをストリーミング再生するデバイスである。iTunesライブラリなどに対応しているので、付属のリモコンで自由にPC内に保存された音楽を呼び出すことができる。PCと離れたリビングなどで家庭内LANを経由し音楽を聴くといった使い方ができるわけだ。 実際、昨年は購入して帰国し便利に活用している製品でもある。その製品が「Suqueezebox」として再登場。中高生の自作電子工作キットレベルだったハウジングも民生品レベルに向上し、ソニー製のバルク品で代用していたリモコンも専用品になっていた。制御ソフトも洗練され機能も大幅に向上している。 早々に購入した1ユーザーとして、これは相当に儲かったに違いない……と想像をたくましくさせてもらった。さらに今年はIEEE 802.11b対応の製品も登場している。価格は標準モデルが昨年並みの239ドル。無線LAN搭載モデルが279ドルとなっている。 □SLIM DEVICESのホームページ(英文) ポータブルタイプのMacの新製品登場後には必ず紹介しているBookEndzシリーズ。今回は2003年9月に発表された15型PowerBook G4対応の製品が出展された。15インチの場合、インターフェイスは左右に分散されて配置されている。毎回ユニークなデザインのBookEndzだが、今回は左右からレバーを使って、えいやっとばかりに挟み込むスタイルが採られていた。価格は245ドルで、間もなく出荷が始まるという。
□Photo Contorolのホームページ(英文) □Macworld Conference&Expoのページ(英文) (2004年1月10日) [Reported by 矢作晃]
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