Macworld Conference&Expo San Francisco 2004直前レポート

「Macworld San Francisco」明日開幕
~ 初代Mac発表20周年を迎え節目のイベント


会場:San Francisco The Moscone Center
(モスコーニセンター)

会期:1月6日~9日(現地時間)



 年初恒例のMacworld Conference&Expoが、米サンフランシスコで現地時間の1月6日から開幕する。今年も午前9時(日本時間では、7日午前2時)から米Apple Computerのスティーブ・ジョブズCEOによる基調講演を幕開けとして、数々のカンファレンスや製品の展示が9日までの4日間にわたって行なわれる予定だ。

 初代のMacintoshが、'84年1月に同じサンフランシスコで発表されて以来、今年は20周年という節目を迎える。全米最大のスポーツイベントであるスーパーボウル中継のCM『1984』の衝撃的な映像は、その後も、さまざまな機会に上演されてきたので、目にしたことのあるユーザーも少なくないだろう。今回のMacworldで、このMacintosh20周年に関連する何らかの演出があるかどうかが見所のひとつだろう。ちなみに、準備中の会場内や会場周辺をひととおりチェックしてみたが、いまのところ20周年を意識させるようなものには一切出会っていない。

twentieth anniversary Macintosh
 米Appleが創業20周年を迎えた'97年には、コードネーム「スパルタカス」と呼ばれる記念製品「twentieth anniversary Macintosh」が国内直販価格888,000円の予約制で出荷された。製品単体として商業的に成功したとは言い難いが、フラットパネルを搭載したデザイン重視の一体型というコンセプトや、サブウーファを外付けとしたBOSE製のスピーカーユニットなど、さまざまな点でこれ以降の製品に少なからず影響を与えたのは間違いない。今回、こうした記念モデルの発表があるかどうかということも、各サイトの新製品予測を白熱させている要素だ。


 昨年11月、銀座に初めての海外店舗としてオープンしたApple直営店舗だが、ここサンフランシスコでも旗艦店舗となるサンフランシスコ店が建設途上にある。近郊ではスタンフォード大学そばのパロアルト店をはじめ、最近では空港からほど近いバーリンゲイムにも店舗がオープンした。またベイブリッジを渡った先には、ベイストリート店もある。

予定どおり春の開店になりそうなApple Storeサンフランシスコ店
 しかし、サンフランシスコ市中にあるという点で、サンフランシスコ店の持つ意味は単なる一店舗を越え、言うなれば銀座店に匹敵するものとなるはずだ。サンフランシスコの目抜き通りであるマーケットストリートからも視認でき、ブランドショップや有名デパートが立ち並ぶユニオンスクエアからもほど近い。正面にはバージンメガストアがあり、ベネトンやアルマーニ・エクスチェンジなどが隣接する。

 当初のアナウンスでは2004年春の開店ということだったが、前倒しして年末商戦にタイミングを合わせた銀座店の事例もあるため、Macworld開催という絶好の機会に同時開店という可能性を確認するため早々に建設現場に足を運んでみた。しかし、残念ながら外から見る限りでは、まだ数週間は必要な気配で、今回サンフランシスコ店の詳細をお届けすることは無理そうだ。

 昨年末より国内外のMacintosh噂系サイトを賑わせている新製品の予測は、廉価版のiPodというセンに収束しつつある。また、現在iLIFEとしても統合されているiTunes、iPhoto、iMovie、iDVDといったいわゆるiアプリケーションに、なんらかの追加やバージョンアップが行なわれるというのもかなり有力そうなセンだ。PowerMac G5の登場で、デザインの統一感が失われつつあるディスプレイラインナップなども見直しがはかられる可能性は高い。現状PowerMac G5とパフォーマンスが逆転しているXserveなども対象になるだろう。もちろんこれらは予測にすぎず、蓋をあけてみてびっくりという可能性は多分に残っている。

 こうした予測を裏付け、また期待させるかのように、今年もまたホール内には内容の隠された懸垂幕と横断幕が登場している。今年は一風変わって、外に向かってはiPodをデザインした懸垂幕を見せているが、裏面は隠されたままというものも含まれていた。また、基調講演の行なわれるEsplanade Ballroomに向かうコンコースにもiPodの垂れ幕が2つあるが、今日は進入を制限しているため背後にまわることができず、これらの背面にいったいなにがあるかということも気にかかる。すべては、明日明らかにされるのだが。

 これまでに何度か紹介しているように、今夏ボストンで7月12日~15に開催予定のMacworld Conference&Expoへの出展を米Appleが見送るという決定はいまだに覆されていない。それでも会場内にはボストンにおける開催日程と、さらに2005年1月のサンフランシスコの開催日程がMacworldの主催者であるIDGより明らかにされていた。ボストン開催に向けたAppleとIDGの綱引きの現状なども、引き続いてお伝えしていく予定である。

 PC Watchでは、スティーブ・ジョブズCEOの基調講演をはじめとしたレポートを、連日現地からお届けする予定である。


例年お伝えしている“The Moscone Center”の南ホール正面 光線の関係でやや写り込みがあるが、中央エントランスの左右には正面に向けてiPodの懸垂幕がすでに設置されている ホール内に入って、背後をみるとこのとおり。二つ折りにして巧妙に隠された“何か”が用意されているのがわかる

南館の展示ホール。このエスカレータを降りた先には、最大規模のAppleブースがある。ここにも隠された横断幕が一枚。向かって右側のエスカレータにも同様の横断幕がある ホールの入り口にもこのとおり隠された横断幕があった。隠された横型の横断幕は南側ホールに3~4枚用意されている模様だ 基調講演が行なわれるEsplanade Ballroomに向かうコンコースにもiPodの垂れ幕がふたつある。進入禁止となっているため、こちらの背面の様子はわからずじまい

明日をひかえてまだ閑散としているレジストレーションのエリア。スティーブジョブズCEOの基調講演に参加できるのは、カンファレンスパスの購入者である モスコーニセンター周辺には、昨年同様こうした旗が掲げられている。バス停留所の広告塔などはいまのところ変化はない。明日の基調講演後、街の様子が変わるような発表や演出はあるのだろうか 会場の南ホールと北ホールを結ぶコンコースの一角には、夏季のボストン開催に向けてボストン市街の観光ガイドなどが用意されていた。主催者のIDGだけではなくボストン市をあげてコンベンションを誘致した経緯があるため集客に懸命だ

□Macworld Conference&Expoのページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□米Apple Computerのページ(英文)
http://www.apple.com/
□基調講演のWebcast
http://stream.apple.akadns.net/
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【'97年4月24日】アップル、20周年記念Macを発表、予約販売は4月25日より受付
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970424/20thmac.htm

(2004年1月6日)

[Reported by 矢作晃]


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